10月になりましたね。
今年もあと少しです。そしてダイ大もあと少しです。
各話感想
アニメ『ダイの大冒険』各話感想 1話~50話 - DQフリ ドラクエファンサイト
OPを見ているとこれまでのことを色々思い出してしんみりします。
では「神の涙」行ってみましょう。
瞳の反撃
ポップの魂の叫びにより、闘志を再び燃え上がらせたダイ。
ポップがいなければ確実にコアは爆発していたと思います……。ポップ偉大……。
ダイとポップはバーンに必死に立ち向かっていきます。状況は最悪のままなのに決して諦めようとしない二人のことがバーンには理解できません。
そして人間という生き物の持つ底知れない感情を恐れます。これまでの敵たちが皆人間の強さに打ち破れていったように、バーンもまたその道をたどるのか!
そして問います、なぜこんな無駄なことをするのかと。
しかし、二人にとってバーンを倒すことは決して無駄なことではありません。
バーンを倒せばバーンパレスを覆う結界がなくなります。そうすればポップのルーラでコアを凍らせに行くことができるのです!だから、無駄なことなんてない!
力強いポップのまなざしに、バーンは恐れの感情を抱いたことでしょう。大魔王ともあろうものが、焦りの中カイザーフェニックスを放ちます。
しかし!ポップ覚醒!カイザーフェニックスを打ち消す!
な、なんだってー!!大魔王のカイザーフェニックスを!?ポップ、天才すぎる!好き!
ダイがこぶしで果敢にバーンに攻めていきます!バーンはせめて胸に刺さったダイの剣を引き抜こうとしますが、なぜか抜けない!それもそのはず!ダイの剣は、それ自体が意思を持つもの!剣もまたバーンを倒さんと、自らの意思でバーンに刺さり続けている!バーンの三つある心臓のうち一つを貫いている剣が、必死に抜かれまいと踏ん張っている!剣までもが、諦めずに戦っているのだ!
諦めず戦っているのだ!!!!
しかしバーンも必死です!ダイを力づくで吹っ飛ばすと、自身の魔力を使いコアを起動させようとします!じ、時限式であるとはいえ、やっぱり自分で起動することもできるんですね……。さっさとそれをやっておけばよかったのではと思わないこともないですが、ただ何もできず爆発を待つばかりの人間たちを見て愉悦に浸りたかったのでしょう。それならば仕方ないです。
魔力をこめる構えを取るバーン。ダイたちだけではなく、瞳にとらわれた仲間たちもどうにかして動けないかと力の限り声にならぬ叫びをあげます。
そのとき!レオナの胸の中で、何かが光り輝く!
次の瞬間、瞳が一斉に動き出しバーンには反撃を食らわせる!
動くはずがない瞳が動き出し攻撃を加えるというあり得ない奇跡を前に、大魔王バーンは恐怖の表情を浮かべる!くそっ、それでも顔が良すぎる!恐怖におびえるバーンさま、良すぎる!
しかしすぐさま冷静さを取り戻すバーンさま、さすが。瞳が動くわけがない、どこかに瞳を操るものがいるはずだ、と考えたバーンは、レオナの瞳が金色にきらりと輝くのを見逃しませんでした!
その瞳の封印を解くと、レオナだけが元に戻ります。すると、案の定また動かなくなる他の瞳たち。やっぱりレオナの瞳が他の瞳を動かしていたのでした。
しかし、レオナにそのような力が……?
いいえ、違いますね。あの瞳に封じられていたのは、レオナだけではないのです。そう、もう一人、いや、一匹いたのです。
それに気づいたレオナ、それがいる懐をのぞき込むと、やはり金色に光り輝きます。
するとまたもやバーンが焦りの表情を!そして「神の涙」と口走ります!
か、神の涙ぁ?たしかに涙というかしずくっぽい形はしているかもしれないけどぉ?
バーンはレオナの衣服を破りそれを奪い取ります!し、紳士じゃねぇ!女性の衣服を破りものを無理やり奪うなんて、こいつ全然紳士じゃねぇ!だがその傍若無人さがいい!大魔王バーン!そこにしびれる憧れる!
そして掌に収めたそれを見つめます。
そこには、小さくなってしまったゴメちゃんがいました。
ゴメちゃんが、神の涙……?そもそも神の涙とは?
バーンはゴメちゃんを握りつぶそうとします。ダイたちには意味が分かりません。スライムごときを大魔王がここまで恐れるとは一体どういうことなのか?
するとバーンは説明を始めます。親切。
神の涙
ゴメちゃんは、スライムではない。そもそも、生き物ですらない、と。
神々が作り、魔界では「神の涙」と呼ばれる生きたアイテムである、と。
!?!?!?!?!?!?!?!???????
