終わりましたね。ダイの大冒険。
終わってしまい、とりあえずやったことはこの2年間まったくできなかった、「ダイの大冒険」でTwitter検索することです。
これまではネタバレが怖くてできませんでしたが、やっぱり色んな人の感想を見るのは楽しいですね。
この2年間、「ダイ大」などのワードをミュートにし、YouTubeもおすすめ動画のサムネでネタバレを踏まないよう履歴を残さないようにし、それらから解放されたことでもまたダイ大が終わってしまったのだと思いました。
各話感想
アニメ『ダイの大冒険』各話感想 1話~50話 - DQフリ ドラクエファンサイト
では、最終回「さらば!愛する地上よ」行きましょう。
勇者の一太刀
鬼眼王となったバーンの猛攻に、竜魔人となったダイは手も足も出ません。せめて剣があればと思いますが、それはバーンの左胸に刺さったまま……。
成す術もなくどてっぱらに致命傷を負ってしまったダイ!バーンはそこで一度は勝ちを確信しますが、思い出します。これまで幾度となく奇跡が起こってしまったことを。慢心せず、確実に勝利をつかむべくダイの体を粉々にしようとします。
さすがバーン様。鬼眼王となり圧倒的な力を手に入れてもなお、相手のことを侮らずに最善を尽くそうとします。
そして!バーンの言う通り!奇跡は何度だって起こる!
地上から一筋の光が!
そしてバーンの足元に突き刺さったのは!!
お"と"う"さ"ん"ん"ん"ん"ん"ん"ん"ん"ん"ん"!!!!!
間違えました。
真魔剛竜剣!!
そう、竜騎将バランの剣!竜の騎士が持つことを許された、最強の剣!
ダイの中に眠る竜の騎士の血が、父バランの血が、そして母ソアラの愛が!!その剣を呼び寄せた!!
バーンは動揺の中、太陽の光に照らされる!そしてダイもまた、太陽の光の中、母のほほえみを見た!
ダイの心の中のバランが語り掛けます。今こそお前がこの剣を手にするのだ、と。お前が地上を照らす太陽になるのだ、と。それこそが竜の騎士の、勇者の役目!
ダイは父から受け継いだ真魔剛竜剣を手に、バーンへ向かっていく!たとえその最後の一太刀で地上に別れを告げることになろうとも、地上を照らす太陽になれるから。地上を照らす太陽になるから!これぞ血の運命!
竜闘気を全開にダイはバーンの無敵の体を砕く!二人の咆哮が宇宙空間に広がり、今この瞬間!ダイはその一撃をバーンの鬼眼にくれてやるんだ!!
って、えええええええ!?!?真魔剛竜剣、折れたーーーー!?!?!?!
ダイの後ろでさすがのバランもびっくりしてるーーー!?!?
うそでしょ……。満を持して現れた父の剣が、こうもあっさり折れてしまう?やっぱり大魔王バーンの強さは伊達ではない……恐るべし大魔王バーン。バーンはまたもやダイに強烈な一撃を浴びせます……。高笑いをするバーン。もはやこの二人の間に言葉なんてない……。咆哮!それのみ!
未だ諦めないダイの瞳に気づき、バーンはダイを握りつぶそうとします。
小さな体のダイ、なすすべもなくつぶされるのか!
しかしダイは思い出す!ポップの言葉を。いつも一緒にいてくれた親友の言葉を。
一瞬、だけど、閃光のように!!
そうだ、まだ諦めちゃいけない。この一瞬を、バーンに勝つため、そのためだけに生きるのです!
ダイは竜の騎士だから、人間よりも寿命が長いのかもしれません。人間のようには生きられないのかもしれません。
しかし、今この瞬間ダイは、閃光のような人間の生き方を選択した!今この時から、ダイは紛れもない人間となった!だから、絶対に諦めない!閃光のようでいい、今だけでいい!人間だから、それでいい!
バーンの手から逃れるダイ!まさに閃光のような輝きを見せたダイに、バーンは一瞬の隙を作る!
その刹那!ダイはバーンの胸に刺さったダイの剣をつかみ、まっすぐ下に向かって、鬼眼もろとも一刀両断する!!
大魔王バーン、敗北!!!!
最後は石化し、その巨大な体は砕け散り、ゆっくり、ゆっくりと太陽に飲み込まれて行きました。太陽に焦がれ、それを手中に収めんとした大魔王。そんな彼にふさわしい死と言えるでしょう……。
人間にとっては紛れもない敵でしたけど、その信念、強さは尊敬します。普通に語り継ぎたい。最後は何か言葉を発するでもなく、大きな断末魔を上げるでもなく、静かに死んでいきましたね。今回は最初の方しか喋っておらず、前回までは随分饒舌だったのでちょっとびっくりしました。本気の戦いは言葉を交わす暇もないことを知りました。
さようなら。大魔王バーン。
勇者の帰還
地上で待つ人々は、上空からダイが落ちてくるのをはっきりと見ます。
バーンにとどめを刺した後、ダイは気絶してしまったのです。
このままではいけない!マァムとラーハルトが受け止めようと走り出しますが、それを追い越したのはポップでした。
ダイを、戦いを終えたダイを受け止められるのは、ポップしかいないから!
