前回までのあらすじ
突然現れた美女、デボラと共に光の教団の手がかりを探すモガマル。
指図されるのが嫌いなデボラ、デボラにいいように転がされるガイアス。なかなか大変な旅路だ!
前回
第二十三話 デボラに振り回されてるぞ!
出会う魔物を倒していればデボラさまはご機嫌だな。
ご機嫌だけど……
そうなんだよな~~~!!
オレたちは魔物を倒したいわけじゃないんだよ。この星に脅威をもたらすって言う光の教団を何とかしたいんだよ!
ええ~。
一体どういうことって言われても。デボラさまがこっちだ!って言ったりあっちだ!って言ったりでオレたちは付き従っているのに、どうしろって言うんだよ~。ちゃんと命令には従っているぞ!?
そうだそうだ、オレたちは十分頑張っている!
オレたちを怒ってもしょうがない!許してください!
これからも一生懸命がんばります!
ひぃ!すいません!
ああ~、どうしよう。デボラさまを怒らせてしまった。これでは見捨てられてしまう。いや、見捨てられても別にいいんだけど、でもそれだと光の教団の手がかりが完全になくなってしまうだろうし、困ったぞ。
デボラさま、機嫌をなおしてください~。
うわ~。モガマルが小魚みたいな顔をしていてよかった~。今日ほどモガマルが小魚みたいな顔をしていて感謝した日はない。
小魚みたいな顔だと思ったことはないけど。
これがもし子ぎつねみたいな顔だったら許してもらえなかったかもしれない。そうなのか?
え?手分け?
オレたちと、デボラさまで、手分けして?
それはつまり、デボラさまご自身で探しに行くってことです?え!そ、そんな自ら行動するなんてことあなたがするんですか!?
いや、でもあれか、そもそも元々はデボラさま、一人で手がかりを追っていたっぽかったもんな……。
なんか勝手に、なんでもかんでも人に任せているのかと思ったが、そうか、ちゃんと一人でも行動できる人だったんだな。なんてことを言うとまた怒られそうなので黙っておこう。オレはモガマルと違って小魚似ではない典型的なスライム顔だからな。
あ!はい!すいません!ちゃんと話聞いていました!大丈夫です!
手分けしてね、デボラさまとオレたちでね!はい!
いやです!
そうだよな。よく考えたらデボラさまにとってブルリア星は他人の星なのに、こんなに必死になってくれているの、よく考えたらありがたいことだよな。しかもデボラさまみたいな人がこんなに気にかけてくれるなんて。
デボラさま、もしかしてものすごく優しくて正義感にあふれた人なんじゃないか?なぁ、モガマル。
だよな。モガマルもそう思うよな。
なんか、デボラさまのことを見る目が変わったよ。今までの全部照れ隠しだったのかもしれない。
デボラさま、一生ついていくぜ。
あ、違う。手分けして探せって言われたばっかりだった。ついていったらまた怒られてしまう。
次回予告
光の教団のてがかりがつかめないモガマルたちは、デボラと一旦別れて手分けして情報を探すことにした。
するとガイアスが、なにやら感知して……?
次回、「デボラとは一時お別れだぞ!」!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
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