前回までのあらすじ
魔界の大魔王、ミルドラースは倒れた!
ブルリア星に迫る脅威はもういない!
モガマルたちは再び日常に戻っていくのだ。
前回
最終話 デボラとの旅はこれからも続くぞ!
ミルドラースを倒して(勝手に倒れただけだけど)、ようやく光の教団のやろう全てを葬り去ることが出来たぞ!
モガマルの手にかかれば、ブルリア星の平和は安泰だな!
今回も結局、苦戦するような戦いはなかったし!なんなら大魔王が一番弱かったまであるし!
こうして王子様とお姫様、もといじじいとデボラさまは幸せに暮らすことに……え~、なるのかぁ?
でもまぁ、普段はじじいは本に閉じこもっているんだし、基本はオレたちと過ごすことになるよな!
えっ!?!?ええっ!?!?
いやちょっとたしかにミルドラースを倒したらいなくなっちゃうのかな、別の星の人出汁とは思っていたけど、「やっと」はひどくないです?
いやいやだったんです?オレたちけっこう仲良くやれてると思っていたんですけど、「やっと」なんです?
ほら、モガマルもびっくりだよ。この旅一番のびっくりだよ。ミルドラースを倒してから、まだこんな衝撃が待ち構えていたのかよ!いや「やっと」ってなんだよ!言葉に気を付けてくれよ!
別の国から来たというならまだしも、別の星だからなぁ。そりゃ用事が済めば戻るよな。あくまでも自分のところの星の悪人がブルリア星に来たから、それをなんとかするために追って来ただけだもんな。
でも「やっと」はひどくないか!?そりゃデボラさま的には早く故郷に帰りたいとは思うけどさぁ。
えっ!?そ、そうなんですか!?それならそうと早く言ってくださいよぉ~。
でもお別れなんですか!?え!?じゃあさっきの「やっと」は、「この星には残る、でもやっとあなたたちとお別れできる」ってことなんですか!?なおのことひどくない!?
そうだそうだ!別にずっと一緒に冒険すればいいだろうが!そうだそうだ!
な、なるほど?心外だったのか。全然頼ってくれていいんだが。でもそうか、デボラさまみたいな強い女性は、守られるだけじゃなくて一緒に戦えた方がいいんだろうな。
え、かわいい……。デボラさまかわいいんですけど……。
モガマルたちに守られるばかりで悔しかったから、肩を並べて戦えるようになりたい……ってコト!?かわいい、さすがデボラさま。そうか、その照れ隠しのために、さっきはわざと「やっと」なんて言ったんだな。デボラさま……かわいいところあるじゃないですか。
イイ女!!好き!!
まぁじじいは他にもビアンカとフローラにも惚れてたけどな。そして最終的に選んだのはオレたちだけどな。
オレだって、もう少し一緒にいてぇよ!もう少しと言わず、ずっと一緒にいてぇよ!生半可な気持ちで選んだわけなんかじゃない!決して、フローラがモガマルを犬と間違えたことか、ビアンカがオレに変な名前をつけようとしたことを思い出して、デボラさまを選んだわけではない!
デボラさま……本当にお別れなんですね。
任せておいてください!命令なんてされなくたって、いつでもデボラさまの無事を祈っております!
モ、モガマルとの冒険史上一番感動的なシーンではないか?あ、いや、こっちの話。
もちろんです!ここでお別れなんかじゃない!きっとオレたちはまた会えます!
そうだ、オレたちの冒険はまだまだ続くんだ!
へ?
ええ~~~~~!?!?!
そ、そんな無茶な!さっきまでのお別れの空気はなんだったんです~~~!?!?
いやいやいや、あなたさっき、一人でどこまでやれるか試したいって言っていたじゃないですか!?
結局オレたちを頼るんですか!?人を頼って、自分が頼れる女になるんですか!?そんな無茶苦茶な!
モガマルをここまで振りまわすことができるのは、世界広しといえど本当にデボラさまだけだぞ!?なんだったんだ、まじでさっきのは!
じじいもちょっと引いてんじゃん。
でもわかる!それでこそデボラさまだ!なんであれ、また一緒にいられるのは嬉しい!
さぁ、また平和になったブルリア星で、冒険再開だ!
オレたちの旅は、まだまだ続くぜ!
次は一体、どんな奴らが待ち構えているんだろうな!
楽しみに待っているぜ!
(文・やなぎアキ)
関連記事