見事ダイを受け止めたポップ。
目を覚ましたダイは、バーンを倒したことを告げます。戦いは終わった……戦いは終わったのです!勇者は地上に帰ってきてくれました!
ダイは竜の紋章の力を解放したことで自身の姿が変わってしまうことを恐れていました。ポップに、自分の体に変なところはないかと尋ねます。
でも、どこも変わっていません。出会ったころから変わらない、小さな小さなダイのままです。みんなが大好きなダイのままです。竜魔人となったダイは、ちゃんと元の姿に戻りました。これもきっと奇跡の力なのでしょう。
でも、もしダイの姿が元に戻らなくたって、みんなきっとこう言ったはずです。何も変わらない。お前は俺たちのダイのままだって。
無邪気にはしゃぐダイとポップ。二人で旅立ち、二人でたどり着いたこの終着点。誰も割り込むことが出来ない固い絆。ダイ大はダイとポップ、二人の主人公の物語でした。それを皆知っているから、二人に温かく微笑みかけます。
そしてダイはそのままみんなからの祝福を受けます。地上に平和を取り戻した、小さな勇者をもみくちゃにして、感謝の気持ちを表すのです。大魔王バーンはもういない。
勝ったんだ、勇者が、勇者ダイが勝ったんだ!
ポップは勝利を実感するように拳を高く振り上げます!
その手でつかんだ勝利を、確かめるように!
そう、この勝利は人間たちみんなで掴み取った勝利!だからこそポップがその役を担う!勇者のために戦った人間たちがいたから、勇者の一太刀が最後に決まったのです!
一通り喜びを分かち合った後、ダイはバーンに「お前を倒したら地上を去る」と言ったことについてぼんやり考えます。結果としてダイは地上に帰ってきました。強大な力を持ちながらも、以前と変わらず自分を迎え入れてくれた地上の人たち。本当に地上を去らねばならないのでしょうか?このまま皆と平和に暮らしてもいいのではないでしょうか?
フローラは、勇者なんてすぐどこかに消えてしまうんだからしっかりつかまえておかないとだめだ、とレオナに言います。ギクッとしてしまうアバン先生。この二人もようやくしがらみから解放されたのですから、いい加減結婚したらいいんですよ。
そんな和やかな時間が流れながらも、レオナは不安です。どこにも行かないでしょ?と。
それにダイは答えます。
俺は、この地上が好きだよ、と。
だから大丈夫。勇者ダイは、これからもずっとみんなと一緒にいるのです。だってもう、地上は平和なんだから。
しかし、そこに現れたのはあまりにも意外な人物でした。
勇者の最後
聞こえてきた声は、あまりにも聞き覚えがありました。
皆が振り返ると、そこにいたのは……。
キ、キ、キ
キルバーーーーン!?!?!?!
い、いやたしかに私、キルバーンVSアバン先生のところでキルバーンが倒されたとき、ちょっとあっさりしているなと思ったんですよ。あれだけ謎に包まれたキャラなのに、あっさりやられるな~と。もしかしてまだ出てくるんじゃない?と。
しかしさすがに大魔王バーンとの戦いが激化してきて、今からキルバーンが登場する余地はないか、と思っていたのでした。
しかし、やっぱり生きていた!でも、どうして?首、まだ普通外れてるし。
首がちぎれて生きていられる生物はいない、というアバン先生の言葉を言い返し、生物だったらね、と不穏な言葉を発するキルバーン。機械仕掛けの人形か何かで、他に操っている者がいるかもしれない、と。
そのとき先生は気づきました。あの戦いの際、先生がそれを言った時にはキルバーンはすでに死んでいました。そう、先生はその言葉をキルバーンにではなく、別の人物に言ったのです。
あの戦いの際、いつもキルバーンのそばにいるのに全く姿を見せなくて、キルバーンがピンチになったとたんに不自然に姿を現した、その人物。
キルバーンの使い魔、ピロロです。
ピロロはその帽子を脱ぎ、声色を変え正体を明かします。その声はまさしくキルバーンのもの。彼は腹話術を使い、人形の声をあてていたのです。そしてその人形を、キルバーンだと思わせていたのでした。
せ、声優さんすごすぎ……。ピロロとキルバーンって同じ人がやっていたんですね。
ちなみに、Twitterで知ったのですが、アバン先生との戦いでピロロがキルバーンに時の砂を使った際のセリフが漫画では、「治らない」ではなく「直らない」になっているそうです。人形だから、「治る」ではなく「直る」なんですね。その体内を流れる血が魔族のものではなく、魔界のマグマと同じというのも、彼が作りものであったなら納得です。
ピロロについては、きっと何か秘密があるとは思っていました。時の砂なんて重要なものを持っていたり、魔王直属じゃないキルバーンにずっとくっついているという、キルバーン以上に正体が謎なところ、アバン先生が結局とどめをささなかったのも不自然です。そして極めつけは、OPの映像ですね。キルバーンと一緒に出てきて、不敵に帽子を脱ぎ頭の角をちらつかせるシーンがあるんですよ。こんなん絶対何かあるでしょ!と思っていたら、バーンとの最終決戦にそのまま入ってしまい、あれーピロロは何かあると思っていたんだけど、さすがにここからピロロの出番があるわけないかーと結論付けてしまいました。
いやまさかこんな、バーンを倒した後で種明かしをされるとは……。恐るべしダイ大。
ピロロ、いえ、キルバーンは続けます。
キルバーン人形の仮面を外すと、なんとその頭部には黒の核が!!てか人形の顔こっわ!こんなの子どもの頃見てたらトラウマになってますわ!
