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【モンスター】ドラクエで、ふと寂しくなる瞬間。

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ドラクエをやっていて寂しくなる瞬間……これはもう自分にとって、ひとつしかない。
ぶっちぎりで「アレ」だ。

 
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物語が始まって最初出会うのは、ほとんどの場合がスライム。スライムに出会うまでに結構な時間がかかる事もあるし、ぶちスライムの事もあるけど、とにかくはスライムと戦う事になる。
結果はもちろん撃破。
そして訪れるのはレベルアップだ。
世界を救うための旅において、実力を磨くことは必須。たくさんのモンスターを狩って狩って、狩りまくって……
強くなったらまた新しい土地へ行き、強いモンスターと戦う。そいつを簡単に倒せるようになったら、また新しい土地へ。


そんな単調とも言える作業を、勇者は繰り返す。
訓練なんて単調なものなのだから、仕方がない。
逆にリアルとさえ思える。
自分よりも少しだけ弱い相手を何度も倒し、実力を蓄えていくのだ。


しかしそんな単調な世界に突如訪れる「アイツ」がいる。
メタルでキラキラとしたボディの、アイツが。
見慣れたシルエットに、見慣れた瞳。
そう、メタルスライムだ。


なかなか倒せない、なかなか現れない、でもリターンは大きい。
こんな愛くるしいキャラ、見たことない!
退屈でもある作業における清涼剤。砂漠に咲く一輪の花。モンスターの群れにおける、救いのような存在。
会った事でテンション爆上がり、1ターン目で攻撃してきてくれたことでテンション爆上がり、攻撃が通った事でテンション爆上がり、かいしんのいちげきが出てテンション大爆発!倒したらレベルアップ!しかも複数キャラがレベルアップすることも!
そのギャンブル性の高さから、バトルにメリハリが出てくる。正直、メタルスライムが1匹でも出たフィールドは、エンカウントした瞬間に毎度「メタルかっ!?」ってなってたりする。メタルスライムじゃなくても、メタルスライムに逃げられても、その心臓の飛び跳ね方は、このゲームが単なる「単調な作業ゲー」ではない事を感じさせてくれる。


そんなメタルスライム狩りの期間を経て強くなった勇者たちは、また次なる街へと繰り出していく。


新しい街での出会い、別れ、成長。多くの経験を積みながら、勇者たちはさらなる力を手に入れていく。その中で、はぐれメタルやメタルキングたちとも出会うことだろう。
そしてふとしたタイミングで、勇者は昔の街・昔のフィールドに戻る用事ができる。懐かしみながら、かつて苦戦した敵たちをなぎ払っておつかいを済ませる。昔は雑魚キャラといえど魔法のひとつやふたつは使わなくては手こずっていた相手に、今はボタン連打の力押しだ。なんなら全然エンカウントしない事もある。


しかしそこで、懐かしの存在に出会うのだ。
そう、メタルスライム。
一瞬だけ気持ちが高ぶる。
そのキラキラしたボディに、反射的に胸が高鳴る。
だが、倒した瞬間の経験値を見て、いまの自分たちを大きく成長させるようなものではないと感じて、ふと寂しくなるのだ。もうメタルスライムの時期は終わったのか、と。
いつの間にか小さくなっていた母親の背中を見た時のような感覚に襲われる。


成長はもちろん良いことだ。
世界を救いたいのならば、なおさらだ。
しかしメタルスライムを倒した事が大きなリターンにならないような自分になるという事でもある。メタルスライムの一挙一動に熱狂し、一喜一憂した日々との決別。
成長を実感するという意味では嬉しくもあり達成感もあるのだが、ふとした寂しさも感じるのだ。


さぁ、今日も世界を救うために鍛錬を重ねていこうか。
 

(文・OGTキシン)

 

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