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【キャラクター】ドラクエの悲しい恋3選

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悲恋というのは古くから人気のあるジャンルですね。叶わぬ恋、悲痛な別れ、運命のいたずら。それを見る我々は彼らの想いを受け、自然と涙してしまうものです。

ドラクエにも悲恋は結構数があり、解釈次第ではどの作品にも存在します。

 

 

数あるドラクエの悲恋の中から、これぞ!と思うものを3つ選んでみました。

ちなみに完全に私自身の好みです。

 

ピサロとロザリー(ドラクエ4)

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もはや説明の必要もない、ドラクエの悲恋王道of王道。

特にリメイクで付け足された6章がない場合は完璧な仕上がりです。6章自体は別に嫌いじゃないですけど。

敵側とはいえ、事情を知ってしまうと同情せざるを得ないですね。

ロザリーという恋人のために人間を憎み戦うピサロ。しかしロザリーはそんなことを望んでいない。そんなロザリーの涙は、ピサロの元には届かないのだ。

完璧です。完成度がえぐいです。

さらにはその愛するロザリーが人間のせいで死んでしまい、憎しみに囚われたピサロは進化の秘法により異形の姿に変わってしまう。もはやなんのために自分は存在しているのか、残るのはただただ人間を滅ぼしたいという思いのみ。そこにロザリーはいない……。

 

これだけでもけっこうな悲恋なのですが、そんなデスピサロを倒すのが、同じく愛するものを奪われた勇者であるというのがまたなんとも。解釈次第では勇者と幼馴染のシンシアの関係性もまた悲恋といえるので、人間に愛するものを奪われたもの VS 魔物に愛するものを奪われたもの、というどうにもやるせないラストバトルになるわけです。

 

結局は勇者がデスピサロを倒すことになるのですが、奪うことでしか果たせない願いというのは辛いですね。平和というもっと大きな使命があるため、子供のころはそこまで気が回りませんでしたが。

ロザリーもピサロも死んでしまい、残される勇者一人。人間たちは裏にあったドラマなど知らず、ただ平和を謳歌していきます。う~ん、シェイクスピアもびっくりです。

 

 

ゼボットとエリー(ドラクエ7)

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人間ドラマてんこ盛り盛りドラクエといえばドラクエ7。恋愛がらみのエピソードも多く、その多くがなんともビターな結末を迎えています。しかし大体は少しの希望が見えたりしますね、リートルードのバロックやマーディラスのゼペッルなど。

 

その中でも、何とも言えないような終わり方をするのはフォロッドのゼボットとエリーだと思います。からくり兵のエピソードですね。フォロッドは序盤最重イベントでいろんなことが起こりすぎてしまうのですが、ゼボットとエリーの悲恋もなかなかのショックです。

婚約者であったエリーを不慮の事故で失ってしまったゼボットが、死なない存在を作り出そうと研究に没頭している、というのは、そこに輝かしい未来を感じることがないのでただただ陰鬱としていましたね。そのまま狂った科学者になっちゃう、というのはありがちですが、偏屈なだけで割としっかりしているというのもまた……。

 

永遠に死なない存在ではあるかもしれないけど、心を持たない存在でもあるからくりを心の支えにしなければいけないほどゼボットは人間を愛することを恐れているのが悲しいです。そのくせからくり兵エリーに「花がきれい」と言わせるのがもう……。

からくりには命というものがないゆえに、現代では残されたエリーの末路を見せられるのがまたもう……。

それでも最後にかすかに心が芽生えたのが一筋の光でしょうか。ゼボットがエリーに死を教えなかったことが彼女の幸せになったのか、それともやはり教えたほうが彼女のためになったのではないか、私にはそれがわかりません。

 

同じくドラクエ7の悲恋といえば割とすぐ浮かぶのがグリンフレークですが、あれは登場人物全員がなんかなよなよしていてあまり好きじゃないので却下です。でもだからこそ人間臭いなって感じはします。

 

 

キナイとロミア(ドラクエ11)

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ドラクエの悲恋といえば?と言われて一番最初に思いついたのがこちらです。

そもそもの人魚姫という話自体が悲恋ということもあり、近代ドラクエ悲恋ナンバーワンでしょう。

 

人間と人魚の許されざる恋、そこから生まれた人魚伝説、そしてたどり着いてしまう結末。

こちらはプレイヤーの選択次第で結末が変わるのですが、どちらを選んでも悲しいことには変わりありません。

人間と人魚の生きる時は違い、未来を約束した恋人は実は随分と昔に死んでしまっていた。それを知って人魚もまた泡となり消えるのか、それともそれを知らぬままこれからもずっと恋人を待ち続けるのか。後者はまだロミアに希望を持たせることができますが、勇者たちが真相を知っている分なんとも後味が苦いです。しかしロミアが消えてしまうよりはましなのでしょうか。

真実を伝えることが必ずしも正しいことではない、それをあの美しいムービーシーンと共に悲痛に教えてくれました。

美しいロミアが泡になって消え、残されたキナイはその美しさに「恋をしてしまいそうだった……」と……。

 

時を遡るとプレイヤーの選択に関わらずロミアは生きており、現代のキナイと出会うので、いつかはこの悲恋もハッピーエンドになってくれるのでしょう。

それだけが救いです。

しかし我々は泡になったロミアのことを決して忘れてはいけないのです。

 

 

以上、筆者が選ぶドラクエの悲しい恋3選でした。

ちなみに、ドラクエ6の主人公とバーバラも好きです。しかし悲恋と呼ぶにはあまりにも個人的解釈が入ってしまうので今回は泣く泣く除外しました。

 

(文・やなぎアキ)

 

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