キルバーンは冥竜王ヴェルザーの部下。バーンの元に送り込まれ、隙があれば人形の黒の核を使ってバーンを抹殺しようとしていたのです。バーンは地上をなくし魔界に太陽の光を届けようとしていました。しかしヴェルザーは地上そのものも欲しいと考えていたのです。だからバーンに地上を破壊されては困ってしまうのです。
しかしバーンのことは結局ダイたちが倒してくれました。キルバーンとしては、もう魔界に帰ってよいわけです。が、バーンを倒した彼らが地上にい続けては厄介。
そのため置き土産として人形の頭部にある黒の核を爆発させることにしたようです。
ひ、卑劣!
キルバーンっていっつもそう!こっちが勝利に浸っていたり、戦いの余韻に浸っていたりするときにいつも水を差す!
くそ、小さくたってやっぱりキルバーンだ!こいつ、バーンよりもよっぽどひどい!
キルバーンは一足先に魔界に帰ろうとします。
しかしそれを見逃す彼らではない!
アバン先生がすかさずフェザーを投げ、キルバーンを足止めします!
その隙にダイとポップはトベルーラで人形を抱え遠くへ!マァムが閃華裂光拳でキルバーンにとどめを刺す!マァム!最後の最後で見せ場あったね!
キルバーンはそのまま息絶えたようです(Twitterでは、原作と違ってリリルーラで魔界に送り込まれたのでは?という考察もありました。なるほど)。
キルバーンは倒された。
しかし、黒の核はすでに爆発しようとしています。
ダイとポップは二人で人形を抱え、遥か遥か上空まで飛んでいきます。
もう手放している時間もなく、このまま時間が許す限り人形を抱えて空まで飛びあがっていくしかないのです。人形を放り出して逃げている時間はない。確実に爆発に巻き込まれるでしょう。
ポップはもう覚悟しています。それで地上が救えるのなら、皆の明日が守れるのなら、ダイと一緒にそうなれるのなら……。
しかし、ダイは一言謝ると、ポップを蹴落としてしまいました。
一度も振り返ることもなく、そのまま飛び続けるダイ。ポップはなすすべもなく地上に落ちていきます。
小さな勇者はたった一人で、自分の命だけを犠牲に飛び続けます。
自分の大好きなものを守るため、命を懸ける。
それが、世界のために悠久の時を戦い続けた竜の騎士の使命。地上を照らす太陽となるため、彼は止まりません。怖くなんかない。これで全てを守れるから。全てを終わらせられるから。
黒の核は爆発し、真っ白な光にダイは包まれていきます。
残された人たちの悲しみだけを置いていって。勇者ダイは行ってしまいました。
世界を救ってから数週間。
ダイは未だに見つかりません。
地上に残されたダイの剣だけが、寂しくたたずんでいるのです。
地上に平和が戻ったというのに、皆の心は晴れません。皆が平和に生きられるというのに、ダイだけがいない。
立てられたダイの剣が墓に見えて、ポップは不服そうです。これ、アニメ化の際に発表されたティザービジュアルですよね。ダイ大展も飾ってありました。きっと最終回に出てくるんだろうな、でもなんかダイがもうそこにいないみたいな飾り方してるんだなと思っていたのですが……まさか。
しかしレオナは言います。
墓なんかじゃない、それはダイが帰ってくるときの目印なんだ、と。
ダイの剣を作ったロン・ベルクが、剣にはめられた宝玉に言及します。剣はダイのために作られた生きた剣。ダイが生きているのであれば、その宝玉は光を失わない。
そして今、剣の宝玉はたしかに光っているのです。
ダイは生きている!
