なんなんあいつ。
ポセイドンなんて大仰な名前をしているくせに。
なんなんあいつ。
まずドラクエ6にポセイドンなんていたっけ?と思う人もいるかもしれないので説明しておく。
マーメイドハープを手に入れると海底に行けるようになるのだが、世界地図で言うと右下らへんの海底に城がある。
その城の玉座でふんぞり返っている王様がポセイドンだ。
城とか言っているが、いるのはポセイドンと兵士が二人とポセイドンの娘と思われる女性のみだ。
で、こいつ、ポセイドンというからには物語に深くかかわってくるのかと思いきや……
不思議な洞窟の情報をくれるだけである。
誤解がないように言っておくが、不思議な洞窟の情報自体はかなり重要だ。攻略情報を調べたりしていない限りは、この王様の情報がないとクリアができないレベルである。まぁ、それだけ重要な情報の割には辺鄙なところに城をかまえているなぁという印象なのだが。
が、言いたいのはそういうことではなくて、
もっとストーリーに絡め、ということだ。
彼は本当に情報をくれるだけなのである。ポセイドンともあろう人が。
あれ、ポセイドンってすごい人だよな?
真面目に一旦調べてみる。
ポセイドーン(古希: ΠΟΣΕΙΔΩΝ, Ποσειδῶν, Poseidōn)は、ギリシア神話の海と地震を司る神である。オリュンポス十二神の一柱で、最高神ゼウスに次ぐ圧倒的な強さを誇る。海洋の全てを支配し、全大陸すらポセイドーンの力によって支えられている。
めちゃくちゃすごい人じゃないか。人というか神じゃないか。
そんな神に、
不思議な洞窟の情報を持たせるだけ?
神をも恐れぬ所業だなぁ!
ポセイドンぞ?あやつ、ポセイドンぞ?もっとなんかあったのでは?
そうだよ、ドラクエ6では海底で好き勝手している魔王、グラコスがいるじゃないか!あれともっと絡ませてストーリーを展開させることができたのではないか?
ポセイドンとグラコスが戦って、ポセイドンが敗れたみたいな描写みたいなのをくれてもいいじゃないか。ポセイドンが自ら戦ってなおかなわなかった相手に、主人公たちは挑まねばならぬ!みたいな演出をくれてもいいだろうに!
いや、そこまでの大仰なイベントを入れるのは無理だったのかもしれない。それならばせめて、グラコスを撃破したときにポセイドンが出てきて欲しかった!
一応グラコスを倒す前にポセイドンと話すと、グラコスを倒したらいいことを教えようと言われる。で、倒した後に会うと不思議な洞窟の情報をくれるのだ。が、ぶっちゃけグラコス撃破前に彼に会えるかどうかはプレイヤーの寄り道力によるので、合わなかった人もいるかもしれない。倒した後も随分後になってから彼に会った人もいるかもしれない。
それを防ぐことはできたのではないか!?
たとえばあの海底神殿は元々ポセイドンのもので、グラコスを倒したらポセイドンが現れて「よくぞグラコスを倒してくれた」とか言いながらあの玉座に座ったりすればよかったのではないか?そうすれば、わざわざあんな辺境の地にあるポセイドン城を探さなくても済んだというのに。
でもそれはあれか?ジャミラスを倒したときにメダル王が現れるのと、演出としては似通ってしまうか?難儀すぎる。
あと今思ったのだが、グラコスを倒したときにポセイドンがしゃしゃり出てくると、その後復活するカルベローナの影が薄れてしまうという懸念点があげられる。グラコス討伐はカルベローナ復活のために行うのに、ポセイドンが出てくると
あれ?何のためにグラコスを倒したんだっけ?
と目的がぼやけてしまう可能性はある。
なるほど。
だからポセイドンはあのような扱いなのか。
じゃあなんでポセイドンなんて大仰なキャラクターを作ったんだよぉ!あと同じ海底にルビス様がいるのもなんか変だよぉ!
ドラクエ6は、消化しきれていない設定やストーリーがちょくちょくあるが(主に黄金の竜周り)、ポセイドン王ももしかしたらもっと話に関わってくる予定だったのかもしれない。
そういったところをなんとかするのが、リメイク版でやるべきところだったんじゃないのかね!なぁ、ポセイドンくん!
(文・鎖骨戦士ヤマネ)
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