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【ダイの大冒険】待望のダイ大第七十三話感想!死にゆく者こそ美しい、さらばハドラー。

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待った!

待ちに待った!

およそ一ヶ月!

そしてとうとう来た!

 

そうだ!

 

ダイの大冒険だぁああああああああああああ!!

 

元気にしてましたか全国のダイ大ファンの皆さん!

私は元気にしていました!はい!

 

ありがとうございます、東映アニメーションの皆さん!こうしてまた無事にダイ大を見ることが出来る日々がありがたいです!

 

各話感想

アニメ『ダイの大冒険』各話感想 1話~50話 - DQフリ ドラクエファンサイト

 

では、行きましょうか!

待ちに待った、「炎の中の希望」!

 

ハドラーにとってのアバンの使徒

さぁ、一ヶ月以上前に発動したキルバーンのデストラップは勢いが衰えることもなく!いまだポップを苦しめ続けています!

さすがのポップもいよいよ魔法力の限界です。だいぶ間が開いたのでダイの体力が回復していないかなぁと思いましたが、そんなこともなく、ハドラーとの激闘によりボロボロのままです。そりゃそうだ。

 

打開策が見つからないポップはすでに諦めモードです。

そこに喝を入れるのは!

ハドラーだ!!

 

それでもアバンの使徒か!と檄を飛ばすハドラー。彼が命を懸けてまで倒そうとしたアバンの使徒、それは不屈の魂を持った希望の戦士であり、最後の最後まで絶望しない強い心を持った戦士なのだ、と動かない体を精一杯起こしながら叫びます。ハドラーの口から、アバンの使徒が何たるかを説かれるポップとダイ。あのハドラーが、彼らを希望の戦士と呼びました。戦いの中で、アバンという男の生きざま、そしてその意思を継ぐアバンの使徒たちの絆を思い知ったハドラー。生き方すらも変えてくれたアバンの使徒たちは、彼にとっても希望だったのかもしれません。

 

ハドラーの言葉を聞き、ポップは彼の中にアバン先生を見ます。アバンの使徒に敗れた、それはハドラーにとって誇りでもあるはず。それなのに今まさに諦めようとしている彼らを、ハドラーは許すことが出来ません。命を懸けて、仲間との絆も懸けて戦ったハドラーは、だからこそアバンの使徒にアバンの使徒たるその強さを持っていて欲しいと願っています。だからこそ、自分は今地に伏しているのだと、そう願っています。

最後までじたばたあがかなければ、アバン先生の弟子とは言えません。ポップは魂の力を振り絞り、打開策を考えます。

 

そして、最後の策を思いつきます。

 

それは、ポップが最後の魔法力で真上にメドローアを使い一時的にトラップを破り、ダイのルーラで脱出するという方法でした!

ここの説明かっこよかったです。

 

これからまだバーンとの戦いを控えている、それでも、今はとにかく脱出することが第一です。すべての力を振り絞って脱出を試みます!

 

しかし2人が脱出への決意を固めたとき、一つの懸念点がありました。

ハドラーをどうするのか。

すると、ハドラーはまたしても彼らを諫めます。

 

自分のことなど忘れろ、お前たちが助かればそれでいい、と。

 

は、ハドラー……!お前の口から、そんな言葉が聞けるとは……!自分を打ち負かした、相手、自分に生き方を示してくれた相手、それが生き残ることが何より大事だと!たとえ自分の命がもうすぐ尽きるとわかっていても、なかなか出てくる言葉ではありません。しかも、命を奪い合った敵同士なのですから。

どうしてこう、ダイ大の敵というのはでかすぎる包容力でアバンの使徒たちを包み込んでくれるのでしょうか!!クロコダインもバランもハドラーも!みんな一時は憎み合ったのに、最後には分かり合ってくれる敵の多いこと!しかもそれが、いやらしくない!清々しい!それは彼らがどうしてそのような心変わりをしたかというプロセスを丁寧に描いているからでしょう。すごいぞダイ大。

 

ハドラーの言葉を聞き、改めて脱出への決意を固めるポップたち。

ヒャダルコを解き、メドローアの体勢に入ろうとします。

しかし、ヒャダルコを緩めるとすぐさま押し返そうとしてくるのがキルバーンのトラップの恐ろしさ!せっかく考えた作戦を実行に移すことが出来ず、再び絶望の淵に追いやられてしまいます。

 

 

ハドラーとポップに芽生える友情

そこに立ち上がったのは……もちろんハドラーです。

もうすでに死にゆく体に鞭を打ち、魔法力で業火を支えます。

その体は刻一刻と崩れていきます。何が彼をそこまで奮い立たせるのか、決まっています。

待ち望んだダイとの決着を、こんな汚くて卑怯な炎で汚されるのは絶対に許されないからです。彼の生きざま、彼の仲間たちの強き思い、それを誰が語り継ぐというのか、ダイたちに生き残ってもらわなければ全てが無に帰します。

ハドラーのその心意気に打たれたポップは、力の限りにメドローアを放ちます!

