ドラクエはナンバリング作品だけでなく、スピンオフ作品も豊富にあります。
それらの主人公は当然作品オリジナルキャラが務めることが多いですが、中にはナンバリング作品に登場したキャラが務める場合もあります。
早速、スピンオフで主役を務めた彼らのことを見てみましょう!
トルネコ(トルネコの大冒険 不思議なダンジョン)
ドラクエのスピンオフ、記念すべき第一作目の主人公を飾ったのはなんとトルネコ!
スピンオフといえばなんとなくテリーの印象がありますが、トルネコは大先輩です。
ドラクエ4の個性的なキャラクターたちの中で、トルネコに目を付けたというわけです。たしかに本編3章は他とは違い、お金稼ぎを目的としています。それをさらに発展させた形でゲームにしようというアイデアは面白いです。見た目もコミカルで、ドラクエ4を知らなくてもなんとなく気になっちゃうのはさすが鳥山明デザインですね。もしトルネコを主人公にしていなければ、どうなっていたことでしょう?
その後トルネコの大冒険をもとにして、風来のシレンやチョコボの不思議なダンジョンなどが作られていくこととなります。日本のローグライクゲームを語る上で欠かせない人物となったトルネコ。偉大です。
テリー(モンスターズ テリーのワンダーランド)
今やスピンオフの常連として、本編以上の活躍を見せるテリーさん。彼のスピンオフデビュー作にして最大の出世作は、言わずと知れたドラクエモンスターズの一作目です。
本編では詳しく語られなかったテリー、そしてミレーユの幼少期を描いています。詳しく描かれないからこそ、余白が生まれてこのようにスピンオフで登場することができるんだなといういい例ですね。
本編で自身が倒したバトルレックスのドランゴに慕われるテリー。そこから着想を得たのか、テリーは数多のモンスターを仲間にし戦っていくこととなります。本編では強くなるために世界中を旅していた彼ですが、モンスターズでは自分は一切戦わずモンスターマスターとしてモンスターたちを戦わせます。これは、物語がガンディーノでのあの悲しい事件の前のものだからでしょうね……。
この作品の影響でか、その後テリーが描かれる際はモンスターがどうやら好きらしいという設定が付け足されるようになりました。リメイク版ドラクエ6では、スライム格闘場で興奮しているテリーが見れます。
キーファ(モンスターズキャラバンハート)
何かとネタにされがちなキーファもスピンオフで主人公を務めています。
ゲームボーイアドバンスで発売された、キャラバンハートです。テリー同様、幼少期の頃のお話です。エニックス名義で発売された最後の作品らしいです。ずいぶん昔に少しプレイしたことがありますが、システムに馴染めず途中でやめてしまいました……。
モンスターズシリーズではありますが、キャラバン(馬車)を用いてモンスターと人間を従来のパーティーよりも多く連れて歩けるようになっています。DQM1・2よりもさらにストーリー重視になっており、舞台はなんとドラクエ2の数百年後の世界!ロトシリーズを意識したストーリーになっています。
ロトシリーズの舞台を冒険できるなんて、キーファ、破格の待遇です。
直近で発売されたナンバリングが7で、さらにキーファは本編では早期に永久離脱してしまい出番がめちゃくちゃ少ないため、主人公に抜擢されたのかもしれません。
ただ、テリーのようにリメイク版でこのスピンオフが意識されることは特にありませんでした。
スピンオフの中でも若干影が薄いキャラバンハート。ただこれは、キーファが主人公だからというわけではなく、ゲームボーイアドバンスでしか発売されていないからだと思います。なのでリメイクしてください。
ヤンガス(少年ヤンガスと不思議のダンジョン)
ドラクエ8のあとに出たスピンオフ、誰が主人公になのかというとなんとヤンガス!
こちらも幼少期の話で、ゲームシステムはモンスターズと不思議のダンジョンを掛け合わせたもの。モンスターと合体して協力しながらダンジョンを進むという新しいシステムも登場しました。
本編の仲間であるゼシカやククールはどのような人生を歩んできたかわかりやすいですが、ヤンガスは主人公と出会うまでは山賊をしていたということくらいしか知りません。特に女盗賊ゲルダとはどういう出会いをしてどういう付き合いがあったのかが来なるところですが、そこをしっかり描いてくれています。これをプレイすれば、ゲルダがこれまで以上に大好きになること間違いなし!
ちなみにこちらのゲームには、不思議のダンジョンの大先輩としてトルネコさんも登場します。もはやレジェンドです。
カミュ・マヤ(トレジャーズ)
記憶に新しいドラクエトレジャーズ。モンスターと協力してお宝を探す、ドラクエの新ジャンルのゲームです。お宝探しと言えば黙っちゃいられないぜ!ということで、主人公はドラクエ11のカミュとマヤで、こちらもまたまた幼少期の話です。テリワンはミレーユはNPCですし、DQM2のイルルカはどちらか一方しか操作できないので、兄妹共にプレイヤーキャラクターというのは初です。さらに、ナンバリングに登場した女性キャラで主人公に抜擢されたのもマヤが初です。
クレイモランのバイキングの元で育った二人。仲の良い兄妹だった彼らの幼少期を知ることが出来る素晴らしい一作ですね。
二人でこんなにすごいお宝探しをしていたんなら、そりゃ仲いいわと思います。トレジャーズをプレイしたあと、また11本編をやるのもまた味わい深いです。
こうして並べて見てみると、基本的には幼少期の話であり、皆その幼少期がどんな風だったのか本編で想像がつかない、もしくは気になるというキャラクターが多いです。
とすると、スピンオフの重鎮トルネコさんは異質な存在であることがわかりますね。ストーリーも、ドラクエ4本編の後日談と言うのはめずらしいです。
ドラクエスピンオフの先駆者にしてオリジナリティを発揮してくるトルネコさんには頭が上がりません。
そして今回気づいたもう一つのことが、ナンバリングで登場した女性のパーティーメンバーが一人も入っていないことです。女性キャラが主人公になること自体もトレジャーズでかないましたが、マヤはパーティーメンバーではありません。
ここらでいっちょ、初の女性パーティーメンバーを主役にしたスピンオフがあってもいいのではないでしょうか?
そうですねぇ、デボラなんてどうですか?
(文・やなぎアキ)
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