ドラクエ8にはアイテムとして様々なチーズが登場する。
チーズは戦闘中に主人公がつれているネズミのトーポに食べされることで、その効果を発揮する。
火を吹いたりして攻撃するものもあれば、回復効果やスクルトの効果など補助の面でも役に立つのがチーズだ。
入手方法はどこかで拾ったり敵がドロップしたりとあるが、一番は錬金釜で錬金することだろう。
ふつうのチーズはレンネットの粉というミルクを固める作用のある粉と、おいしいミルクを錬金することで作られる。このふつうのチーズを元にカビなどと組み合わせたりなどするとどんどん色んなチーズに展開していく。
そして、攻撃を与える系チーズの中でも最強位なのが、
超辛チーズとかがやくチーズだ。
トーポが食べることによってそれぞれしゃくねつの炎、かがやく息を吐くことができる。チーズ食ってそんなものを吐けるなんてただものじゃねぇ、このネズミ。まぁただものではないんだけど、ほんとに。
ただ、公式ガイドブックでこの二つのチーズを見ると、トーポじゃなくてもなんらかの特殊効果あるわこりゃ、という見た目をしている。
超辛チーズはかなり赤いチーズに唐辛子が直に何本も何本も刺さっている。スターゲイザーパイかよってくらい刺さっている。食い物じゃない、これはもはや。
説明欄には「辛い食べ物が好きな人でも、口にしただけであまりの辛さに気絶するという」と書いてある。危ない。そんなものをただのねずみではないとはいえ、食べさせるな主人公よ。
かがやくチーズはかっちかちに凍った氷の見た目。しかも氷がもうめちゃくちゃ鋭利な感じであちこち飛び出している。タイタニックがぶつかった氷山かな?っていうのが何本も突き出ている。口に入れたら血まみれになりそう。説明欄には「食べると、吹雪のなかにいるような寒さに襲われるという」と書いてある。危ない。でも気絶するよりはましなのでは……。
こんな危ないものを愛ネズミに食べさせるだなんて……。たしかにエンディング後であればただのネズミではなく、それどころか竜神族であることがわかるので多少かいいが、それまではみんなただのねずみだと思っているのに。
しかもこの二つの最強チーズ、作り出すための錬金レシピになんと
ドラゴンのふんが必要なのである。
そう、
うんちが必要なのだ。
うんちが。
うんちを使ったチーズを、食べさせているのだ。主人公は。実のおじいちゃんに。
うんちを使ったチーズを。
孫、孫よ……。ようやく見つかった家族に、うんちを使ったチーズを食べさせるのはどうなんだい。
たしかにあの見た目であの効果のチーズを作るには並大抵の素材ではいけないのだろうが、なんでうんちなんだい。
ドラゴンのふんを使うと極上の料理が出来上がるということであればまだ、「そういう世界観なんだな……」と思うが、よりによって出来上がったもの食べたら、気絶したり吹雪のなかに放り込まれたりだし。このレシピを思いついて実行したやつ、やばすぎる。
しかもこのレシピを教えてくれるあらくれは、この二つのチーズに必要な素材であるドラゴンのふんを「汚いもの」と表現している。いや、汚いものって言っちゃってるじゃん。ドラゴンのうんちはあの世界ではいわゆるうんちではなくて、もっと神聖な扱いなのかと思ったら、やっぱり汚いものなんじゃん。
さらには公式ガイドブックの説明文。
炎のような熱を放つ竜のフン。その熱を利用して燃料がわりにも使えるが、ちょっと汚い。
ドラクエ8公式ガイドブックより
やっぱり汚いんじゃないか!!
というのもさることながら、書いてある用途が「燃料がわり」。
チーズじゃないんかい!!
燃料がわりに使ううんちを、チーズを作るために利用して、それをおじいちゃんに食べさせる孫!
さすがドラクエ屈指の錬金マスターだぜ!!
それにしても、炎のような熱を放っているから超辛チーズを作れるのはわかるが、真逆のかがやくチーズもこのドラゴンのふんで作れるのは不思議だ。
あれか?ドライアイスにさわると、冷たいはずなのに「あっちぃ!」ってなるあれか?熱いと寒いは極めると痛いだけだから、そういうことなのだろう。
(文・やなぎアキ)
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