ア、アイテム!?!?????
ちょっと待ってください。いやさすがに私もね、ゴメちゃんは只者ではないとずっと思っていたんですよ。わりと序盤から思っていたんですよ。こいつぁきっととんでもない力を秘めていて、最終決戦でその力を発揮してダイたちを助けてくれるにちげぇねぇや。ゴールデンメタルスライムっていうのはそういう魔物なんだ。どうあがいてもこの予想は当たっているにちげぇねぇぜ、へっへっへ、てね。
違いました。
アイテムでした。
まじですか?ダイ大、王道を行く作品なのに、どんだけ予想を上回っていくんですか?え、これゴメちゃんが秘めた力を持っていることには気づいたとしても、アイテムだと予想した人いないんじゃないですか?アイテムて、いやアイテムて。
もうこんなに終わりに近いのにまだ驚かされるとは思いませんでした。
神々の力をわずかながらその身に持ち、手にしたものの願いを叶え奇跡を起こす。それが神の涙。
古来より、この神の涙により幾度となく天地のバランスは崩れてきたそうです。そりゃそうですよね、神々の力をわずかだとしても手にすることができるのであれば、それだけで天下をとることができますよ。
しかしダイにはそんなこと信じられません。ゴメちゃんは、ここにいる誰よりも長く長く共に生きてきた大事な友達です。それがいきなり、アイテムだと言われても信じられるわけありません。
それでもバーンは突きつけます。瞳を動かすほどの奇跡を起こせるのだから、間違いなく神の涙であると。
そして、これまでの魔王軍の敗北もすべてその神の奇跡で乗り越えていたのだろうと考えます。
しかし、レオナはそれを否定します。
たしかにこれまでゴメちゃんのおかげで起きた奇跡を何度か目の当たりにしてきました。クロコダイン戦でダイの傷を回復させたり、死んでしまったポップの魂を引き留めたり、レオナに代わって魔力を放出し続けたり……。しかし、それはどれもゴメちゃん自身がそうしたいと願ったからでしょう、ゴメちゃんの心がそうさせたのでしょう。ダイたちは、決してゴメちゃんの力を使ってこれまで勝ってきたわけではありません。自分たちの力で道を切り開いてきました。そんなダイたちだからこそ、ゴメちゃんもまた自らの意思でダイたちを助けてくれていたはずです。アイテムであったとしても、ゴメちゃんは自分の心に従って助けてくれた、旅の大事な仲間です、友達です!
ゴメちゃんを殺さないよう懇願するレオナ!
それを聞き、たしかに神の涙の力でここまで来たわけではないことを理解したバーン。それでも、神の涙の真の力をダイたちが知ってしまった今、やはり野放しにすることはできないとその拳に力を込めます!
ダイが止めに走りますが、時すでに遅し!
バーンの手の内でゴメちゃんは潰れてしまい、数多の黄金のかけらがあたりに飛び散ります!ゴ、ゴメちゃん!!ゴメちゃん、ごめん!こんな時なのに私は、「このシーンのバーンさまの顔良すぎるだろ!!!!!」と思ってしまいました!なんて愚かな人間なんだ私は!でも普通にゴメちゃんがつぶれちゃったのも悲しい!
しかし!ダイが伸ばした手に、黄金のかけらが触れた時、ダイの意識は別の場所に飛ばされます。
それはデルムリン島。ここは意識の世界。
デルムリン島、ダイが育った島。ダイとゴメちゃんが、共に遊び笑い生きた島。
ゴメちゃんが語り掛けます。ここで初めて二人は言葉を交わします。
そしてゴメちゃんは、自分が神の涙であることを認めます……。ずっと、友達だったのに、小さいころからずっと……。
ゴメちゃんは神の涙について話し始めます。力なき生き物の苦しみについて嘆いた神々が地上に落とした一粒の涙。手にしたものの願いを叶えるこの世でたった一つのアイテム。それが自分である、と。
ダイは、ゴメちゃんの正体がなんであろうと友達であることには変わりないと言います。それを聞き、ゴメちゃんはダイの願いが聞けて良かった、と安堵します。
そう、ダイはすでにゴメちゃんに願いごとを叶えてもらっていたのでした。
ダイとゴメちゃん
それは旅に出るよりももっと前。ダイがもっともっと小さかった頃。
神の涙が意思を持つのは、悪しき願いを叶えないため、それを自分で判断できるようにするためでした。そして、願いを叶え役目を終えた神の涙は、また時間を空けて地上に生まれ落ちます。そして、今回生まれ落ちた先が世界で最も穢れのない島、デルムリン島でした。欲深い人間たちの心から逃れるように、彼はその島に生まれました。まだただのしずくの形をしています。
そこで出会ったのです。
ダイという少年に。
ダイは少しずつ思い出します。もっともっと昔。二人が出会ったその日のことを。
ダイは草むらできらりと光るそれを拾い上げ、優しく願います。
僕の友達になってよ
するとそれは羽の生えたスライムの形を取り、笑い返しました。
ゴメちゃんが生まれたのは、ゴメちゃんがこうしてみんなと出会えたのは、ダイが「友達になって」と願ったからでした。
神の涙の力を使えば、強大な力が手に入り、どんなことでも意のままになるでしょう。しかしダイの純真無垢なその心は、神々の力を持つそのアイテムに世界で最も温かい願いを叶えさせたのです。
心を持つ神の涙がその魂に触れ、神の涙としての力も忘れダイとの楽しい日々を送ることになりました。ダイが友達になってと願ったから。
でもゴメちゃんだって、単にダイが願ったからだけで友達をやっていたわけじゃないと思います。ゴメちゃんにも心はあるから。心の底からダイと過ごすのが楽しかったのでしょう。心の底からダイを大切な友達だと思っていたことでしょう。だってゴメちゃんは、ダイだけじゃなくて、みんなの友達なんですから。
こ、ここのカット、原作っぽいタッチですけど、そ、そういうことですか!?
