前回までのあらすじ
仲間とは全員合流したが、肝心の勇者だけがいない。
勇者を見つけるため虹色の枝が欲しいモガマルたちは、町で起こっている事件である人さらいの魔物を退治することになる。
彼らの目の前に現れたのは、巨大な蜘蛛だった!
前回
第二十話 ロウは勇者のおじいちゃんだぞ!
この蜘蛛の他に、なんだかバンダナの男が出てくるような気がしていたんだが、そんなことはなかったぜ!
ということで、こんな野郎はモガマルがサクっと倒してやるぜ!今回もカミュの見せ場はなしだ!
いやぁ、なんてことないなんてことない。
なんていったって、モガマルは大魔王を倒したことがあるからな。ウルノーガだなんだといっても、しょせん魔王だろ?ゾーマは大魔王だったぞ、大だぞ。
ロウのおじいちゃんのその根拠のない自信はどこから来るんだ。大体虹色の枝を無事手に入れて使ったとして、本当に勇者に会える保障はないんだが。でもまぁそれで無理ならまた別の手を試すだけか。
お、なんだ。どうしたじいちゃん、改まったりなんかして。神妙な面持ちだな。
なんか急にぶっこんできたぞ。
えーと、ロウの娘さんと、その旦那さんの子供が、勇者の両親ってことか?
え?それってつまり……。
そ、そういうことになるな!そうか、ロウは勇者のおじいちゃんなのか!そりゃ鼻高々だろう!
それにしても勇者の肉親が勇者と一緒に旅をしているなんて、なんだかめずらしいな!
あ、でも待てよ……?
そうだよな!オレたちもガイアスのじじいと旅をしているからな。しかもガイアスのじじい自身も冒険王だったんだから、こっちの方がすごいかもな。全然張り合うようなことじゃないけど。
でもそうかぁ、それなら勇者が見つからなくてロウは一番気が気じゃないだろうな。
ええ!!娘だけじゃなくてその夫も亡くなってるのか!じゃあ勇者はすでに両親を失っているんだな……。しかも今はみんなと離れ離れか。心細いだろうに。
んん?この口ぶりはまるで、娘とムコを亡くしたときに何かがあったみたいな言い方だな?何か争いに巻き込まれたんだろうか。
どうしてこう最近会う人たちはみんな、匂わせるような話し方ばかりするんだ。
そうかぁ。なんだかみんな辛い目にあってきたんだな……。それでも前を向かないとどうしようもないときってあるよな。
再会?つまり、離れ離れになっていたってことか?娘たちを失った後、そのまま孫とも別れ別れになったってことか?そしてこの口ぶりは、肉親はもう勇者しかいないってことか。
それは、ロウも辛かっただろうけど勇者も辛かったよな……。両親を一気に失っておじいちゃんとも離れてか……。そのとき勇者がいくつだったのかわからないけど、いくつであっても辛いよな……。
何度も何度も離れ離れになっているんだな……。なんて悲しい物語なんだ。勇者に生まれたからこその宿命なのかもなぁ。
なんとかして再会させてやりたいぜ。
その意気だおじいちゃん!よーし、そうと決まれば、虹色の枝を受け取って早速使ってみるぞ!
いや出鼻くじかれたーーーー!!
マルティナもなんか語り始めたーーーー!!
でもこの二人のことは合流してから何の情報もなかったから助かるな。特にマルティナはお姫様みたいだし気になるぞ。
次回予告
無事人さらいの魔物を倒したモガマルたち。これで勇者が見つかるかもしれない。
その勇者に抱いている気持ちを吐露し始めるマルティナ。
一体彼女の過去に何が?
次回、「マルティナの過去だぞ!」!
モガいてばかりじゃ、真の勇者にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
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