ドラクエは常に、世界を救う冒険者の姿を描いています。
長く続いているシリーズもので、ここまで話の内容が一貫しているというのもめずらしいでしょう。
スピンオフ作品ともなれば、他にも目的があって冒険をすることが多いですが、ナンバリング作品は常に世界を救うために冒険しているのです。
ではこの世界を救うとは一体なんなのか？
世界を救うというからには、世界が救われなければいけない状況にあるということです。
そう、ドラクエ世界には常に世界の平和を脅かす存在がいます。魔王と名乗り世界を征服しようとするもの、世界をただただ破滅に導くもの、人間全てを滅ぼそうとするもの。
それを倒すことが、世界を救うことになるのです。
ただの人間には到底太刀打ちできない強大な敵を相手に、臆することなく立ち向かっていく。そしてそれを倒したとき、世界を救ったと言えるのでしょう。
非常にシンプル。勧善懲悪です。
世界を救うためには、世界の果てに行き○○をしなければいけない、だとか、誰々を犠牲にしなければいけない、とか、むしろその敵のことは倒してはいけない、だとか、そういった物語に幾重張り巡らされた仕掛けは一切ありません。
それゆえにドラクエは王道であり、主人公や世界の設定が変わろうとも、ドラクエであると常にいえる要因の一つでしょう。むしろここまで一貫して勧善懲悪を貫くのはめずらしいとさえ思えます。
たとえ主人公が勇者ではなくても、やるべきことはいつも一つです。
ドラクエの主人公は全員が勇者というわけではありませんが勇者と総称されることが多いです。それと同様にドラクエのラスボスは総称して魔王と呼ばれることが多いです。がやはりこれも厳密にいえば純粋な魔王というのはそこまで多いわけではありません。破壊神だ暗黒神だ堕天使だと、様々です。
しかし、それでも魔王とひとくくりにできるのは、それを倒せば世界を救うことができるというシンプルな役割を与えられているからでしょう。倒せば世界が救われる、そんな相手を魔王と総称することは至極自然です。
ナンバリング最新作として、すでにドラクエ12のサブタイトルと短い紹介動画が公開されています。
それを見るに、今までにないドラクエになるのではないか、ダークで大人なドラクエになるのではないかという考察がかなり強いです。
もしかしたら、勧善懲悪の話ではなくなるかもしれません。
それでも最終的には、勇者が魔王を倒すような、そんなシンプルな結末が見たいと思います。
（文・鎖骨戦士ヤマネ）
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