しかし、ゴメちゃんに残された時間はもうありません。
次にまた神の涙として生まれるには10年以上かかるだろうし、生まれてしまえば以前会ったことはすべて忘れているというのです。だから、ダイと過ごした日々も、ポップたちとの出会いも、ゴメちゃんの中からすべて消えてなくなってしまいます。
でも、ゴメちゃんは満足げです。楽しかったから、ダイと出会ってからの毎日は、楽しかったから。
最後にゴメちゃんは、何か叶えたい願いはないかとダイに問います。
ダイは世界中の人々の心を一つにできたら、と願います。世界中の人に思いを伝えることができれば、もしかしたら奇跡が起こるかもしれない、と。
その願いを聞き届けるとゴメちゃんは消えていきます。ダイがどれだけ走ってももう追いつけないほど。
そして目を覚ますダイ。散らばった黄金のかけら、勝利を確信するバーン(何度目の確信だ?)。
やはり、ダメだったのか……。
いいえ、ダイの耳に、ちゃんと届きます。
まだ世界にいる、勇者の声が!!
遥か北の大地から!!!!
わかっていたさ!お前らがきっと助けてくれるってことは!わかっていたわかっていたさ!だってお前ら、世界中のどこにいたって不思議じゃないもんな!
ニセ勇者ぁああああ!!!!!
ダイの大冒険の一番最初、ゴメちゃんのことをさらおうとしていたふてぇ野郎たちだよ!でもそれが今、ゴメちゃんの起こした奇跡によって、ダイたちを助けようとしているんだよ!どんだけ熱い展開なんですか!
いえね、OPにもEDにもこいつらいるし、コアの話が出てからというものOPのあの一場面、絶対雪国にあるコアをなんとかしようとしているでしょ!と思っていたのでここはそんなに驚きはなかったんですけどね、それでも泣きますよ!
やっぱ世界を救うやつってのは、大それた力を持ったやつだけじゃないんですよ!ドラゴンボールで言うところのミスターサタンみたいなやつが、実際世界救うのに重要だったりするんですよ!
しかもニセ勇者たちなんて絶対臆病者だっていうのに、率先してコアのもとに走って行っているのがいい!どれだけ臆病だって、世界救うためなら走り出せるってものなんですよ!ダイが、ダイたちが戦ってくれているなら、世界中のみんながそのために走り出せるんだ!
ニセ勇者だけではなく、パプニカの三賢者であるとアポロとマリンもほかのコアを凍らせるため動いています!
これで六つすべてのコアをなんとかできる!
そして世界中の人々が、ダイたちの勝利を願っています!デルムリン島のみんなも!ポップの両親も!世界の王たちも!みんなに声が届いている!
バーンはその事実を認めようとしませんが、散らばった黄金のかけらがまばゆい光を放ちます。
ゴメちゃんが、世界の心を一つにするというダイの願いを、叶えたから!
バーン、お前の策は敗れた!!!!!
戦い続けることは決して無駄ではなかった!諦めない心が、奇跡を起こしたのです!神の涙によって起きた奇跡かもしれない、でもその奇跡を引き寄せたのは、諦めなかったダイの、ポップの、レオナの、地上の人々の強い心!
平和を取り戻すという力強い意思、その行動がなければ起こらなかった奇跡!
人間を舐めるなバーン!!!!
って、待って、次回予告!?
け、結局起爆すんの!?
(文・やなぎアキ)
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