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【ダイの大冒険】ダイ大第九十五話感想!いともたやすく行われるえげつない行為。

先日、初めてロード・オブ・ザ・リングを観ました。

ファンタジーの教本のようで、嘘みたいに面白かったです。およそ20年前の映画とは思えないクオリティでした。

 

各話感想

アニメ『ダイの大冒険』各話感想 1話~50話 - DQフリ ドラクエファンサイト

 

どっちにとっての逆転なのか!?「最大最後の逆転」行ってみましょう!

 

その一瞬に懸けて

バーンの天地魔闘の構えを一人で受けたポップ!三撃目は直撃か!?と思いきや、胸に仕込んだシャハルの鏡がカイザーフェニックスを跳ね返した!

そのシャハルの鏡は、ハドラー親衛騎団のシグマさまのもの!

 

それは、ポップがシグマさまとの戦いを終えダイのもとへ向かおうとしていたとき。死に行く寸前のシグマさまは、ポップにシャハルの鏡を持っていってほしいとお願いしていたのでした。防具として胸に仕込んでおけばいい、と。そして、自分の代わりに君の行く末を見届けてほしいとも。シグマさまにとってポップは最大に好敵手。そんなポップがこれからどう戦っていくのか、それを見たい。でも自分は死んでしまうから、せめて鏡を持って行ってくれと、そう思ったのでしょう。

シグマさま!!シグマさま、好き!!

ポップとシグマさま、最高!

 

カイザーフェニックスの炎にまかれたバーン、その隙をダイは見逃さない!みんなが傷つきながら作ってくれた一瞬!そこにアバンストラッシュをぶちまける!!

 

だが!バーンは、大魔王!!大魔王バーンは、そう簡単にはやられない!!

無理やり体を動かし炎を吹き飛ばし、アバンストラッシュを迎撃しようとする!顔が、あまりにも良すぎる!

しかしその瞳に映ったのは、真正面から突っ込んでくるダイだった!ダイはさらなる追い打ちをかけるッッッ!!

 

アバンストラッシュッッッックロス!!!!!

 

バーン、これを受けたーーーーーーーーーー!!!!!!

 

次の瞬間、バーンの左腕が舞い踊る!土曜の朝の絵面か、これ?

そう、バーンは左腕を切り落とされたのです!これで彼はもう天地魔闘の構えを使えない!

瞳に閉じ込められた仲間たちも思わず感嘆の声をあげる!特にヒムは、仲間のシグマが持っていたアイテムが起死回生の一手になったことを喜びます。ハドラーさま、見てますか……。あなたの部下たちが、バーンに一矢報いてますよ。シグマさまありがとうありがとう。

 

さぁ、ここからさらにダイは、剣をバーンの左胸に突き刺しぴったりとくっつく!

ど、泥くせぇ!!なんて泥くせぇ戦い方なんだ!!最終決戦、勇者と大魔王の戦い、もっとかっこよく力と力のぶつかり合いをするかと思えば……。なんとか引きはがそうとするバーンもまたらしくなく泥くせぇ。

そしてダイはライデインを自分もろともバーンに浴びさせる!泥くせぇ!!!!

ダイにはもうギガストラッシュを打つ体力もなく、片腕を失ったといえどバーンの強さは侮れない!それならばとぴったり張り付いてライデインを浴びせることしか、ダイにはできない!どちらが先に落ちるかの我慢比べ!!

泥くせぇよ~~~~~!!!

すごい。ダイにとって、バーンは何が何でも倒さなきゃいけない相手だから、だからこそなりふり構わずバーンにぴったりと張り付くんですね。ダイが求めているのは勝利なんかじゃない、大魔王バーンの死!かっこつかなくても、バーンさえ倒せればいいというのが、この戦い方から見て取れる!

 

連続でライデインを使うダイ!なんとかダイを引きはがそうとするバーンですが、さすがにこう連続でライデインを食らっているので力が弱まってきています!でもそれはダイだって一緒だ!!

