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【ドラクエ11】ドラクエ11には過去ネタが多い。特に好きなのは。

ドラクエシリーズの集大成と言ってもいいほど、様々な要素がてんこ盛りだったドラクエ11。

過ぎ去りし時を求める前は天空シリーズの色が濃いが、その後は一転ロトシリーズを思い起こさせるものが多い。

 

直接ストーリーに盛り込まれた過去作のパロディ、オマージュもあれば、全然関係ないところでひっそりとネタとして出てくるものもある。

 

別に過去作をやっていなくても問題ないのだが、やっていれば「お、これは!」と思ってしまうようなものばかり。

調べれば結構出てくるが、特に筆者が好きなのは…………

 

 

クエスト:ユウレイ少女の最期の願い

 

 

である。

 

メダ女学園に夜訪れると、幽霊となった少女と出会うことが出来る。

彼女には未練があり、それが叶えられないと成仏できないというのだ。

それならばと依頼を受けることになるのだが、その依頼内容が

 

「最高のメダル愛好家、ヌルスケの墓を見つけ出し、彼が残した伝説の秘宝を手に入れること」

 

 

 

ヌルスケーーーーーー!!!

 

 

お前、ここでもメダル愛好家だったのかーーーーーーー!!!!

 

 

 

興奮したものである。

 

ヌルスケって誰だ?となった方もいるかもしれないので説明すると、彼はドラクエ7で登場した人物である。

登場したと言っても、それは本の中でのことだ。

本棚を調べると時折見つけられる、「冒険家ヌルスケの日記」。

そこに登場するのがヌルスケだ。

 

彼は冒険家なのだが、どうしようもない方向音痴なのである。そんな彼が旅の最中に見つけたのが小さなメダル。一体それがなんなのかもわからずそれをポケットに入れた彼は、その後メダルの魅力に取りつかれることになる。

のちにメダル王の存在を知り、自分が今持っているメダル(3枚)を渡せば一体どんな豪華なご褒美がもらえるのだろうとワクワクしながら冒険を続ける。

しかしその後も世界中と旅すれど一向にメダル王は見つかることはなかったようだ。生涯集めたメダルは5枚、5枚では何ももらえない……。

 

私はこのヌルスケが大好きである。

メルビンの名前をヌルスケにしたくらいである(他のキャラの名前も変えてるけど)。

 

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方向音痴ゆえにずっとメダル王を見つけられていないのも可愛いし、結局見つけられたメダルが5枚だけなのも可愛いし、その少ない枚数でどんなご褒美がもらえるのかワクワクしているところなんかたまらない。

また、小さなメダルの魅力に取りつかれた人物がメダル王だけではないというのがいい。やはりあのメダルには人を引き付けてやまない何かがあるのだ。

 

ちなみにPS版ドラクエ4では移民としてヌルスケが登場している。やっぱりメダル王を探している。しかし私の中でヌルスケは老齢な冒険者というイメージになっているため、船乗りグラフィックの彼はちょっと違う。そもそもヌルスケは過去の人なので、生きて出会えるというのが解釈違い。

ドラクエ4の移民は他にも色々なオマージュが含まれていたのでそこまで気にしていなかったのもある。

 

そこにきてユウレイ少女の依頼である!!

ヌルスケ!?この世界にヌルスケの墓があるのか!?

そしてこの世界でもやっぱり小さなメダルを集めていたんだな!?

謎の感動である。

スタッフがヌルスケのことを覚えていてくれていたのが嬉しい。ヘッポコくんや名うてのチャックではなくヌルスケを抜擢してくれたのが嬉しい。ヘッポコくんでも多分興奮したけど。

 

そういうわけで、世界のどこかにあるヌルスケの墓を探すことになる。

それがあるのはバンデルフォン地方の小麦畑。

 

そこに記された言葉の一部は以下だ。

 

小さなメダルを求め世界を旅した私が

こころの底から愛した宝はふたつだけ。

金色にかがやくちいさなメダルと

それによく似た金色の小麦畑。

……我が故郷バンデルフォンの風景なり。

 

 

 

ヌルスケーーーーーーーーー!!!!

 

 

主人公が辺りを見回せば、たしかに風に揺れる小麦畑が金色の輝きを放っていた……。

メダル王を見つけることはできず(11では見つけたかもしれないのだが)とも、故郷に帰ってくることはできたんだなと思うと涙を禁じえない。

ドラクエ7ではなんだか間抜けな印象があったヌルスケだが、この墓に書かれた詩を読むと方向音痴ながらも思慮深い彼の一面が感じられる。

もちろんドラクエ7のヌルスケとドラクエ11のヌルスケが同一人物である可能性は限りなく低いだろう。

しかし、十数年の時を経てなんてことないキャラ(しかも本の中にしか登場しない)をほんの少しでも深堀してくれたのは嬉しい。冒険家として長い長い旅をしてきた彼は、多くの人と出会い、小さなメダルにも負けないお宝も目にしてきたことだろう。それでも彼は小さなメダルこそが自身にとって愛するべき宝であると感じたのだ。そしてまた世界をどれだけ回っても、自身の故郷に勝るものはないと気付いたのだ。

 

深い。

深いぞヌルスケ。

 

誰か、私と同じようにヌルスケ登場に興奮し感動したものはいないか。

 

(文・やなぎアキ)

 

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