その刹那!空が!

そこにめがけて、ダイがルーラを使いポップと逃げ出すのです!

 

その瞬間!

 

ハドラーの体が、まるで悲鳴を上げるように崩れ去っていきました。それと同時にルーラを唱えるダイ。

マァムたちの元へ帰ってきたダイ。そこに一緒にいるはずのポップの姿はありませんでした……。

泣き叫ぶマァム、それをバーンパレスの奥底で眺め、卑劣な笑いを浮かべるのはキルバーンその人でした。

 

バーンは、ダイに逃げられてしまったことが不服なようですが、キルバーンは全く慌てません。キルトラップはまだまだ用意されており、そのトラップを破るかもしれないポップは今まさに命尽きようとしています。キルバーンからしてみれば、ダイよりもポップの驚異的な成長力の方が邪魔だったようです。そのポップがいなくなれば、全滅も同じだと完全に勝利を確信していました。

 

キルトラップの中では、ハドラーがかばうような形でポップに覆いかぶさっていました。

なぜダイと一緒に逃げなかったのかと怒るハドラーに、ポップは答えます。

 

ハドラーに、見とれてしまった、と。

 

必死に自分たちを生かそうとしているハドラーを見て、他人に思えなかった、見捨てることが出来なかった、と。

超魔生物として生まれ変わったハドラーの、仲間と協力して、正々堂々と戦って、必死に頑張っていた、その姿。

 

俺たちと、どこが違う……?

 

同じじゃないか……。

 

この二人はどこか似ていたのかもしれません。臆病なあまり正々堂々と戦えなかったポップ。私利私欲のため正々堂々と戦えなかったハドラー。己のエゴに生きた二人が、ダイと出会い、戦いの中で自分の本当の生き方を見つけていきました。

自分と一緒だ。何か大切なもの、譲れないもののために、必死になって戦う。敵だとしても、自分となんら変わらない存在だ。

それに気づいてしまったポップは、崩れ行くハドラーに手を差し伸べてしまいました。

 

それは果たして間違ったことでしょうか。責められるべきことでしょうか。最終決戦を前にして、こんな行動に出ることは。

 

でも、そんな行動につい出ちゃうポップだから、ここまでやってこれたんです。業火の外でポップの身を案じる仲間たちにもそれはわかっているはず。わかっているからこそ、どうすることもできず、ただ彼の名を呼ぶことしかできないのです。

 

仇を助けようとして死んでまうなんて、あの世でアバン先生に怒られるだろうか。いや、怒らないやきっと。

ポップはそう笑い、最期を覚悟します。

 

そのとき、ハドラーの目から涙がとめどなくあふれてきました。ポップという偉大な男が、もう死ぬしかない自分のために命を落とす、それがハドラーにとっては悔しい。自分の生き方は間違っていなかった、それがゆえに、この男は命を落とすのだ。

どうしようもなく自責の念に駆られるハドラーに、ポップはそれでもお礼を言います。ハドラーがいなければ先のメドローアは打てなかった。ハドラーがいたからこそ活きた命もあるのです。

ポップは、いつもそうやって自分を犠牲にする!いつもあとに残されるものに全てを託していってしまう!

 

ポップはすでに覚悟を決め、共にアバン先生が待つあの世で行こうと語り掛けます。

 

だけどハドラーは諦めきれない。自分の命などとうに諦めている、それなのに、彼の命だけはこんなにも惜しい。一時は魔王まで上り詰め、超魔生物となり、ライバルであるダイを倒すことだけに命を燃やしていたハドラーは、今、ただ一人の人間のために神に祈ります。

 

自分のような悪魔のために、この素晴らしい男を、死なせないでくれ、と。

 

その祈りは神ではなく、もっと近くて、なのにあり得ない、奇跡に届いたのです。

 

ハドラーよ、その腕の中で安らかに

今まさにトラップの中で二人の命が尽きようとしたそのとき、上空から光が!

