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【ダイの大冒険】ダイ大の大人たち、主人公たちを導く存在

ダイ大において重要なキャラクターは、もちろん主人公たちだ。

しかしそれだけではない。

彼らを支え導き、ときには共に戦う年長者たちの存在も忘れてはいけない。

 

アバン

一番最初に思い浮かぶのはやはり彼だろう。

勇者の家庭教師としてダイの前に現れ、短い間とはいえ勇者とはどのような存在かをダイに、そして我々に強烈に印象付けてくれた。

早々に退場してしまうが、その後もダイたちが迷い立ち止まった時には必ず導いてくれた。力を正しく使うことを決意したマァム、自身の命を投げ打つ覚悟を持ったポップ、仲間や友のために戦い続けるヒュンケル、そして皆を奮い立たせる勇者ダイ。

彼がいなければ年若き彼らはどれだけの苦しみを味わうことになっただろう。たとえ敗北したとしても、それでも前に進み続けられたのは師アバンの教えがあったからだ。

 

マトリフ

ダイ大のもう一人の主人公ポップ。ダイ大は彼の成長を追う物語でもあった。そんな彼がパーティーの魔法使いとして飛躍的に成長できたのは、マトリフのおかげだ。

感情的で熱くなりやすいポップに、魔法使いとはクールでなければならないと教えたマトリフ。その後もポップは何かあれば感情をむき出しにし、仲間たちに諫められることがあった。

しかし、最後の最後、あの大魔王バーンを前にしたポップは誰よりも冷静だった。そのまなざしにアバンはマトリフを見た。マトリフの教えがなければ、大魔王バーンには勝てなかっただろう。ポップがいなければ勝てなかった、それはすなわちマトリフの功績でもある。

 

クロコダイン

大人と言ったらいいのかわからないが、ティーンエイジャーなダイたち(ヒュンケルはティーンではないが)と一緒にいて、ひと際人生経験があるのは間違いない。

ヒュンケルを導いたのは間違いなく彼だ。過去の行いを悔い、生きる意味を見出せなかったヒュンケルに向かって言った「男の価値というのはどれだけ過去へのこだわりを捨てられるかで決まると思っている」というセリフ。

これはクロコダインのような男でなければ言えない。クロコダインもまた、武勲を誉とし、その結果ザボエラの策略に乗せられてしまった。それでも彼は思い直しダイたちを助けることにした。過去への執着を捨てることは、大人になればなるほど難しい。しかしそれをやってのけたこの男から出たこのセリフ、その重み。ヒュンケルの目を覚まさせたのはマァムではある。しかし、生きる決意をさせたのはクロコダインだ。

 

バダック

偏見も何もなく、共に戦ったものを労おうとするその姿勢。それをダイたち若い世代ではなく、バダックさんのような成熟しきった大人がするからいいのだ。

頭を固くしていてはいけない。モンスターの手により壊滅したパプニカの老兵がやるから説得力がある。先のヒュンケルを許したレオナも印象的だったが、バダックさんのこのシーンも重要だ。あのシーンで一気に、この物語は若い世代だけのものではないことが印象付けられる。そこで戦いっている者であれば、老いも若いも種族だって関係ない。皆等しく平等である。大人の戦い方にはいろいろあるのだ。

 

バラン

大人とはそういうものだ、と言い放っておきながらも、最終的にはダイたちの信念を受け止めその身を挺して息子を守ることになった。

それを親の愛と片付けてしまうのは簡単だ。しかし、一度は頑としてダイと決別した男のその意思は、それだけでは語れないだろう。

長い竜の騎士の歴史の中で彼が下したその決断は、人間を、地上を守ることだった。

曲げられないものを曲げる。そうバランにさせたのは、親の愛では語れない、もっと大きな愛だろう。ダイへの、ソアラへの、彼らが愛した地上への。

ダイ大においてもっとも愛に生きた男だったのかもしれない。

最後の最後までダイを手助けしたバラン。アバンはみんなの師だが、バランはダイだけの師だ。父とは師なのだ。

 

フローラ

アバンやバランに比べると活躍に劣るが、一度バーンに負け絶望の淵にいたアバンの使徒たちを立ち直らせたのは彼女だろう。

年若い彼らは目の前に立ちふさがる壁を前に、すぐに下を向いてしまう。

しかし、そんなことをしていては何も変わらないのだ。そんなことをしていても何も解決しないのだ。まだできることがあるなら、だめかもしれなくても頑張ってみればいいじゃないか。そんな至極簡単なことを、彼女は教えてくれる。

アバン先生のことを良く知る彼女からそれが語られたからこそ、ポップたちは再び戦うことにした。アバンの死を知ってもなお、優しく微笑み世界のために懸命に戦う彼女を前にして。闘志を持ちながらも、あたたかく包み込んでくれる。若い頃から国を率いてきた彼女だからこその説得力だ。

 

 

本当は一人一人にエピソードがあり、一人一人が行って来たダイ大においての功績は計り知れない。

ダイたちが主となり世界を平和に導いたわけだが、大人たちがそれを支えていたからだということを忘れてはならない。

 

(文・やなぎアキ)

 

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