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【システム】ドラクエ1~3までの世界の広がり方、すごすぎる。

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ドラクエ1の世界はアレフガルド、ドラクエ2ではアレフガルドを含んださらに外側の世界、そしてドラクエ3はアレフガルドとその上の世界です。

新しい作品が出るたびに世界を広げてきたドラクエ。

ただ地図を広げるのではなく、大冒険にふさわしい世界の広がりを感じます。

 

ドラクエ1のアレフガルドは、決して広くはありません。町の数やダンジョンの数だってそう多くはないです。

しかし初めてのRPGとしては十分であり、適切な情報を仕入れていなければ迷ってしまう余地もありました。

また、一度立ち寄った町にもう一度行かなければいけないなど、狭いながらも世界を縦横無尽に行ったり来たりすることで広大な土地を大冒険しているような気分になります。ルーラはラダトームにしか行けないというのも、それを助けているように思えます。

世界をたった一人で旅して、平和を取り戻したなぁという体験を与えてくれたのがドラクエ1。

しかしエンディングで勇者は、自分の国を探すために再び旅に出ます。アレフガルドに自分の国を作るのは無茶では?という疑問は、次作で解決します。

 

そしてドラクエ2。同じロトの物語のはずなのに、まったく知らない土地からスタートするこの作品は、あのアレフガルドが広い広い世界の一部であったことを示します。

プレイヤーはここで、前作で世界中を旅した気になっていたけれど、世界というのは本当はもっと広いんだという感動を覚えることができます。「井の中の蛙大海を知らず」です。まさしくアレフガルドの外、大海には多くの島や大陸があったのです。

ドラクエ1の地図の外側、そこが冒険のスタート地点というのも憎い演出。新たな気持ちでまた冒険をスタートすることができます。そして前作の舞台であったアレフガルドは、あくまでも旅の通過点という扱いなこともうまいです。ここで昔、激闘を繰り広げたのだ、そして今、また別の地で激闘を繰り広げることになるのだろう。過去に思いを馳せ、未来を見据える。地図的にもストーリー的にも絶好の位置にいるのがアレフガルドでした。

もし、自分の世界にも外側が実はあって、この世界はほんの一部でしかなく外側の方がもっともっと広くかったら?そんな夢のある広がりを見せてくれたのがドラクエ2の世界でした。

 

ドラクエ3では打って変わって、アレフガルドが登場しません(わざとこう書かせていただきます)

その代わり本当に世界中を旅することができるのがドラクエ3です。現実の世界地図を模したドラクエ3の世界。様々な土地を訪れ、イシスやアッサラームなど、その地域によって独特な生活をしている人々を見ては、世界中を旅しているというリアリティがそこに生まれました。

そしてジパング、日本に訪れたときに、よく知っている国なのに異国感がぬぐえないその不思議な感覚を味わうことができたのです。よく知る国が、ドラクエにかかればこうも変身するのかと。

1から2にかけて、ただ地図を広げてきたドラクエでしたが、そこにまた新たな世界が生まれたのがドラクエ3でした。

 

しかし、それだけではドラクエ3は終わりません。皆さんご存知の通り、それまで冒険してきた世界というのは上の世界であり、下にもまた世界があるということを冒険が終わろうとしていたその時に知ります。

そこはこれまで散々冒険してきたアレフガルド。

1と2をプレイしてきた勇者たちにとって、アレフガルドはもはや故郷のようなもの。新しい世界に連れていくのではなく、既に見知った世界に連れていくことで、今まさに伝説の始まりを目の当たりにしていることをプレイヤーは知るでしょう。

当然アレフガルドのどこにどんな町があるのかはわかりきったこと。新しい世界を旅するワクワクドキドキとは違う、知っているからこそ堂々とふるまえる感覚、その風格が勇者のオーラとして反映されているという錯覚、しかしその錯覚はあながち間違いではないかもしれません。初めて訪れるはずの土地なのに、どこか懐かしいような(来たことあるのだから当たり前だが)、それがまた物語の深みになるのです。

世界を広げるだけではなく、元いた場所に帰ってくる、そしてそれは自らが伝説になるためであった、1から紡がれてきた物語の見事な結びです。

 

1から2へ、そして3へ。

世界を旅させ、

その世界は本当はほんの一部でしかなかったことを知らせ、

全く別の世界を生み出したかと思えば、

また最初に戻ってくる。

 

ストーリーやキャラクターだけではなく、世界そのものを使ってロトシリーズの広がりを見せてくれたこの一連の流れは、まさしく「そして伝説へ…」のサブタイトルにふさわしいでしょう。

 

(文・やなぎアキ)

 

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