前回までのあらすじ
無事人さらいの魔物を倒したモガマルたち。
そして語られるロウの素性。彼は勇者の祖父だったのだ。
そしてロウの娘エレノアの名前を聞きマルティナも語り出すのだった。
前回
第二十一話 マルティナの過去だぞ!
そうか、ロウは勇者のおじいちゃんだったんだな……。勇者とそこまで近しい存在がいるとは。早く再会したいよな……。
あ、なんだ、マルティナも急に語り出してきたぞ。隙あらば自語りだな。
エレノアっていうのはロウの娘のことだよな。マルティナも知り合いなんだな。ん?でもマルティナはたしか姫なんだよな?その姫が様付けするってことは、エレノアもえらい人なのか?じゃあロウも?え、じゃあ勇者も!?
そ、そうだったのか……。お、おいモガマル。そういう話を満面の笑みで聞くのはどうかと思うぞ。さすがのオレでもドン引きだぜ。
にしてもすごい自語りしてくるなぁ、この子。
なるほど。母親を亡くしたマルティナにとって、エレノアはまさに母親のような存在だったんだな。お姫様に対してそう接することが出来るなんて、やっぱりエレノアも王族なんだろうなぁ。そこんところの情報をさぁ、君たちちゃんともっと教えてくれないかなぁ!ふわっとした認識のまま身の上話を話されてもさぁ!
なるほどなぁ。きっときれいな方でもあったんだろうなぁ。
エレノアの子供……つまり勇者か!
ということは、マルティナは勇者よりもそこそこ年上なんだな。じゃあ勇者はカミュと同じくらいかもう少し下か?
そうだよなぁ、母親のように慕っていた人の子供なんだから、兄弟みたいに思うよな。もしかしたら、その子供にエレノアを取られるかもって思ってもおかしくないのに、マルティナはそう思わなかったんだ。エレノアが我が子のように愛情を注いで、それをマルティナが素直に受け取ったからなんだろうなぁ。いい話だ。
急に襲われるじゃん。何?どういうこと?展開があまりにも急すぎる。16年前?16年前にマルティナと勇者は魔物に襲われたの?
ど、どういう状況で???
いや急!まだ状況もよくわかっていないのに勇者を手放しちゃった!!
幼いマルティナが、さらに幼い勇者を抱えて魔物から逃げているときに、川に落ちて勇者を手放しちゃった!どういうことなんだよ!エレノアはどこ行ったんだよ!
こっちがまだ混乱しているのに固く決意されちゃった。
えーと……ロウから聞いた情報と照らし合わせると……。
ロウの娘エレノアが勇者を生んだとき、もしくは生んでからそれなりに経ったあと、魔物が襲撃してきたと。それで勇者を抱えて逃げるマルティナは結局離れ離れになってしまうと。その時の戦いで、エレノアとそのお婿さんは亡くなってしまったんだな。
合ってる?ねぇ合ってる?誰か答え合わせをお願い。マジでこいつら説明不足すぎる。
そうだな!みんな勇者との再会のために熱く心を燃やしているぜ!各々の気持ちを胸に行くぜ!
そうだ!勇者を見つけて終わりじゃない!最終的な目標はあくまでも魔王ウルノーガを倒すことだもんな!さすがモガマル!認識を一致させたぜ!
はい!頼もしいです!な!お前たち!
そうなんだ。確かにここに来るまで結構長かったけど、ウルノーガのことは全然情報として出てこなかったもんな。このブルリア星に来ているはずだけど、全く目立った情報がない。逆に怖いぜ。
ゾーマみたいなやつなんだろうか。だとしたら強敵だぞ~。
さすがモガマル!ロウの言葉を汲み取って綺麗に締めくくったぜ!
よーし、じゃあ長くなっちまったけど、虹色の枝もらいに行くぞ!
次回予告
勇者との再会を決意し、虹色の枝を手に入れるモガマルたち。
早速使って、さっさと勇者を見つけるぞ!
次回、「枝の示す場所に行くぞ!」!
モガいてばかりじゃ、真の勇者にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
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