ドラクエの呪文の花形と言えばメラやホイミなど。
補助呪文だってスカラやフバーハなど忘れてはいけない呪文がたくさんある。
しかし中には、どうしても印象に残らない呪文もある。
モンスターズに出てくる呪文なんかはそれが顕著である。ナンバリング作品には出てこないモンスターズ固有の魔法が多いからだ。特に補助呪文。
敵のかしこさを下げるフール、味方のかしこさを上げるインテなど。敵の攻撃力を下げる呪文としてドラクエ9以降はヘナトスという呪文があるが、それとはまた別の効果で攻撃力を下げるダウンなんて呪文もある。
これらはモンスターズという固有のシリーズに登場する呪文なのでモンスターズ未プレイの方が知らないのは無理もない。
しかし世の中には、ナンバリングに登場した呪文にもかかわらずあまりにも影が薄い呪文が存在する。
そう、ペスカトレだ。
ペスカトレだ。
ペスカトレ。
ドラクエ8のククールのカリスマスキルを6レべルまであげると覚えることができる呪文であり、ドラクエ8が初登場。
そしてドラクエ8にしか登場していない。ドラクエ8オンリーの呪文である。
ドラクエ8オンリーの呪文だから影が薄いのか。そんなことはない。
ドラクエ8オンリー(一部スピンオフでも使える)の呪文といえばヤンガスのマホアゲルがある。これはマホヤルや、今はMPパサーというスキルで有名になった自分のMPを仲間に分け与える呪文だが、多分皆覚えてる。覚えてる、よね?MPパサーってようはヤンガスのマホアゲルでしょ?ってなる、よね?
そもそもペスカトレがどんな呪文だか覚えているだろうか。
私はペスカトレという呪文があったことは覚えているが、効果がどんなであったかは覚えていない。
ペスカトレは敵のおどりを封じる呪文である。
つ、つ、つ、使い勝手~~~~~~~~~。
いつ使うの~~~~~~~~。
たしかに踊り攻撃のなかにはザラキも同然のしのおどりや、一気にパーティーが崩壊しかねないメダパニダンスなど厄介なものも多いが、基本的には雑魚敵が使う技だ。ペスカトレという呪文を使おう、と思う間もなく敵を一掃したほうが早い。
そうこうしているうちに存在を忘れてしまう。
しかも呪文というのもいただけない。
ドラクエ6、7ではおどりふうじという特技がある。こちらも名前の通り敵のおどりを封じる技で、使い勝手~となってしまう。しかし覚えるのは踊り子(ドラクエ7のアイラも)なので特に違和感はない。なんでククール、踊りを封じる呪文覚えるのん?
また、おどりふうじは特技のため、MPを消費しない。ペスカトレは呪文のためMPを4消費する。少ない消費とはいえ、この差は大きい。さらにいえば、ドラクエ6に限れば踊り攻撃が厄介なボスに対しておどりふうじが効くので、この特技を覚えていれば明確な出番が一応ある。
極めつけは名前。
魚介のスパゲッティ???魚介のスパゲッティなの???
「ペスカトレ」で調べるとドラクエがヒットするが、「ペスカトーレ」と調べるととたんにスパゲッティばかりヒットする。
なんだこの名前は?
これからどう踊りを封じるという意味になるのだ?
ちなみにドラクエ大辞典では以下のように推測が行われていた。
ちなみにスパゲティのペスカトーレは漁師風という意味で、漁師が余った魚介類を纏めてトマトソースで煮込んだことが由来とされる。魚介類を活きたまま食べることを「踊り食い」というから、というのがこの呪文の由来だろうか。
だとしても!だとしてもわからない!
なんか名前の付け方がドラクエっぽくない!
同じくドラクエ8初登場でドラクエっぽくない呪文といえば敵の呪文耐性を下げる「ディバインスペル」だが(同じくククールのカリスマスキルで覚える)、こちらは後発の作品に登場し、使おうが使わまいがそういう呪文があったなぁと覚える機会が増えた。名前の付け方も、魔法防御をあげるマジックバリアに準じてそのまま英語から取ってきたのだろう。
でもペスカトレは覚えられないよ!
だってスパゲッティだもの!
そのうちアマトリチャーナとかいう呪文が出てきてもおかしくないもの!
だめだ!今の今までペスカトレの存在を忘れていたのに、一度気になりだしたらひたすらペスカトレについて考えてしまう!
これがもしかしてペスカトレの本当の効果では?
ドラクエ8で登場しドラクエ8で消滅したペスカトレ。
今後この呪文が再登場することはあるのだろうか。
(文・深々シン)
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