ドラクエは2以降、主人公と共に旅をする仲間がいます(例外も当然ある)。
仲間になる理由は、基本は主人公の旅の目的に賛同したからや一緒に達成したいからです。
しかし本当にそうなのでしょうか?
しっかりと仲間になる理由を見てみたいと思います。
本記事では、ドラクエ1~ドラクエ5を対象に考えます。
とはいっても、ドラクエ1はご存知の通り仲間はいないので、厳密にはドラクエ2からです。
ドラクエ2
サマルトリアの王子
のんきもののサマルトリアの王子。
彼はロトの子孫としての使命を果たすために、神官ハーゴンを倒す旅に出ます。
ローレシアの王子とほぼ一緒に旅に出ている彼。便宜上ローレシアの王子が主人公として扱われることが多いですが、血筋から世界を救う旅に出たという点は同じですね。
完璧に同じ目的を持った仲間というわけです。
ここまで同じ目的を果たすためが強いキャラ、他にいないような気がしますが、このあとの作品もしっかりと確認していきたいです。
ムーンブルクの王女
物語の最初で滅ぼされてしまったムーンブルク、その王女。
彼女もまたロトの子孫であり、その使命を果たすためローレシアの王子たちに同行します。
彼女の場合は、国を滅ぼされたり犬にされたりと、王子たちよりもさらにハーゴンへの因縁が深いのですが、基本は同じロトの子孫だからという理由でしょう。
二人ともロトの子孫として生まれたから仲間になった、これはローレシアの王子も同じですね。勇者の家系だから、で仲間になるの、めちゃくちゃ熱いなと改めて思いました。しかもパーティーメンバー全員ですからね。
ドラクエ3
ルイーダの酒場の皆様
ドラクエ3の仲間は、ルイーダの酒場で自由に組み合わせることができます。
どういった目的で仲間になるのかについては難しいところですが、アリアハンの王様はバラモス討伐を勇者にお願いし、ルイーダの酒場を利用するように言います。
なのである程度は、世界平和のためという目的が知らされていると思われます。勇者という特別な存在が雇ってくれた場合には、そういった覚悟が必要だくらいにはなんとなーく言われているのではないでしょうか。
しかし、出会いと別れは勇者の一存で決まるため、明確に世界を救いたい!という人はルイーダの酒場を頼らずに自分でさっさと旅に出ていそうです。そう仮定すると、そこまでの強い思いを最初は持たずに仲間になっている気がします。
勇者と共に旅をするうちに、徐々に勇者と同じ志を持つようになったんじゃないですかね。
仲間になった時点では、世界に平和を~とぼんやりとした気持ちだと推測しました。
ドラクエ4
ドラクエ4のサブタイトルは「導かれしものたち」。仲間はすべて勇者に導かれたもので、勇者の目的は魔王を倒し世界に平和を取り戻すこと。つまり仲間たちも皆、世界に平和を取り戻したいから仲間になる……大枠でとらえればそうでしょうが、個人個人見ていくとそんなわけでもないはずです。
ライアン
子どもたちが同時多発的に行方不明になっている事件を解決した際、勇者が狙われているということを知り、勇者を守るためにバドランドを出て旅に出ることになります。
長い長い旅の末、とうとう勇者との出会いを果たし、仲間になります。
旅に出た動機は、魔物たちがまだ子供の内に勇者を殺そうとしていたことに起因するので、勇者を守るためと言えるでしょう。
そして旅を経たことで、勇者と共に平和を脅かす根源を倒すこともまた目的になったようです。ドラクエ11のグレイグの言葉を借りれば、勇者の盾になる、でしょうか。
勇者を守るため、そして勇者と共に世界を救うために仲間になっているんですね。
アリーナ・クリフト・ブライ
2章の旅の目的はエンドールの武術大会に出ること。しかし2章終わりで、サントハイムの城の人々が消えたことから、その謎を解くためにアリーナたちは旅に出ます。恐らくは武術大会決勝前に姿を消したデスピサロのせいだろうと睨んだうえで旅を続け、その道中勇者と出会い、仲間になります。
デスピサロを追っているという点が合致したため仲間になりますが、そもそもの動機は故郷のためでしょう。
故郷の人々を取り戻し、なんならこてんぱんにぶん殴らせろ、という勢いのある理由でアリーナたちの場合は仲間になります
いや、ぶっちゃけクリフトとブライはアリーナに従わざるを得ないので、仲間になった動機はアリーナがそう言うからでしかないと思いますが。
トルネコ
伝説の武器を仕入れて世界一の武器商人になりたいトルネコは、勇者と一緒にいれば危険な旅路も安全だし伝説の剣にお目に書かれるだろうという理由で仲間になります。