仲間たちは心配することしかできません。ポップもまた、ダイにはもうこの手しか残っていないことを知っているからこそ、止めることができません。あのポップが、ダイに寄り添いいつも助けてきたポップが、命を捨ててまで戦うダイのことを止められないのです。それほどまでに、ダイの打倒バーンへの気持ちは強い!!

 

大魔王バーンの切り札

バーンには、命を賭して呪文を使い続けるダイの気持ちがわかりません。自らが傷つき、死んでしまうかもしれないのに戦う意味が。

しかしダイは、むしろこの方が気が楽なくらいだ、と答えます。

自分一人が傷つくだけでバーンにダメージを与えることができるのだから、と。

これまでは仲間がその身を呈し、自分のために傷つきながら倒れながらチャンスを何とか作ってくれた。だから、自分だって傷つき苦しみながら戦うのは当然であるんだと、それがダイにとっては自然な考えであり、それが彼らの魂の絆なのです。

 

バーンはそれを聞き、急にダイを引きはがそうとするのをやめます。

ダイの話が心に響いてあきらめたのか?そんなわけないか?と思っていると、バーンがダイに「諦めろ」と言ってきます。

魂の絆は全く無意味なものだったというのがすぐにわかる、お前のためにもやめろ、と。

 

ダイには理解できません。現に今、バーンのことを追い詰めているのですから。それが無意味だというのか!!

しかしバーンは、自分を追い詰めること自体が無意味だと言うのです!!そして何やらバーンパレスに力を送り込むバーン。バーンパレスは魔力路を失っているのですでに制御できない状態であり、ずっと上へ上へ浮かび上がっている状態です。しかし、バーンパレスにはまだバーン自身が制御できる部分があるんだとか。

バーンの瞳により映し出されたのは、やはり魔力路。

その魔力路の下に、何やらでかい槍のようなものが!!

 

その名も、ピラァ・オブ・バーン!

最初キラーオブバーンに聞こえて、なんだそれダサいなと思ったのですが、検索してみたら違いました。ピラァ、つまり柱ですね。

いやどっちにしろダサいわ。

なんでバーンさま、自分の所有物にすぐ自分の名前つけちゃうの?かっこいいと思ってるの?顔はすごい良いのにセンスが独特すぎますよ。もうこれは擁護できないですよ。

 

 

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このピラァ・オブ・バーンは、最終決戦前にバーンが世界各地に落としていたものと同じでした。その数、全部で六本!すでに五本は投下済み!

 

そして残りの一本をバーンは今まさに落とそうとしているのです!下には、フローラやノヴァがいます!そんなところに落とされては、全員吹っ飛ばされてしまうに決まっている!

事の重大さに気づいたダイはライデインを使いバーンを止めようとします。しかしバーンは涼しい顔でそれを受け止め、ピラァ・オブ・バーンを落としてしまう!

さ、最低だ!!!!!

今はダイとバーンの戦いなのに、この期に及んでなお地上の人々を葬り去るというのか!非道!外道!あまりにも大魔王!これが大魔王バーン!

地上はピラァ(長いので省略)を残して一気にまっさらに……。

 

バーンの本当の恐ろしさ

しかしバーンはさらに追い打ちをかける!!

なんとピラァの中には、黒の核が!!!!!!ハドラーの中にも埋め込んでいたという、最大最悪の爆弾!しかも、ハドラーの中にあったコアの大きさの比ではありません!つまり、それが爆発してしまえば、どれだけの被害が!?さらに同じものがあと五発もあるというのです……。

ば、馬鹿か!?!?そんな大変なものを、最終決戦の前にすでに仕込んでいたというのか!?

しかもバーンは、計算したうえで五本、いや六本のピラァを落としていたのです……。無差別に世界中と攻撃していたように見せて、実はそれも策略だった!各地点を線で結ぶと出来上がるのは、六角形……。つまりコアが魔法陣を描き、ただの爆発よりもより強大になるというのです。それは優に地上を消し飛ばしてしまうほどの威力でしょう。太陽が、魔界を照らすようになってしまうのです。

 

最悪だ!!

 

なんでもう最終決戦だっていうのにそれでもなお、こんな卑劣なものを仕込んでいるのか!悪だ!こいつ悪だ!

