DQフリ ドラクエファンサイト

『ドラゴンクエスト』が好きだという全ての人へ送る、「ドラクエファンによるドラクエファンのための」フリーコンテンツです。毎日更新!

【キャラクター】天空シリーズの勇者の血筋について考えてみる。

f:id:dq-free:20201129154537j:plain

天空シリーズ。

ロトシリーズと双璧をなすドラクエの根幹を担うシリーズ。

ロトシリーズ同様勇者をめぐる物語だが、その血筋は一筋縄ではいかない。

 

 

ドラクエ4の勇者は主人公ただ一人。

天空人の女性と、人間の木こりの男との間に生まれたのがドラクエ4の主人公だ。天空人と人間が恋をするということは許されることではない禁忌なのだが、それはこの天空人と人間の血が交わることで勇者という特別な存在が生まれるからというのも理由なのだろう。この血が勇者の勇者たるゆえんである。

この4主人公が後に誰かと子を成し、それによって勇者の血が続いていくのだろう。誰と子を成すかはわからないが、勇者は17歳、これからの人生いくらでも出会いがあるだろう。男勇者を選んで且つエンディングでシンシアが生き返ったとするならば勇者の相手はシンシアかもしれない。

 

次のドラクエ5ではエルヘブンの民の血が流れる主人公と、天空の勇者(4主人公)の子孫である花嫁との間に生まれた子供が勇者になる。ドラクエ4同様天空人と人間、それが交わることが勇者が生まれる条件なのかもしれない。

しかし、作品中ではただの人間ではなく、エルヘブンという特殊な民の血が主人公に流れていることも重要な要素であると語られている。ドラクエ4ではただの木こりだったはずなのに。

これは思うに、長い年月の中で勇者の血というのが薄れていったからではないだろうか。4主人公と伴侶の子供の勇者の血というのはその時点ですでに2分の1である。そこからさらに長い年月を経てしまうと、もう勇者の血なんて風呂桶の一滴の牛乳である。もちろん勇者の血は他よりも強いことを想定すると、それこそ風呂桶の一滴の牛乳のようにいかようにしてもその存在感を消せないほどであるだろうが。

いくら勇者の血が流れていようとも、ただの人間の血では勇者そのものが生まれることはできないのだろう。そのため何百年も勇者が誕生しなかったのだ。

そこでエルヘブンの血である。エルヘブンという人間界と魔界をつなぐ特殊な民の血が混じることによって、薄まってしまった勇者の血、いわゆる天空人の血が本来の力を取り戻し、勇者が生まれることになったのであろう。

厳密にいえば5主人公は純粋なエルヘブンの民ではなく、半分はただの人間の血が入っているが、それでも長い年月で薄くなった勇者の血を取り戻すには十分な効力があったのだろう。エルヘブンおそるべし。エルヘブンの民というのは、勇者をもうちょっと生まれやすくするためにマスタードラゴンが作った救済システムなんではないかとすら思えてくる。なんだ「勇者をもうちょっとうまれやすくする」ってと思うが、マスタードラゴンだったらやりかねない。トロッコでぐるぐる回っていても、なんだかんだ神様なので。

 

さて、最後にドラクエ6。まず、ドラクエ6はドラクエ4より前の物語であることが大前提である。つまり、時代は6→4→5の順番になっている。

ドラクエ6には職業としての勇者は存在するが、主人公が唯一無二の勇者なのかと言われると難しい。伝説の武器防具を装備できるため特別な存在であることはわかるが、果たして。

そしてここで重要なのは、6主人公の子孫がドラクエ4の主人公なのか、それが疑わしい。ゼニスの城(クラウド城)にいた下界に憧れる女性が4主人公の母ではないかという説があるが、そうなると6主人公とその城の女性が結ばれるのだろうか。ゼニスの城はのちの天空城であるわけだから、そこの住人が天空人になるのだから。

しかしそれはあまり想像ができない、そもそもエンディング後6主人公はゼニスの城を訪れることはできないだろう。じゃないと最後のバーバラとの別れがなんだったんだよという話になる。こういうわけでは、6から4の血筋的なつながりは別にないのではないかと思わせる。

天空人と人間の血が交わることで勇者が生まれるわけだから、6から4に血のつながりは必要ないのかもしれない。

 

 それよりも何よりも、天空人だなんだが関係ない6主人公がなぜ伝説の武器防具を装備できるのかが不思議である。これまでの勇者が生まれる条件を考えると、彼は本当にただの人である。なぜ彼は選ばれしものなのか。ルビス様に選ばれたから?

一つ仮説をあげるのであれば、ドラクエ6においての天空人というのは、つまり夢の世界の住人であるともとらえられる。夢の世界と現実の世界の人間が交わることが、天空人と人間の交わりに例えられるのではないだろうか。

夢の世界の自分と、現実の世界の人間の合体がそれを表すのでは?と。

ハッサンとミレーユもそれに該当するが、6主人公のそれとは少々事情が違う。二人は合体することによって本来の自分を取り戻したが、6主人公は乖離していた時間が長すぎた。そのため本来の自分に戻ったというよりかは、夢の世界の自分を元に新たな自分が形成されたといってもいいかもしれない。夢の世界の自分と現実の世界の自分が交わることで、どちらの要素も持つ新たな自分が生まれたのだ。

これが天空人と人間の交わりにより生まれた勇者なのかもしれない。そのため、6主人公は特別な存在であると。旅の最初の時点では、それこそなんでもない人間だったものの、ここまでの軌跡をルビス様は予見していたためお告げを出したのかもしれない。

ただ、この仮説の弱いところは、現実世界の自分と合体する前に伝説の武器防具を装備することができることである。シナリオを進める順番が比較的自由なドラクエ6ゆえに、このような矛盾が生じてしまう。なので、あくまでも仮説だ。

 

以上が天空シリーズの勇者の血筋に関する私の考察である。

是非他にも色々な考察を聞きたい。

 

(文・やなぎアキ)

 

関連記事

www.dq-free.com

www.dq-free.com