ドラクエ7の終盤では、メルビンが一人行動をする場面がある。
復活した魔王の手により、一部の大陸が封印されてしまったため、それをなんとかしようとコスタールでたった一人奮闘するのだ。
このとき、メルビンはなんと遠い地にいる主人公たちとの会話を行っている。
当然ドラクエの世界にはスマートフォンなどない。
基本的に彼らは、遠く離れた人と会話をすることなどできないのだ。いや、仮にスマートフォンがあの時代にあったとしても、封印された地に電波が届くとは思えない。
しかしメルビンは、封印されたエスタード島にいる主人公たちに遠隔で話しかけているのだ。
しかも……
なんの機器も使わずにだ!!
どうやらメルビンの聖戦士としての力を使えば、遠隔で話すことができるらしいのだ。
そ、そんなことができるなんて知らなかったんだが!?
世界の大変な事態によって、なんだかスルーされがちなのだが、ものすごい力を持っていないか、こいつ!?
言えよ!そういう大事なことはよぉ!
ただしこの力を使うことができる場面は限定的である可能性がある。
最初にメルビンが遠隔で話しかけてきたときは、謎の神殿の像からだった。冒険の始まりのときに、主人公とキーファが祈りをささげた像である。メルビン自身も「この像に声を送っておいてよかった」と言っている。
あの像は、重要なアクセスポイントを担っているのかもしれない。
しかし、その後は像を介してではなく、神殿の至るところで話しかけてくるメルビン。
いやどこでもええんかい。
像じゃなくてもええんかい。
なんなんだよ。
と、ここで聖戦士の心話という点がちょっとひっかかる。
聖戦士であれば誰でも使えるということだろうか。
であれば、天の国の人も使えるのであろうか。
使えるのである。
クリスタルパレスでは、メルビンのことを心話で呼び出す聖戦士がいる。
ということは?
像どころか謎の神殿という場所の縛りもなく遠隔の人と話すことが可能ということでは!?
なんでそんなこと今まで黙っていたのさ、メルビン!
その力があれば、たとえば、なんか、もっと、旅が便利になったかもしれないじゃないの!!例がちょっと思いつかないけど!
しかししかし、聖なる種火をエスタード島に送ってからは、次に神が正体をあらわして合流するまではこの心話は使わない。各地の精霊に協力を仰ぐという大事な目的を遂行している主人公たちに、逐一確認を取りたくなりそうなものだが、まったく音沙汰がなくなるのだ。
ということは、やはり封印という特殊な状況下では謎の神殿を介さなければいけないのだろうか。
いかんせんいきなり出てきた能力ゆえに、あまり掘り下げられていないのがこの心話。
遠く離れた仲間と会話をしたり、メルビンを一人旅させるというゲームのストーリーを実現させたいがための仕掛けではあるが、ちょっとぽっと出で扱いが雑だなぁと思ったり思わなかったり。
他にもメルビンは、主人公に体を預けるというやばい技や、聖なる炎を封印された島に送るという離れわざをやってのける。
ただの変なおっさんだと思っていたが、そこはやはり神に仕える英雄。こんなすんごい能力を持っているのだ。
でも、みんなあまりそのすごさに言及していないような気がする。
仮にも神話時代の人間なのだから、もっともっとそのすごさを押し出してもよかったような気がするが、いかんせんむっつりスケベな面が強すぎるんだなぁ。
(文・リモート侍)
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