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【システム】天空シリーズは何となく独立している感じがいい。

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ロトシリーズの1・2・3、天空シリーズの4・5・6。優劣をつけることなど不可能なほどにどちらも人気のシリーズだ。

どちらも勇者と魔王をめぐる物語であり、作品と時系列の関係も同じという共通点を持っている。

が、ロトシリーズと天空シリーズの違いは当然あり、それが両者の魅力にもつながっていると思う。

 

その魅力の一つに、ロトシリーズは作中の関連が密接であり、また天空シリーズはそこまで密接ではないことがあげられる。

 

ロトシリーズは3作品すべてに共通のフィールドがあり、常に前作品を意識することができる。共通のキャラクターが出てくるなどもあり、それはシリーズを追っているファンとしては非常に嬉しい仕掛けであり、ドラクエという一つの物語を三作品を通して楽しむことができるのが魅力だ。

 

その後続く天空シリーズは、ロトシリーズほど話のつながりが強固ではない。

天空の勇者というワードは出てくるが、ロトシリーズほど濃い血のつながりを意識することはないし(そもそも天空人と人間の間に生まれるのが天空の勇者のため)、フィールドも各作品で全く違う世界と言えるだろう。天空の城(ゼニスの城)と天空の塔(天馬の塔)がかぶっているくらいである。天空の塔と天馬の塔に関しては、構造がかなり違うので同じかどうかも怪しい。

 

しかし、そのつながりの薄さがまた、ロトシリーズとは違った魅力になっているのだろう。

ロトシリーズはその作品の性質上、1から順番にプレイする方が絶対的に楽しめる。もちろん1作品だけ楽しむのもありだが、ドラクエ3という強烈な仕掛けがあるかぎり、3作品を連なった物語として楽しんだ方がロトというものを理解できるだろう。伝説上の人物であったロトが自分自身だったのだと。

 

しかし、天空シリーズはどの順番でプレイをしてもそれぞれ独立した1作品として楽しむことができるだろう。

 

天空シリーズもロトシリーズ同様、三作品目で、伝説の始まりを目撃することができる。しかしドラクエ3と違いドラクエ6は語りすぎないという特徴があった。

ドラクエ3では、自分自身がロトの勇者であり、その称号を手にするまでの旅をこれまでしてきたのだ。そして、平和が戻った今、自分のこの血が脈々と受け継がれ、やがて現れるりゅうおうとの戦いに子孫が臨むのだろうと想像することは難しくない。これがあるからこそ、ロトシリーズは全体を通してプレイしたくなる、それが魅力である。

 

ドラクエ6では、これが天空の城が生まれる物語であったのだと考えることはできる。しかしドラクエ3に比べると、かなりプレイヤーの想像に任せる部分が多い。6のエンディングからどう天空の勇者という物語が始まったのか、天空の城はその後どうなったのか、多くは語らなかった。そもそも「天空の」という言葉が出てこない。

あまり語らないからこそ、むしろ他の天空シリーズをプレイしていなくても問題はない。始まりの物語ではあっても、ドラクエ6単体で楽しむことができる。

 

つながりを持たせながらも、独立したゲームとしてプレイすることができるという魅力が、天空シリーズにはある。

 

前も後も知らなくても十分楽しめるという点では、天空シリーズは、新規のプレイヤーを獲得しやすいシステムになっていたのかもしれない。

 

シリーズものの醍醐味は、他作品を知っているからこそ楽しいというのがある。ロトシリーズは見事にそれを成し遂げているが、それと全く同じ仕掛けをしては面白くない。しかし天空シリーズは、シリーズものにしながらも各作品のつながりを密接にしすぎなかった。作品ごとに挑戦する姿勢は常にドラクエにはみられるが、シリーズ単位でも新しい試みをしようとしていたのかもしれない。

 

私なら、ロトシリーズは1から順に全部やった方がいいと胸を張って言えるが、天空は気になるものをやった方がいいよ!とすすめるだろう。気になる作品をやったうえで、他の天空シリーズもプレイしてくれるのが一番いいと思っているからだ。

同じドラクエでもアプローチがこのように違うのは面白い。

 

(文・深々シン)

 

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