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【ドラクエ5】ネッドのペナントに対してためいきを吐くゆうじい、失礼が過ぎる

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リメイク版ドラクエ5には名産博物館という追加要素がある。

博物館の館長になって、各地の名産品を展示するという寄り道要素だ。

そして名産品には格がある。

 

 

 

 

博物館には、生前博物館建造の夢を叶えたかった幽霊のゆうじい(DS版はデスじい)がいる。

彼には、主人公が名産品を展示する際、気に食わないとどこからともなくため息を聞かせるという非常に悪趣味な面がある。

「そんなものをわしの博物館に展示するのか」と言わんばかりのため息だ。

 

博物館は上の階に行くほど格の高い名産品を展示したほうがいいのだが、それに見合わないものを展示しようとするとため息を聞く羽目になる。他には、同じ名産品を二つ以上飾ろうとしても、聞くことになる。

 

大体はサラボナ近くのうわさのほこらで手に入る「うわさのノート」を飾ろうとしたときに、呪いの音楽と共に「はぁ……」という声を聞くのが最初のはずだ。

急に流れる呪いの音楽にめちゃくちゃびっくりした人も多いだろう(というか私)。

しかし、言われてみればたしかに、うそかほんとかわからない噂しか書かれていないノートなんかを博物館にかざるのは、お客さんに失礼だ。居酒屋のトイレに置いてあるノートなんか誰もかざらん。

 

 

ゆうじいのため息、ごもっともである。

 

 

価値のないものを博物館に飾ってはいけないんだなと理解し、旅を続けていると、ネッドの宿屋でペナントをもらうことができる。キャンペーンの一環として、宿屋のご主人が端正込めて作ったものらしい。

なるほど、今はあまりペナントを見かける機会は少ないが、確かにその地域を表すお土産品という印象はある。

これはまさしく名産品だ!

しかも期間限定の先着でしかもらえない品物(主人公たちがもらうまで何年でもやっているキャンペーンだけど)!めずらしさで言っても高めだろう!

ということで、さっそく博物館に戻り意気揚々とペナントを展示台に置いてみる。

 

 

そして流れる呪いの音楽とゆうじんのため息。

 

 

意識外からの攻撃というのは恐ろしい。それが呪いの音楽であればなおさらだ。

 

 

ぺ、ペナントでため息吐きやがったかこいつ!?と驚愕である。

なんでだよ!!ペナントだぞ!名産品やろがい!少なくともうわさのノートなんかと同列で語っていい物ではないだろがい!

宿屋のご主人が端正込めて作ったペナントだぞ!たしかにいきなり渡されたときには、邪魔~~と困惑してしまうものではあるが!それでも、宿屋のご主人が、お客さんに喜んでほしいという思いを込めて作ったペナントだ!

それを、それをお前…………

 

 

はぁ……

 

 

じゃないよ!!!なにが「はぁ……」だよ!こっちが「はぁ?」だよ!挙句に果てには嫌がらせでしかない呪いの音楽まで流しやがって!

お前に宿屋の主人の気持ちがわかるか?

自分があげたペナントが、博物館に飾られているという噂を聞きつけて訪れてきた宿屋の主人の気持ちを想像したことがあるか?

どれだけ探しても自分のペナントが見つからない宿屋の主人の気持ちを?

まさかな……と思って地下に降りたとき、ほこりをかぶったペナントを見つけてしまった宿屋の主人の気持ちを?

 

 

ゆうじい最低だぞ!!!

 

 

しかしまぁたしかに、素人が作ったペナントで、しかも宿にいるスライムの話によれば失敗しまくっていたらしいので、それを博物館に展示するのはいやだと思うゆうじいの気持ちもわかる。

 

ああでも、頑張って作った宿屋の主人の気持ちを、呪いの音楽で評されるというのはあまりにもかわいそうだ……。

頼むからもう、ペナントのことは忘れて穏やかに生きてくれ、宿屋の主人……。

 

そして絶対に名産博物館には来ないでくれ。

 

 

(文・やなぎアキ)

 

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