ゴレンジャーとか、アバレンジャーみたいな。
そういう変身戦隊モノ、正義の味方的なやつ。
そうだと信じて疑わなかった。
さすがに最近は
さすがにレンジャーだからってそういう意味ではないのでは?
と思い始めていたが、昔から思い続けていたことというのはなかなか払拭できるものではない。
思えば当初から、
なぜ商人と盗賊と魔物使いでレンジャーになれるんだ?(ドラクエ6)
と思っていた。およそ正義の味方要素がない。でも正義の味方と信じて疑わなかった。
てか三つも職業をマスターしなきゃいけないのけっこうしんどい。そのわりにそこまでして就きたい職業でもない。商人盗賊魔物使いという余っちゃった職業たちを寄せ集めて苦し紛れに作った職業だと思っていた。
そもそもドラクエ6の攻略本に書いてあるレンジャーのイラストがミスリードだ。
主人公が両手を天に掲げ、竜巻を生み出しているイラストだ。
そんなんただのレンジャーができるわけないじゃん(戦隊モノのヒーローにもできない)。
説明文にも「自然を味方につけた多彩な技を使いこなす」とある(公式ガイドブック)。自然を味方につけたという部分に本来のレンジャー要素を見出せとは当時子供だった私には酷である、なんなら比較的成長してからでも酷である(酷であった)。
Vジャンプのガイドブックには「忍者のような特殊な攻撃も楽しめるんだ」とある。レンジャーはニンジャーだった?とかいうわけわからないミスリードまでされる始末。
ドラクエ9では上級職になるためには従来のような基本職を極めるのではなく、クエストを達成する必要がある。
レンジャーになるためのクエストは「サバイバルの知恵」。メイジキメラを猛毒ダメージで5匹倒す、というものだ。
いや、「サバイバルの知恵」て。そこで気づけ。戦隊モノの正義の味方ではないだろ、と。そういう意味でのレンジャーであると。
しかし悲しいかな、ドラクエ9のクエストをクリアしないと上級職につけない方式がめんどくさくて受け付けなかったので、レンジャーになるためのクエストはクリアしなかったのだ。
そう、レンジャーのことを勘違いし続けて生きてきた原因はここにもある。
レンジャーに興味がない。
こんな風にレンジャーになれるクエストを提示されても別に達成しようとも思わない。職業を三つもマスターしなきゃいけないのも面倒。SFC版ドラクエ6は裏ダンジョンを解放するために全職業の熟練度を5まであげなければいけないので馬車メンバーに早々にレンジャーになってもらっていたが、使ったことはない。別に有用な特技は覚えないし。
ドラクエウォークでも最初レンジャー職は無視していた。影縛り便利だから今はメインパーティーに入れているが。
このレンジャーへの興味の無さが、私の勘違いをそのまま促進させたのだろう。
現に、「レンジャーって自衛隊とか特殊部隊とかそういう野戦得意っぽい感じのあれ的な意では……?」と急に気づいたのはドラクエウォークをやっていたときである。
それなら納得。商人×盗賊×魔物使いという組み合わせもなんとなくわかる。
ただ、唐突だなぁとは思う。
ドラクエ6の上級職は以下の通り。
バトルマスター
魔法戦士
パラディン
賢者
レンジャー
スーパースター
勇者
レンジャー唐突じゃない?
バトルマスターから賢者まではRPGによくある布陣だ。納得。スーパースターもわかる。遊び人という文字通りお遊び職業をドラクエ3から入れていたくらいだ、上級職にその要素を残しておくのは実にドラクエらしい。
だからほら、レンジャーだけ浮いてない?
バトルマスター!賢者!スーパースター!みたいな強い字面並んでたらレンジャーって言われたときに、正義の味方の戦隊モノのことだ!と思っても仕方なくない?子供のころには野戦得意っぽい的なあれという意味では知らない言葉だったから、知っているゴーレンジャー的なレンジャーだととらえても仕方なくない?
ゲームというのはこうやって知らない言葉に出会えるものだが、まさかこんなに大人になってからドラクエのレンジャーがどういうレンジャーなのか気づけるとは思わなかった。
まだまだドラクエから学べるものはあるんだなぁ。
ちなみにレンジャーは「徘徊するもの」という意味らしい。わお。
(文・やなぎアキ)
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