ダイは爆発させられる前にバーンを倒せばと思いますが、バーンはそれすらも無駄だと言い放ちます。

そう、コアは時限式であり、あと数分で爆発するという最悪の告白をしてきやがったのです!世界中にあるコアは六つ、今動けるただ一人の戦士であるダイがどうにかするというのは無理な話。

バーンは、この計画を完成させるためにこの最終決戦の場を用意したのでした。自身の策が読まれ、地上の戦士たちがコアをどうにかしてしまわないように。戦士たち全員をバーンパレスに集め、身動きの取れないようにしてしまい、最後のピラァを指定の場所に悠々と刺し込めるように。

ひ、卑劣!我々はずっと大魔王バーンの掌の上だったのだ……!ヒュンケルとクロコダインの処刑をあの場所で行うと告知してきたあのときからずっと!そして、この場に全ての力を終結させていた時点で、バーンの思惑通りだったのだ!でもだって、集結させるじゃないですか!ここで戦いを終わらせようって思って、最高の戦力を集めるじゃないですか!

 

ここまで聞かされ、それでもダイは否定します。ここまでの戦いを無意味なものになんてしたくない。みんなと作り上げてきたチャンスを、無駄だったとは思いたくない!

それならば、バーンの命だけでも奪えばいいのでしょうか?しかし、それすらも無駄であることをバーンは知っています。どうせ地上爆発までには倒せません。倒しても爆発は止められません。

倒せたとして、意味はない。

だって、ダイが今戦っている目的はバーンを倒すことなんかじゃなく、

 

地上の人々の平和を、守ることなんですから。

 

ここでバーンを倒しても、守りたかった人々の平和は守れません。ダイにとって、バーンを倒すことに完全に意味がなくなってしまいました。

戦いが始まれば、本当の目的なんて忘れて一対一、どちらが勝つか負けるかの勝負だ!なんていうのはよく聞く話です。

しかし勇者ダイにとってはそうではありません。この戦いを始めたその時からずっと、ダイの頭の中にあったのは人々の平和を守ることでした。

そんな崇高な勇者だからこそ、戦いの手を止めてしまうのです。勇者ダイが、本物の勇者だからこそ。

バーンを倒しても、地上の人々が爆発で消え去るのであれば、ダイにとって戦う理由はすでになくなってしまいました。

 

バーンはやっぱりそんじゃそこらの悪党とは違います。今戦っている相手が、一体何のために戦っているのかをちゃんとわかっているから、承知しているからこそ、こんな非道な真似ができるのです。勇者ダイが本当に勇者であると彼にはわかっているのです。

もしダイの目的を、自分を倒すためだと誤認していれば、やぶれかぶれになったダイの攻撃に乗っかり本当にバーンは死んでいたかもしれません。

しかしダイの真の目的をわかっているからこそ、自身の身の安全も確保できるわけです。バーンの本当の恐ろしさを今見た気がします。

 

とうとうダイはバーンから手を放してしまいます。

諦めてはいけないと頭ではわかっているのに、体が言うことを聞かず立ち上がることができません。その瞳からは涙がとめどなく流れ、ポップはわかってしまいました。もうどうすることもできないことを。ポップは声を限りに泣き叫びます。アバン先生がメガンテした時よりも辛そうに泣いています。世界中の人たちが、消えてしまう。自分にはどうすることもできない。ここまで頑張ってきたのに、ここまでみんなで傷つきながらも頑張ってきたのに。

深い深い絶望のなか、自分の無力さに怒りを向けることしかできません。ただそれだけしか。

 

残り10分足らずでコアは爆発してしまいます。

 

バーンの顔が、良すぎる…………。

 

 

本当に、本当にもう何もできないのでしょうか!?

そんなはずはありません!フローラやノヴァだってきっと生きているはず!地上で待つ人々だって、助かる道があるはず!

全ての戦士をバーンパレスに集めた!?

いや、きっとバーンにすら予期できなかった何かが、私たちにはあるはずだ!

 

もう祈ることしかできませんが、それでも希望はきっとあります。

 

(文・やなぎアキ)

 

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