前回までのあらすじ
ローレシアの王子となったモガマル。
ムーンブルクの城にハーゴンの軍勢が攻め入ったらしい。
このままでは世界が危ない!残り二人の仲間と一緒に世界を救うのだ、モガマル!
前回
第七十七話 何ももらえないってこともあるのか!?
よーし、とうとう新しい冒険の始まりだな!
多分ここまでがこのアトラクションのいわゆるオープニングイベントってやつだ!
もういい加減わかってきたぞぉ、アトラクションの仕組みがぁ。
おう!行ってくるぜ、父ちゃん!
前回は両親が不明だったからな、やっぱりアトラクションであっても親がいるのはなんだかいいもんだなぁ。
うむ!行こうモガマル!3人のしもべを引き連れて、あとサマルトリアの王子とムーンブルクの王女ともどっかで合流して!
行こう!
どうした!行くんだけどって、どうした!
どうしたぁ?何かが腑に落ちてない感じがするな?
もう一通り話も終わったし、もう冒険に出る準備は万端だと思うけどな?
まだ何かしなきゃいけないことってあったっけ?
ああ!そうだ!そうだそうだ!
ここでいつもだったら、王様から何かしら贈り物をもらうんだった!大体大したことない金額のお金だったりしょうもないアイテムだったりするけど、ってことをあんまり言いすぎるとルビス様のお仕置きをくらってしまう!
でもたしかに、少ないながらに何かくれてたのに、今までは!
そーだそーだ!いっちゃうよ!仮にもかわいい息子でしょ!?旅立ちだよ!?
押してダメなら引いてみるモガマル。もしかしたら何か奥から出てくるんじゃないかと待ってみる。
けっこう待ったけど何も出てこないみたいだな。
そろそろ諦めたら?もう冒険に出ようぜ。
オレは先に進めた方がいいと思う。
おおっと!ここで温厚なモガマルの堪忍袋の緒が切れたか!
もう露骨に言っちゃったよ。
気持ちはわかるけどな?あまりにも露骨すぎない?
まぁほら、いいじゃんか、どうせもらえたとしても大したものじゃないんだし。
そりゃそうだよな!モガマルの言う通りだ!大したことないものでも、やっぱり何かしらほしいよな!文句言いつつも、もらえるのはなんだかんだ嬉しいよな!
なんかくれよ!!!
あばばばばばばばばばばばばば
こ、これは、ルビス様のおしおき……。
もらってもおしおきされ、もらわなくてもおしおきされ……。いや、どっちにしろモガマルが文句を言っていたのがいけないんだけども……。
勇者はぜいたくを言わないって……勇者なのに僧侶かなんかなのぉ~?
こうしてオレたちはとうとう何ももらえずに冒険に出るのであった……。
前途多難だ……。
次回予告
ローレシアの王子であるモガマルは、まずは仲間の一人であるサマルトリアの王子を合流するためにサマルトリア城に向かう。
早速王様に会うが、肝心のサマルトリアの王子の姿は見えないよう?
次回、「サマルトリア城に来たぞ!」!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
次回
これまでの贈り物&お仕置き