導かれし者たちの中で一番、「なんでこいついるんだ」という理由で仲間になります。
全員が全員、勇者が魔王を倒すという目的に多かれ少なかれ合致する部分があるから仲間になるわけではない、というのを身を持って証明してくれた貴重なキャラクターです。
ということで、伝説の武器をこの目で見たいという理由です。う~ん、異質。
マーニャ・ミネア
父の仇バルザックを倒すために、マーニャとミネアは旅をしています。
しかしその目的を果たすことはできず敗走に終わってしまうのが4章。
なので仇を討つためという目的も当然あるのですが、占い師であるミネアはそもそも自分たちが魔王を倒すべき旅をしている勇者に導かれることを知ったうえで仲間になるので、勇者と目的は一致します。
自分たちは導かれし者だから、という理由は、ドラクエ2のロトの子孫たちに通じるものがありますね。
ドラクエ5
ドラクエ5はNPCの仲間キャラや、任意で仲間になるキャラクターが多いので、どこからどこまでを入れるか迷いましたが、基本は自分で操作できるキャラクターに絞ることにしました。そのため、ベラやパパスは入れていません。
また、仲間モンスター(キラーパンサーを含む)についても入れていません。改心して主人公の仲間になりたくなったから以外なにものでもないからです。
ヘンリー
子ども時代、主人公と共に魔物にさらわれ奴隷生活を送ったヘンリー。とうとう脱出したものの、ラインハットに戻るわけにもいかずなんとな~く主人公の旅に付き合うという理由で仲間になります。
成り行きで仲間になります。
トルネコはまだ明確に目的がありましたが、ここにきて、特に理由もなく仲間になるキャラクターです。
途中からは故郷のラインハットを救うために行動しますが、最初のとっかかりはそんなものです。そんなものなので、ラインハットの方が大事だと気付いたときにパーティーから離脱します。世界を救う!という理由があればきっと途中離脱はしなかったはずなので、なんとなくで仲間入りしたヘンリーが離脱するのは仕方ありませんね。
ビアンカ・フローラ・デボラ
家族だからです。はい。
3人とも、夫の帰りを家で待つタイプの女性ではなく、自らの足をもって夫のそばにいたいタイプだったので、仲間になります。
あえてちゃんと目的を言うなら、主人公が目的としているものを、一緒に達成できたら、というのが理由でしょうか(デボラは違うと思うけど)。
ビアンカはそれ以外で二回仲間になるタイミングがありますが、子供時代は子猫を助けるため、結婚前は主人公ともう一度冒険したかったために仲間になります。
ドラクエ5は途中までは、平和を取り戻す!という目的ではなく、父の意思を継ぎ母を探すという完全に主人公の個人的事情で旅をしているので、仲間になる人たちの仲間になる理由も色々なのかもしれません。
息子・娘
家族だからです、はい。
そもそも二人とも、行方不明になったお父さん・お母さんを探すために旅に出ており、父を見つけた後は母を見つけるために仲間になります。
子どもなので、基本は親の目的が子供の目的になっていると思います。
サンチョ
主人公に仕える身なので、必要とされればもちろん仲間になりますとも!スタンスです。
主人公の目的が、妻を探すためでも、母を探すためでも、世界を平和にするためでも、他の何かであっても、主人公に呼ばれれば仲間になります。
しいて言えば、主人公を守るためとかでしょうか。
ピピン
王に呼ばれたからです、はい。
なんでこの人いるんでしょうか。システム的な面で言えば、人間パーティーを作りたい人用でしょうか……。
まぁ、ピピンも主人公を守るためとかでしょうかね。
こうして見ると、ドラクエ2~ドラクエ4までは、魔王という明確な存在がいてそれを倒すために旅に出た勇者がいる世界なので、その目的に少なからず合致した人が仲間になっているんですね(トルネコは違うけど)。
しかし、ドラクエ5は主人公の目的が個人的事由だったり、主人公はこれまでとは違って勇者ではない(でも父親だし、王様でもある)こともあり、その都度仲間になる人の理由も、前作までより多岐にわたっているような気がします。
旅をしていくにつれて、仲間の目的が一つに集約していってはいますが(トルネコはわからんけど)、最初の動機は意外とそうでもないかも……?ということで、ドラクエ6以降はどうなっていくか楽しみです。
では当記事ではここまで!
(文・やなぎアキ)
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