年も明けましてすでに1月6日。
本日は金曜日。
ということでそうですね、
新年一発目の週、お疲れ様です!
もちろん土日にお仕事がある方もいると思いますが、今日はいわゆる華金。
いつもは社畜根性で頑張っているどろにんぎょうさんもさぞ嬉しいことでしょう。
社畜どろにんぎょうさん
「はぁ〜ようやく終わった~」
いきなり、割と大きなため息が聞こえてきました。というかいつもため息をついている気がします。
そう、社畜どろにんぎょうさんのため息です。
数日間の休みが終わった後の一週目というのは、たとえフルの5日間じゃなかったとしても疲れるものですよね。
思ってたよりもずっと疲れてる。
わかりますけどね、休み明けの仕事っていつもよりも日数が短かったとしてもやたら疲れるんですよね。年明けたばっかりなんだからのんびりゆっくり仕事しようよ~とか思うんですけど、月初って結局忙しいですからね。しょうがないですよ、どろにんぎょうさん。
引き続きどろにんぎょうさんの様子を観察しましょう。
「あぁ〜、ようやく仕事が終わったよ」
社畜どろにんぎょうさん、仕事が終わって晴れ晴れしています。めずらしいですね。
今までは出勤するどろにんぎょうさんの姿しか見ていなかったので、辛そうな彼しか知りませんでしたが、仕事終わりだとこんなに晴れやかなんですね。
「今日はお酒買って帰って、明日からの三連休楽しむぞ~」
「月曜は休日出勤だった」
※ここはいつもだったら「晴れちゃったよ」というシーンなのですが、今回は仕事終わりなので夕方か夜くらいだと思ってください。
なんと、年明け早々休日出勤です。そう、私たちの世界はこのように頑張って働いてくれる人がいるからこそ快適に暮らせているのです。どろにんぎょうさん、ちゃんと振替休日はもらうのよ。いや、無理そうだな、なんとなく。
さて、休日出勤のことを思い出してしまいましたが、土日は休みです。気を取り直して、会社から家までの道を歩いていると……
ねこまどう部長が現れました!
偉い人です。実力もあるし権力もあるタイプの偉い人ですね。
「ねこまどう部長も今帰りですか?お疲れ様です~」
すかさず、社畜どろにんぎょうは挨拶をします。
どろにんぎょうさん、精いっぱいの笑顔。会社を出たら完全にオフモードで、知り合い、ましてや上司に会うなんてもってのほかだというのに、とっさに出る笑顔。これが社畜の悲しい修正。
「おお!どろにんぎょう君か!お疲れお疲れ!いやぁ、年明けすぐはなかなかつかれるね!」
「いや~、そうですね~。早く帰ってゆっくりしたいですよ」
「そうだよなぁ。いや私もね、君みたいに一生懸命働いてくれる人のことを労いたいと常に考えているんだよ」
「そのお気持ちだけで十分ですよ、部長~」
「いやいや、こういうのはちゃんと行動に移さねばいけないと思ってな。それでどうだ、明日ウチに来ないか?ウチの嫁が腕をふるってごちそうしてあげるよ。なぁに遠慮はいらん、一人暮らしだとろくなものも食べられないだろう。」
「え、あ、いや、そんな申し訳ないですよ~」
「おいおい、まさか断ったりしないだろうね。そんなことされたら戸惑ってしまうよ。」
「ほら、ねこまどうだけに、ねこ、とまどう」
ねこまどう部長さん、完全にキメ顔です。
いつものダジャレで完全にキメ顔です。芸のない男です。
「…………!」
「……アッハッハッハッハ!アヒャヒャヒャヒャ!やめてくださいよ、部長!休み前だからって笑わせないでくださいよォ!!!」
毎年聞いているダジャレでもしっかりリアクションを取ってあげるどろにんぎょう。今年も仕事に追われる一年になりそうです。
「ねこまどうだけに、ねこ、とまどうって!アハハハハ!ヒィーッヒィーッ!だ、ダメだ、ツボっちゃいまして……ゲホッゲホッ」
部長が同じダジャレで笑わせようとしてくるなら、こっちだって同じリアクションをするしかありません。
「ダ、ダメです……ヒィー、笑いが止まりませんよ!アハハハハ!!」
「君、笑いすぎだ。何回同じネタで笑うんだ。まさか忘れたんじゃないだろうな」
「スイマセン」
理不尽です。理不尽すぎます。まさかの試されていました。こっちが気を遣ってリアクションをしてあげたというのに、「なんだてめぇ忘れたのか」と反撃されるとは。どろにんぎょうさん、胃に穴が開きそうです。
「じゃあ明日昼頃に来なさい。いいお酒を用意しておくから、なんなら泊っていくといい」
「承知いたしました」
ねこまどう部長、そのまま足早に帰っていきました。
帰りの咆哮が一緒じゃなくて良かったと安堵したのもつかの間、どろにんぎょうさんがっつりと肩を落とし、
「どっっっっっこも労いじゃね~~~」
「なんで休日に上司の家になんか行かなきゃいけないんだ~~~」
「実質休みなしじゃねぇか~~」
そうして、今回もまたつうしん中に現れる3匹のスライムを眺めて現実逃避する社畜どろにんぎょう君でした。せめて家に着くまで頑張って。
頑張れ、社畜どろにんぎょう君!
今年も頑張って働こう!
(文・深々シン)
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