ドラクエウォークも二年を迎え、これまで様々なイベントが行われてきた。
ナンバリングはすでに6作品がイベント化された。
このナンバリングイベント、大体が各作品の旅路をそのまま体験できる内容になっていた。
ドラクエウォークの世界を旅する主人公とスラミチが、突然別世界に飛ばされたり別世界とリンクすることで、各作品の主人公となり冒険をするというのが主な流れだ。
これ、ものによっては特に違和感がないが、ものによっては「主人公大変そうだな……」と思うものもある。
特に苦労なく異世界に溶け込めるパターン
ドラクエ1イベント
これは特に違和感はなかったと思う。
急に別世界に来てしまったことは戸惑った点ではあるだろうし、勇者ではないのに勇者と担ぎ上げられるのはある意味大変だっただろうが、困っている人を助けたいという本来の旅の目的とは外れていないため、主人公もとりあえず戦いまくったことだろう。
一つ上げるとすれば、ローラ姫の存在か。
ドラクエ3イベント
こちらも、ドラクエ1とさして変わらないものだったと思う。オルテガの子供という役目が課せられてはいるが、基本は世界を救うためにひたすら戦うことには変わりない。
ドラクエ4イベント
こちらも、導かれし者たちというイベント限定の仲間という要素はあったが、前の二つと特に変わりはないだろう。
ドラクエ4の勇者の境遇がそこまでイベントに反映されなかったのもでかい。
主人公が大変そうなパターン
ドラクエ7イベント
ドラクエ7は、魔物がいない世界から旅が始まる。それはドラクエウォークのイベントでもそうだ。ドラクエ7の主人公と扮したウォークの主人公はキーファたちと共に過去に戻り、そこでスライムに出会う。
ここで当然魔物を見たことがないキーファとマリベルは非常に驚く。
これには主人公も困ったことだろう。スライムどころか、数多の魔物と戦ってきた主人公だ。どうリアクションしていいか絶対に困ったはずである。
さらには、戦闘の素人であるキーファやマリベルの前でどう戦えばいいかも困っただろう。こちとらバトルマスターや賢者もいるというのに。ドラクエ1・3・4のイベントでは、勇者という立場だったため、すでにそれなりの実力をつけていたとしても怪しまれないが、ドラクエ7では戦闘は全くのド素人である。戦闘経験が皆無のキーファとマリベルの前でギガスラッシュなんて放とうものなら彼らは失神してしまうだろう。
大変だっただろうな。
ドラクエ5イベント
一番直近のイベントである。ドラクエ5のキャッチコピーは、「愛がある、冒険がある、人生がある」である。そのキャッチコピーの通り、人生を歩んでいくのがドラクエ5だが……まさか主人公も自分が子供になってしまうとは思わなかっただろう。
しかも、ドラクエ3のときはほぼほぼ名前だけで最後にちょろっと出てきただけの父親が、今回はがっつり関わってくるのである。しかも、なまじ自分が幼い子供なために、完全にかよわい存在として父親はこちらを扱ってくる。いや、バトルマスターレベル70とかですよ、こっち。これには主人公は困っただろう。お父さんの顔を立てるという、幼い子供らしからぬ気づかいをしたに違いない。
さらに数年間奴隷をやらされてしまう主人公。これがドラクエウォークの不思議な力で数年が一瞬だったという措置があればいいのだが、クエストをした限りではそんな印象はない。まさかの主人公、約10年を別世界の別の人物として過ごす。
もちろんそれだけでは終わらない、あれよあれよという間に結婚もするし、子供も持つ。違う人物として、人生を送ってしまう。
そして始まる8年間の石像生活。
いや、これ、主人公、どんな気持ち!?8年を石って!改めて5主人公の人生のすさまじさを感じてしまう。
これだけ長い年月を別世界で過ごしてしまったら、もう元の世界に戻りづらいのでは。逆浦島太郎である。
という感じで、圧倒的に主人公が大変そうなのがドラクエ5イベントだ。子供までできたのに、この世界と離れなければいけないという、イベントとの別れも含めて主人公への負荷が重すぎる。
しかし、エンディングクエストの出来は非常に良かった。本当の5主人公の人生が始まるのを見届けるというのはかなりエモい。
変化球
ドラクエ2イベント
ちなみに、ドラクエ2はかなりナンバリングイベントとしては特殊な作りだった。いきなり旅の終盤から始まり、何がなにやらわからないままバッドエンドを迎える。
時が巻き戻って、今度は結末を知っている主人公とスラミチがそのバッドエンドを回避するために頑張るという内容。これはこれで主人公は戸惑いがあったとは思うが、過去に過去の導きの英雄と一緒に旅をするという一周年のときのイベントを経験しているので、そこまで大変ではなかったと思う。
これからも主人公は、異世界で別の人物の冒険を担っていくのだろうが、そのたびに
「自分、どうしたら?」
と思う場面が来るだろう。
とはいえ、人生まるっと経験するドラクエ5イベントに及ぶものはなかなかないだろうが。
(文・やなぎアキ)
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