よく新入社員に向けられる言葉、「辞めたいなって思っても、3年は頑張れ」。
この言葉の真意はよくわからないのですが、多分「そんなすぐに向いてる向いてないがわかるわけないんだから」とかじゃないんですかね。あと退職金が発生するラインが3年とかですかね。
これは現代社会ではあまり意味のある言葉ではなくなってきました。
何となくの目安で3年と思っておくこと自体は悪くないですが、もはや転職は選択肢として当たり前の時代。どうせならさっさと見切りつけて新しい道に行こうよ、という意識がそれなりに強くなってきていると思います。
世知辛い現代社会ですら、3年と言わず無理と思ったら辞めて次に行けるわけです。まぁ大して頑張る前から無理とか言うのは違うと思いますがそれは置いておいて。
しかし、ドラクエ3はそうはいかないです。
ドラクエ3は、
ちょっと自分にはこの職業は向いていないかもしれない。そうと決まればさっさと転職しよう!
そう思って転職しようとすると、職安もといダーマ神殿の職員さん、というか大神官にこう言われます。
なんと ○○はまだ一人前の××にはなっていないというのに……。未熟者の分際でもう職を変えたいとはなにごとじゃ!
めっちゃ怒られます。そんな怒らなくてもいいじゃん、ってくらい怒ります。
そう、ドラクエ3は、その職についたらそこで一人前にならないと決して転職できないのです。
一人前とはレベルが20になること。
そこに行くまでは、たとえ自分には向いていないと思っていても絶対に転職できません。
全然力が伸びないのに、一人前にならなければ戦士を辞めることができないということがあり得るのです。
レベル20になってしまえば無条件で一人前と言ってくれる点だけは優しいですが、逆に言えばレベル20になるためには嫌でも仕事(戦闘)をこなさなければいけません。酒場でダラダラしているだけではいつまでたっても転職できません(当たり前か)。
これが現実世界でもし適用されていたら……3年どころの話ではないです。向いてない、苦手だと思っているのに、一人前にならなければいけないのですから。一人前になることができないかもしれないから転職したい、と考える人だっているだろうに、それでも一人前を強制するのです。こわい。
もっと世知辛いのは、ドラクエ3では職を辞めるという選択肢がないことです。一度何かの職業に就いてしまったが最後、常に何かしらの職に就いていないといけないのです。
この職業向いていないから別の職に就きたいな~と思った時、少なからず間でリフレッシュする期間は欲しいでしょう。しかし、それをドラクエ3の世界は許してくれません。今の職業を辞めるのであれば間髪入れずに別の職業に就かなければいけないのです。あまりにも厳しすぎる。
職業選択の自由も何もあったものじゃない。
ダーマ神殿に行けばいつでも簡単に転職ができます。それが現実世界からするとうらやましいことがあります。
しかもいつでも職を辞めることができる後継の作品と違って、ドラクエ3の世界あまりにも厳しすぎる。この転職事情については、唯一現実世界よりも厳しいです。
これから逃れるためには、
1.絶対にルイーダの酒場に行かなこと
2.絶対にダーマ神殿に行かないこと
です。
これを守れば、あの世界でもある程度自由に生きることができるでしょう。しかしうっかりこの二か所の内のどちらかに行き、しかも何かしらの職業に就いてしまったが最後、転職も安易にできず職を辞めることもかなわない人生になってしまうのです。
定年?
あるわけないじゃないですか。男魔法使いを見れば一目瞭然でしょう。
でもまぁ、いいことがあるとすれば、転職によって年を取ることを回避できるってことですかね。まぁレベル20にはならないといけないんですけど。
(文・深々シン)
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