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【ドラクエ11】勇者ローシュの旅もいつかプレイしてみたい、でもしたくない気持ちもある。

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物語中で少ししか語られなかったものについて、その詳細を知りたい!と思ってしまうのは当然のことである。

例えばドラクエ5の物語が始まる前のもっと幼かった主人公とパパスの旅路だとか、ドラクエ4の導かれし者たちが各章の終わりから勇者に出会うまでのストーリーだとか、ドラクエ6のプロローグ以前の冒険だとか。

 

そしてドラクエ11の先代勇者ローシュとその仲間たちの旅だとか。

 

ドラクエ11には勇者の存在が明確にある。主人公は勇者として生を受けるが、ローシュもまたそうだろう。彼は神話の時代の勇者。仲間たちと共に長い旅路の果て邪神をあと一歩のところまで追いつめる。

しかし、仲間の一人に裏切られてしまい、邪神を打ち倒すことはかなわず死んでしまうのだ。

彼の仲間は戦士ネルセン、魔法使いウラノス、そして賢者セニカ。彼らとは良き友であり、またローシュとセニカは固い絆で結ばれた恋人でもあった。しかしウラノスは邪神にそそのかされて、ローシュを裏切ってしまったのだ。

 

ストーリー中で語られるのはこれくらいである。ローシュとウラノスは共に修行した仲だとか、ローシュはセニカに一目ぼれしただとかそういったちょっとしたエピソードはときたま聞けるが、本当に断片的である。

 

一体彼らの旅はどのようなものだったのか?

 

ローシュが勇者として旅立った時のことや、セニカとの出会いと二人が恋仲になるまでの過程、あまり本編中では語られなかったネルセンとローシュの関係性、そして、心に闇を抱えてしまったウラノスが旅の中で何を思っていたのか。

非常に気になる。非常に。

 

きっと旅の中で喧嘩することもあっただろう、裏切ったとはいえ一緒に修行をしたライバルとして快く接するウラノスの姿もあっただろう、その中で少しずつ劣等感を抱えるエピソードがあったのかもしれない。危険な旅に恋人が同行していることを時に心苦しく思うローシュの姿もあったのではなかろうか。エッチな本を入手するネルソンのエピソードだってあるかもしれない。

 

そんな風に考えると、先代勇者ローシュの物語を実際にゲームとしてプレイしてみたい気がしてくる。あの伝説を自らの手で進めてみたい気持ちが。

 

しかし、伝説の勇者の旅路というのは、断片的にしかわからないからこそ伝説たりえるのだ、とも思う。

 

たとえば同じような思いは、FF10でもいえる。FF10は10-2という続編が出ており、さらにその続編として10-2.5という小説も出ている。そしていつか10-3が出るかもね、という状態だ。しかし、10-2はまだしも、小説の2.5ではその内容からかなりの批判が集まった。そして「こんな続編を作るくらいならブラスカ・ジェクト・アーロンの物語を見たい」という声が少なくない数あがった。ブラスカたちは10本編の主人公たちの親世代のキャラクターであり、その時代の英雄である。たしかに見たい。ドラクエ11のローシュ達の旅同様、断片的にしか知らないその旅の全容を知りたい。

しかし、そこもやはり知らないことがあるからこそ、謎めいた部分があるからこそ、憧れであり伝説なのだと思う。

私たちプレイヤーもまた、本編中の主人公たちと同様の情報しか持たないからこそ、彼らと気持ちを共有できるのではなかろうか。

 

また、全てを説明されると、自分で想像する余地がなくなってしまうのも難点。少ししか語られていないからこそ、その少しの情報から自分で色々と細部を想像してみる。これもまた楽しさだろう。

ネルセンがエッチな本を手に入れたエピソードを、自分の好きなように作れるのはでかい。

 

やはり、伝説は伝説のまま、語り継いでいくのがいいのだろう。

 

まぁでも「ドラゴンクエスト11外伝 古の神と裏切りの朋友」とか言って発売されたら普通にプレイしますけどね。それとこれとは話が別です。

 

(文・やなぎアキ)

 

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