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【ドラクエ8】リメイクの追加エンディングについて正直な思いを色々言う。

先に言っておくと、ドラクエ8リメイクで追加されたエンディングには納得いっていないタイプです。

 

 

ちょろっとこちらの記事でも書いているのですが、もっとがっつり書いていきます。

 

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リメイクで追加されたエンディング

ドラクエ8のエンディングは裏ダンジョンクリア前と後で変わってきます。

クリア前だと、チャゴス王子とミーティア姫との結婚式に主人公が乱入し、仲間たちやトロデ王の助けを借りてミーティア姫をさらっていきます。そして、これからどうなるかはわからないけど、今こうしていられることが大事だ、そんな風に締めくくられます。

クリア後では、主人公がサザンビークの王族の血を引くものであるということが判明しているため、その旨をクラビウス王に伝えます。それにより、ミーティア姫と結婚する資格が主人公にもあることが認められ、二人は正式に結婚式をあげて結ばれます。

 

この二つのエンディングに、リメイク版ではさらに二つのエンディングが加わりました。この二つも同様に、裏ダンジョンクリア前とクリア後で変わってきます。

クリア前、結婚式に乱入しミーティア姫をさらうところまでは同じです。しかし、トロデーン城に帰る馬車の中でミーティア姫は、

主人公に守ってもらうのは今日で最後にする。自分に仕えることはもうしなくていいから、本当に好きな人のところへ行ってもいい

と言ってきます。このとき、姫以外に好きな人がいると答えると場面が変わり、フィールド上で座っている主人公の元へゼシカが現れるのです。どうやらその後主人公はトロデーンの近衛兵を辞め、ゼシカと二人で旅をしているらしいということがわかるところで終わりです。

クリア後は、クラビウス王に自身の素性を伝えるところまでは同じです。しかしそのときに、自分は姫と結婚したいわけではなく他に好きな人がいると伝えます。すると、次の日のチャゴス王子と姫の結婚式は中止となり、代わりに花嫁姿のゼシカが式場に入ってきます。そして二人は本当の想いを伝えあって、無事結ばれることになります。最後はリーザスの塔にて二人が結婚したことをサーベルトに伝え、ゼシカの甘々なセリフを聞いて終わりです。

 

 

この追加されたエンディングが、正直あまり好きではありません。もちろん好きな方もいると思うのでそれを否定する気はありません。あくまでも私が好きではないという話です。それがなぜなのかをちゃんと整理したいと思います。

 

 

ミーティア姫が我慢しているのが辛い

これが理由の大部分を占めている気がします。

ミーティア姫が主人公に対して何からの好意を抱いているのは、不思議な泉でのセリフや夢の中でのセリフなどから明らかです。それはもしかしたら愛ではなく憧れなのかもしれません(実際本人もそう言ったりしています)。それでも、異性の中で一番好きなのは主人公でしょう。だから結婚式から連れ出してくれた後も二人はしっかりと手を取り合い、新郎が主人公に代わってから晴れやかな表情を見せていたのでしょう。

 

そんな姫の好意。それがゼシカエンドでは報われないのです。

しかも、それは姫自身の意思によって行われます。いつも守ってくれる彼、いつもそばにいてくれた彼、でもそんな彼には好きな人がいるのかもしれない。そう思い至った彼女が、主人公に「他に好きな人がいるのでしょう」と聞く、それだけでも勇気がいったことでしょう。しかし彼女は聡明な女性です。それをいきなり聞くことはしませんでした。彼女はあくまでも、「あなたに憧れていた、それも今日で終わり」と自身から終わりを切りだし、「あなたの任をとくから自由になさい」と道を指し示すことから始めたのです。主人公が自分に申し訳なさを抱かないように。おっとりとした、守られるだけの存在だったはずの彼女でしたが、それは大きな間違いで、彼女もまた旅を通して成長していたのです。もう子供だった自分と決別し、だからこそ個人の意思を尊重したいと。あなたを縛るものはもう何もない、好きな方を選んでいいのだ、と。

いじらしい!!いじらしい!!!

もう好きだって告白したようなものなのに!!リメイク前のエンディングでは姫は自身の気持ちを言うことなく、自発的に行動する主人公に引っ張られるように逃げ出すもしくは結婚します。しかし、リメイクではきちんと自分の気持ちを伝えています。姫、強くなったねぇ……。

別段ミーティア姫のことが好きというわけではありませんが、このエンディングでの凛とした王族然とした姿には感動しました。

しかも、好きだったけど終わりにするって言っていますからね。ゼシカ(結婚エンド時)が言っていた通り、胸にしまっておくだけでも良かったはずなのに。

そんな、自分は我慢してそっと手を引く、それどころか主人公の後押しをする姫の姿を見ると、素直にゼシカエンドに行けないのです。

 

クラビウス王の言うことがもっとも過ぎる

これは真エンド、つまり主人公がクラビウス王に素性を明かす方のエンディングでの出来事なのですが、ここの会話がちょっと主人公勝手すぎん?と思いました。

自分もサザンビークの王子だと主張する主人公。王は当然、自分こそが姫と結婚するべきだと言いに来たと感じたでしょう。わざわざアルゴンリングまで見せたということはそういうことです。リメイク前だとそれで良かったのです。

しかしここで、王の「ミーティア姫のことが好きなのか?」という問いに「いいえ」と答えます。さらに「他に意中の相手が?結婚したいほど好きな相手が?」という問いに「はい」と答えます。初見でこの選択肢を選んだ時、「何言ってるのこの人……」と思っていました、でもそれを選ばないと新しいエンディングが選べないので。すると、クラビウス王もそう思ったようです。

 

「何しに来たのお前?」

 

要はこういうことを言ってきます。

いや姫と結婚する資格はオレにあるぜぇ!って来たんじゃないの?なのに他に好きな人がいる?何がしたいの?ただチャゴス王子と姫が結婚するのが嫌だから止めたいだけ?勝手じゃない?国際問題よ?