皆の中に確かな希望が生まれます。
どこにいるのかはわからない。もしかしたら地上ではなく、魔界や天界かもしれない。それでもいい、ダイが生きているんだから、生きているなら、きっとこの地上に戻ってくるんだから。だってダイは地上が大好きなんだから。だからきっと会えます。
それまでの間、少しだけさよならです。
ここで改めて聞くEDがすごく良かったです。歌詞、めっちゃ今のダイのことをうたっていたんですね。
だからきっと、またこの世界で。
それから
地上に残された人たちはそれからも生活を続けていきます。
ポップはメルルとマァムと共に旅へ。マァムはポップと一緒に生きていくことにしたみたいですね。でもメルルだってきっとそうなのでしょう。なんだかんだ3人で仲良くやっているのかもしれません。多分マァムとメルルはめっちゃ喧嘩もするけど、ちゃんと仲良いいんでしょうね。
アバン先生は観念したのかなんなのか、フローラ様と結婚して王様になったのかな?何とも言えない表情で笑えました。
そしてヒュンケルもまた旅を続けます。戦友であるラーハルトと一緒に。そ、そこはヒムじゃないんだ!?てっきりヒムはヒュンケルと一緒に生きていくものだと!でもちゃっかりエイミさんがあとを追っていて安心しました。ヒュンケル・ヒム・エイミで生きていくと思っていたのが、ヒュンケル・ラーハルト・エイミとは。こりゃ堅物二人相手にエイミさん大変だぞ。でもきっとエイミさんの気持ちを受けて入れてもらえる日が来ますよ。
チウたち獣王遊撃隊もみんなで仲良く暮らしています。ブラスじーちゃんもご機嫌!そこにはクロコダインと、ヒム!!そうか、ヒムちゃんはヒュンケルじゃなくてこっちに来たんですね~。でもそうですよね、再戦するために共に生きようとは言ったものの、ヒムはもうみんなのこと大好きになっちゃたんですから。もうヒュンケルと戦うって目的はいらないんですね。それなら、隊長さんたちと一緒に過ごす方がいいですよね。こんな小さきモンスターたちに囲まれて、平和に楽しく生きることが出来るだなんて、ハドラーと親衛騎団のみんなもすごい喜んでいると思います。みんなの分も幸せになってほしい。
そして獣王遊撃隊と言えば、忘れてはいけないのがもう一人。ゴメちゃんが帰ってくる場所はきっとここです。ゴメちゃんが全部忘れていたって、遊撃隊のみんなはちゃんと覚えているから。ダイと友達になるために生まれたゴメちゃん、ダイと一緒にいるうちにいっぱいいっぱい友達できたね。刻まれたゴメちゃんの絵。どうやらアニオリのようですね。スタッフ、まじ神様。
地上のみんなはそうやって日々を過ごしながら、ずっとダイの帰りを待っています。ダイが守った平和を、今度は自分たちが守りながら。
ダイが帰ってくる、その日まで。
Fin.
終わりましたね。
まさか最後ダイが消えてしまうとは思いませんでしたが、でも生きて絶対帰ってくるって思えたので、そんなに寂しくありません。
またポップたちと笑いあって、ゴメちゃんと再会して、あの元気なダイが戻ってくるんだと思います。
2年前にダイ大が始まった時は、ここまでハマると思いませんでした。キャラクター一人一人が魅力的で、ストーリーがすごく考えられていて、毎週毎週すごく楽しかったです。
2年間は本当にあっという間でした。どの話を切り取っても、ついこの間のことのようです。それだけダイたちの冒険を一緒に駆け抜けてきたんだと思います。
2年間毎週感想記事をあげてきました。読んでくださった皆様、今まで本当にありがとうございました。感想なども本当にうれしかったです。ダイ大が大好きなみんなで楽しんでいるという実感が持てました。
ダイ大アニメの感想記事は今回で終わりになりますが、しばらくはダイ大について色々書きたいこともあるのでダイ大記事を続けていこうと思います。
原作も読みたいですし、アバン先生の若い頃の漫画も読みたいです。それについても書きたいですし、バーン戦後に予定されていた魔界編についても気になるので書いてみたいです。インフィニティストラッシュもこれから発売ですしね!
まだまだダイ大については語りつくせていません。なのでこれからもぜひよろしくお願いします。
ダイ大面白かったです。
アニメ化してくれてありがとうございました。
ここまで読んでくれた方もありがとうございました。
まだまだダイ大の話をしていきましょう。
そして、
バーン様は石になってもなお顔が良すぎました。
(文・やなぎアキ)
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