ドラクエキャラで商売に励んでいる人と言えばトルネコさん。
彼は元々レクイナバの武器屋に雇われていたいわゆるサラリーマンであるが、一念発起、自分の店を手に入れるために冒険の旅に出る。
そしてエンドールというドラクエ4の中では1、2を争う大都会にて起業、念願の自分の店を手に入れる。
これがドラクエ4第3章のあらすじだ。なんとも夢のある話である。
しがない雇われ商人でしかなかった男が、大都会に自分の店を開き、家族は幸せに暮らした。
その後はご存知の通り、トルネコは伝説の武器を手に入れるため家族をエンドールに残したまま再び旅に出るわけだが。
しかし、これ、エンドールで店を開こう!というのはなかなか度胸のいる決断である。夢を見るならでっかく!というのは理解できるが、現実的に考えると厳しいものがあるように思う。
なんせ競合他社が多すぎる。
大都会であればたしかに買い物をしてくれるお客さんは多いかもしれないが、それだけ他の店も多いというもの。競争に勝ち多くの顧客をゲットするのは難しいだろう。
さらに家賃も高そうだ。店を構えるならどーんとでかく、人通りも多い場所が理想だが、そういうところは家賃が高い。もしくは土地代。
エンドールに店を開くというのはちょっと無謀である。ましてや大してノウハウもないのだ。
うまくいったのは正直トルネコというよりもネネの力が大きいだろう。
では、どこでなら商売を安心して始められるだろうか?
競合他社も少なそうで家賃も安そう、というのであれば人里離れた村という選択肢がある。
しかしこれはあまり成功しなさそうだ。
人里離れた村はたしかに店もあまりなさそうだが、そもそも閉鎖的な場合が多い。カボチとかカボチとかカボチとか。外から来た人間が急に店を開いたとしても受け入れてもらえるとは思えない。村にいる人村にあるものですべてが完結しているので新しいものが入る余地はないだろう。
港があって交易が盛んそうな海辺の町という選択肢もある。エンドールのような大都会よりは家賃も安い可能性がある。
しかしこれも難しいかもしれない。
港から商品を仕入れられるほどのコネクションが果たしてあるのか、と言われると厳しい。港があるほどの町は他よりも珍しいものを売っている店が少なからずある。そんな店よりもよいものが仕入れられるのか。いやーどうなんでしょう。
こうして色々考えた結果、大してノウハウもない人間が商売を始められそうな街を何とか見つけた。
同じくドラクエ4の町、というか村であるイムルである。
そもそも武器を売ろうというのがナンセンス。大体の集落ではすでに武器を売っているものだ。なぜわざわざ自分から敵を作っていくのか。
さらには外から来た自分がいきなり店を開いて、そこに暮らす人々にうまくなじめる保証はない。最初は皆新しいものに飛びつくかもしれないが、そこでリピーターをうまく獲得できなければ結局今まで贔屓にしていた店に戻るに違いない。
そんなときにイムルだ。
イムルにはドラクエには珍しい学校がある。
そう!子どもに向けた店を開くのだ!
駄菓子屋だ!駄菓子屋なのだ!学校帰りに気軽に寄れる駄菓子屋!
まず子どもに自分の店を受け入れてもらうのだ。いきなり大人相手に商売を始めるのではない!地域の子供の信頼を勝ち取ることにより、新たなビジネスチャンスを作り出すのだ!
エンドールで一攫千金よりは夢がないかもしれないが、現実的ではあるだろう。
土地代や家賃も安そうだ。
学校と子供たちの家の中間地点に店をかまえ、下校中の子供たちに買い物をしてもらう。子供たちのネットワークはあなどれない。うまく話が広まってくれればすぐさま学校中の子供たちが立派なお客様になるだろう。
ここでうまいこと稼いで、商売人としての経験値も手に入れて、そのまま城下町バトランドに進出するのもいい。そうしたら今度は王宮で働く人たちを相手に商売を始めるのだ。
ゆくゆくは王家御用達のなにかしらの商人になれるかもしれない。今後の展望は堅実かつ明るい。
他にはどんな町で商売を始めるのがいいだろうか?
(文・やなぎアキ)
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