先週に引き続き魔界の名工ロン・ベルクさんの作品を紹介していきたいと思います。
今回はアバンの使徒たちの武器と、あの最強の杖の紹介です。
前編はこちら
光魔の杖
ロン・ベルクの最高傑作(バーン談)。しかしロン・ベルク自身のこの杖の評価は大して高くありません。
こちらは大魔王バーンの武器で、大柄なバーンが持っても違和感がないほど大きなサイズです。デザインもいかにも魔王が持つような仰々しいものになっています。
性能としてはいたって単純で、使用者の魔法力を吸い取って攻撃力に変換するというもの。ただしその吸収する魔法力の量は尋常ではなく、並の使用者であればすぐさま魔力が尽きてしまうであろう代物です。それは使用者によってはデメリットにしかならないでしょう。要は理力の杖のめちゃつよバージョン。ロン・ベルクからしてみると、ただそれだけの武器なのでそこまで評価は高くありません。
しかし、バーンにとってはこの杖こそが自身に最も適した武器と思ったのでしょう。
現に、魔法力が膨大なバーンがこの杖を持って戦えば、当時のダイたちにとっては脅威以外の何物でもありませんでした。なんとあのダイの剣ですらへし折ったくらいです。
ロン・ベルクからしてみると大した杖ではなかったようですが、バーンにとっては最適であることが彼にはわからなかったということでしょうか。そういう意味では、ロン・ベルクにもバーンの強さは量り知れなかったのかもしれません。
そんなバーンにとってはご満悦な武器でしたが、真の力を取り戻した彼にはもう必要のないものだったので、踏みつぶされて終わりました。己の肉体の身で戦うバーン様、素敵。
ブラックロッド
最終決戦の場に臨む前に、ロン・ベルクがポップのために作成したポップのためだけの武器です。ポップの最終武器でもあります。
最終武器の割には小ぶりで、あまり派手さはありません。しかし、その能力はバーンの光魔の杖の完全上位互換です。使用者の魔法力を際限なく吸収するようなことはなくなり、よりカジュアルに利用できるようになりました。バーンほどではないにせよ、ポップは作中屈指の魔法力を秘めているので、このブラックロッドとの相性は当然抜群。
魔法使いである彼がこの杖を使えば、十分な打撃攻撃が可能になりました。その威力は、ハドラー親衛騎団のシグマとの戦いでも有効なほど!
さらに伸びたり槍っぽくなったりと結構な範囲で変形するため、様々な場面で応用することができます!まさにあらゆる場面で常に考察を重ね、窮地を脱してきたポップだからこその武器といえます。多分老バーンがこのブラックロッドを使っていもここまで輝けなかったんじゃないですかね。そういう小手先の器用さとか老バーン苦手そうだし。
武器は使用者の使い方によって真に輝くということがよくわかります。
ところで、あんまり黒くないけどなんでブラックロッドっていうんですか?
魔甲拳
最終決戦の場に臨む前に、他の武器と共にロン・ベルクが作ってくれたマァムの武器です。
普段はごつめの手甲ですが、こちらは魔剣や魔槍と同じで鎧化(アムド)することができます。ヒュ、ヒュンケルとおそろいじゃねぇか!と思ったものです。てかロン・ベルクさん、鎧化好きねぇ。
マァムは武闘家なので魔槍のときよりもさらに機動力が求められます。そのため鎧は全身ではなく半身を覆うような形で展開します。半身(はんみ)の形で防御しつつ戦うことになるようです。
武器は右こぶしにはめたメタルフィスト。これだけでもマァムの力が加わればオリハルコンすら砕く強力な代物です。
慈愛の心を持つマァムにとってはあまりにも強すぎる武器のため、彼女はアルビナスとの戦いでもこれを使用することをためらっていました。しかしアルビナスの想いの強さを受け、使うことを決意。見事勝利します。
マァムの精神的成長にもつながった武器と言えるのではないでしょうか。
武骨なだけではないデザインと、マァムのポニーテール姿が似合っていて、実はけっこうお気に入りです。
ダイの剣
この武器を抜きにして、ロン・ベルクの生涯を語ることなどできないでしょう。たとえロン・ベルクがこの先何年も何年も生き、その間いくつもの素晴らしい武器を作ったとしても、これだけは断言できます。
オリハルコンを素材に、魔界の名工ロン・ベルクが全力を持って作った剣です。作品のシンボルでもあります。
その剣を持って戦わなければいけないときのみ鞘から抜くことが出来、竜闘気を全開にしたダイの力にも耐えるほどの力を持ちます。双竜紋を解放したダイが持てば、まさに敵なしと言った具合。あの真バーンの肉体をも傷つけ、使用者であるダイが絶望に打ちひしがれようとも剣だけは諦めずにバーンの心臓を刺し続けたままでした。この剣がなければ、バーンに勝つことは難しかったでしょう。
名前もかっこいいです。ダイ大を知らない人が、「この武器なんて言うの?」と聞いて「ダイの剣だよ」と言われたら、何それと思うようなあまりにも単純な名前です。
しかし私たちは知っています。この剣はダイのためだけに作られた、ダイにしか使えない、ダイだけの剣であることを。真魔剛竜剣は代々の竜の騎士のための剣でした。しかしこれは、まさにダイの剣なのです。
平和になった世界でいなくなってしまったダイ。しかしダイの剣にはめられた宝玉が輝いていることからダイは生きていることがわかります。
最後の最後まで、ダイの剣は大活躍です。この剣があるおかげで、皆ダイの帰りを信じることが出来るのです。
ダイの帰りを待つ地上の人々は多くいますが、剣もまたダイの帰りを心待ちにしているはずです。
ダイの剣は、ダイだけの剣なのですから。
以上、作中に登場したロン・ベルクの武器8作品でした。
ロンは超魔ゾンビザボエラ戦にて、両腕を負傷し今は武器制作ができません。しかし弟子のノヴァがいます。
もしかしたら彼ら二人の合作で、よりよい武器が出来るかもしれませんね。
そんな夢を見ながら、魔界編やらねぇかなぁ~と思っておきます。
(文・やなぎアキ)
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