と、ドラクエ史上ありえないほど怒られます。でも王の言っていること、一個も間違ってないんですよ。姫と結婚できる人はチャゴス王子だけじゃないぜぇ、オレもいるぜぇ、でもオレは別の人と結婚したいぜぇ、って何?じゃあ結局姫はチャゴス王子と結婚するじゃん、重婚でもすんの?という。

結局怒られっぱなしでその場を去る主人公は、そのままトロデ王にも怒られます。恥ずかしい。

このとき主人公の顔が悲し気な顔になっているのですが、なーにをしょんぼりしているんだ!当然だろ!お前ただいたずらにかき回しただけだからな!?何がしたかったん!?とイライラしました。その選択をしたのは紛れもなく私自身なのですが。

 

元々あったシナリオに付け足す形になっているので、こういう不自然なところが出てくるのも致し方ないのですが、主人公のあまりの怒られっぷり、からのゼシカとの結婚式がちょっと不自然で釈然としないです。

まぁ、主人公の嘆願により、クラビウス王が「まぁたしかにチャゴス王子と結婚させたくない気持ちもわかるし、一旦白紙にして王子を鍛え直すか」と思い直したのだとは思いますが。

 

 

ちょっと脈絡がなさすぎる

さきほど、ミーティアが主人公に好意を抱いているのはストーリー中でわかると言いました。

しかしゼシカのそれは、私的にはあまりわかりませんでした。パーティーメンバーの中では一番好きかもしれないなぁとは思っていましたが(なんせ他がヤンガスとククールなので)、結婚したいほどとは。一応ラプソーンの呪いから救ったときに、ちょっとそれっぽい会話がありますが、あれはあくまでも仲間との絆が深まっただけと解釈していたので驚きです。

一応ゼシカエンディングの解放のための新イベントもあります。兄の仇であるドルマゲスを倒したけど、まだ旅は終わっていないという報告を母アローザにすると、兄の形見である鎧をもらえるというイベントです。その際に、打倒ラプソーンへの不安を口にするゼシカを元気づけたりはしますが、それも別に恋愛フラグだとは思いませんでした。やっぱり仲間との絆が深まっただけと解釈しました。川辺の教会でククールが身の上話をトロデ王にしたのと同じような感覚です。

 

ゼシカイベントの布石はおおまかにはこのくらいだと思います。これだけで恋愛感情をお互いに抱くのが私的には不自然でした。一緒にいたらそりゃ好きになることもあると思いますが、なまじグラフィックが向上し各イベントの密度が上がったので、そういうフラグみたいなもののあるなしはもっとわかりやすくなっていると思うんですよ。それが、ゼシカにはなかったなという。元々のストーリーを崩すわけにはいかないので、サーベルトの鎧イベント程度しか入れられなかったのは分かりますが。

ポッと出感が否めなかったです。急に恋愛設定出てきたな!?という。

 

ただ、旅の途中でこまめに不思議の泉に行っておらず、姫と交流していないプレイヤーも当時からいたとは思います。そういう方たちにとっては、ミーティアと結ばれる方が違和感かもしれません。ただ姫だという理由だけで結ばれたように見えてもおかしくないでしょう。

しかし、私は寄り道がめちゃくちゃ好きだったので、たとえ姫の腹がいっぱいでも、特有のセリフがなく歓談するだけで終わるとしても、何度でも不思議の泉に行きました。そのとき、いつも主人公と二人で話しているカットだったので、姫は主人公が好きなんだなと思ったものです。

 

あのエンディングに思い入れがありすぎる

もしかしたら結局これに尽きるのかもしれません。

当時ドラクエ8のエンディングを初めて見たとき、私はお姫様と勇者が結ばれる非常にわかりやすいエンディングの虜になりました。こうだ、こうでなくっちゃ!と。

それから私は、8の主人公はミーティア姫と結ばれて末永く幸せに暮らすんだ!と思いながら何度も何度もラプソーンを倒しあのエンディングを見ました。

そこにきてリメイクの追加エンディング。

え、勇者はお姫様と結ばれるのでは?という驚き。たしかに、勇者はお姫様と結ばれるべき!というステレオタイプではなく、本当に好きになった人と結ばれるべき!という結末にすることも大事だと思います。

しかし当時からずっとそういう結末だと信じ続けてきた私にはなかなか受け入れられないものでした。

 

もしドラクエ8の初プレイがリメイク版のものであれば、もっと違う印象になっていたと思います。

 

 

ゼシカエンドに納得できない理由をきちんと整理してみました。

キャラクターとしては特にミーティア姫とゼシカの間で優劣はないので、上記に書いた理由で納得がいっていない次第です。

ただ、ゼシカが好き!ゼシカと結ばれた方が自然だと思う!などの考えがあることもわかりますし、そのファンの要望を汲んで追加したのだろうと思います。

実際私も、エンディングはプレイヤーの選択によって変わった方が面白いと思います。ゼシカエンドが納得できないなら、ミーティアエンドを選べばいいだけです。なのでこれからも私の中ではミーティアエンドを正史としていきたいです。

 

あとヤンガスとゲルダは一生一緒になってほしくないタイプです。そういう関係が良いと思います。

 

(文・やなぎアキ)