そしてそのまばゆい光のあと、なんと目の前には信じられない光景が!

 

そう、デストラップが破られたのです!その周りに敷かれている魔法陣は、マホカトール!

この呪文を使えるのは、アバンの使徒以外には、一人しかいないはず!

 

まさか、まさか!

そして聞こえてきたのは、懐かしいあの声!

 

 

あ、

 

あ、

 

あ、

 

 

 

 

 

アバン先生~~~~~~~~~~~~~!?!?!?!?

 

 

 

 

突然の勇者の再来に、バーンパレスの面々及び私は驚きを隠せません。

アバン先生は、たしかにハドラーとの戦いで命を落としたはず。フローラも彼は死んでいるだろうと確信していました。

 

しかし、目の前にいるアバン先生は本物です。

 

アバン先生は、かつての宿敵ハドラーに歩み寄ります。

あのハドラーが自分の弟子を助けるという行動に出たことに、さすがのアバン先生も驚いたようです。彼はもう以前の魔王ハドラーではなく、一人の武人として生きるハドラーなのだとすぐに理解します。

アバン先生は礼を言おうとします。

しかしそれを遮るハドラー。

 

ハドラーはアバン先生の甘さに苦言を呈すと、その鋭い爪で襲いかかります。

先生の背後に隠れていたキルバーンに。

胸から血を流し倒れるキルバーン。これ多分またピロロに生き返らせてもらうんだろうな……。こんなあっけなく退場するわけないじゃないですか。だまされないですよ。あっけなく退場するのはボラホーンとヒムだけでいいんですよ。

 

その一撃が、まさしく今生で出せる最後の力。とっくに限界を超えていたハドラーはいよいよ崩れていきます。

ハドラーは、殺したいほど憎み、実際に殺してしまったアバン先生に対し、バーンと戦う際の助言をします。ダイたちに対する態度とは違い、まさに昔からよく見知った相手であるように話すハドラー。その言葉の節々から、再会できたことを彼なりに喜んでいるように思えます。ダイたちがアバン先生をどれだけ知っていても、やはりハドラーしか知らないアバン先生がいるような、そんな見えない物語まで透けて見えます。

そして、ライバルが育てた弟子たちがどれだけ素晴らしかったかを伝えます。

アバン先生がいなかった間、敵であったとはいえダイたちの成長を見てきたのは紛れもなくハドラーです。そんなハドラーが言うからこその説得力。まるでアバン先生に答え合わせをするかのように笑いかけるハドラー。

その安らかな笑顔に、アバン先生も弟子たちがどれほど成長してきたかを感じたでしょう。血で血を洗う戦いしかできなかったハドラーの口から、敵を賞賛する言葉が出るのですから。

 

 

そんな弟子たちを勝利に導いてやることこそが、自分への礼になる。そうハドラーが言うと、アバン先生は力強く頷きます。

そしてハドラーは、人間の神に感謝します。

 

自分の命と引き換えに、かつて奪ってしまった大切なものをポップたちに返してくれたこと。

 

そして、自分の死に場所を、勇者アバンの腕の中にしてくれたことを。

かつて自分を倒し、しかし自分が殺してしまい、そして自分の生き方を変えてくれた弟子たちを育てた、大きな男の腕の中で、死ねることを。

 

風となったハドラーを見上げながらポップは思います。

彼もまた、あの瞬間たしかに自分たちの仲間であったことを……。

 

 

 

アバン先生、生きてました……。すごい、すごすぎる。そして、この神回を前に放送が休止したにもかかわらず、(私に)ネタバレをしなかったファンの皆さんへの感謝の気持ちを告げたいです。私もやきもきしていましたが、皆さんのそれはまったくレベルが違ったでしょう。今回で、一ヶ月の休止全部吹き飛ぶくらい泣きました。

 

そして、全力でぶつかってきたからこそ最後はわかりあえたダイたち。

また一つ、いえ、親衛騎団合わせて六つの想いを背負って、これから戦ってほしいと思います。

 

最初の敵であったハドラーがいなくなり、最初にいなくなったアバン先生が帰ってきました。

先生が帰ってきたのは嬉しいのに、ハドラーがいなくなってしまったのは悲しい。

それでも私はなんとか前に進めそうです。

 

なんでかって?

 

来週もダイ大を見ることが出来るからだよ!!

 

 

 

最後に、ハドラー本当にお疲れ様でした。

そのうちハドラーのことが最高で最高でたまらないという記事を書きたいと思います。

 

(文・やなぎアキ)

 

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