
前回のあらすじ
わたぼう様と一緒にモンスターランドを訪れた私。
そこはなんとゾンビの巣窟だったー!カンダタも巻き込んで大ピーンチ!
しかもこの遊園地は30年前に閉園していたのだった!

ん?カンダタが黙っていますね。

何を見ているんでしょうかね?

おおお?び、びっくりしたぁ。な、なんだ?人形ですか?これ。

綺麗ですけど……大きいですし、こんな古ぼけた館の中だからかけっこう不気味じゃないですか?わたぼう様は平気なんですか?

マスコット!この怖いのが!自動人形ということは、動くということでしょうか。怖いな……。


うわ、やっぱり盗みを働きに来たんじゃないか。しかしそうか、この人形はもう動かないんだな、ちょっと安心しました。

ああーーー!!わたぼう様が怒ってるーー!カンダタ!いますぐ謝れ!すぐ謝れ!ほら!ほらほらほらほら!
このままだとお前ただじゃすまないぞ!

ん?あれ?ど、どうしたんですか?元気がないだなんて、珍しいですね……。

な、なんかわたぼう様の様子がおかしいな?いつものあのどす黒い圧のあるオーラも出ていないし……。

え?え?どうしたんですか?怖いんですけど!怖いんですけど!?

えええええええええ!ゾンビに噛まれたんですか!そういうことなんですか!

うわ、まじじゃん!

えーーーー!やったー!!あ、違うんです、間違えました、あの、これはですね、あのですね。

そ、そうだな!もうだめだもんな!そうしよう!見捨ててもしょうがないさ!

そ、そうだぞ!カンダタ!それを見捨てるなんてとんでもない!あ、今それって言ったのは違うんです。違うんですよ。

そーだそーだ!カンダタ!お前最低だぞ!
(助けろって命令したのはわたぼう様ですけど、実際に助けたのは私ですよ?)

おい、お前の奴隷になった覚えはないぞ?

は、はいぃぃ!助けます!助けますから!まかせてくださいぃ!

(ちっ)
よし!ゾンビたちを蹴散らしながら探そう!

うわぁぁぁぁぁ!……あ、ちょっとかわいい。

うわぁぁぁぁぁぁ!こいつ、他のゾンビと違うぞ!

ハァハァ……そうだ!観念しやがれ!

おう!そうだ!早く宝をよこせ!そして出口を教えろ!

あ、えーと、それとわたぼう様も救うんだぞ!

そーだそーだ!くそぉ、こぶんさえいなければ自由が手に入るかもしれないのに……何でもありません。

管理しているだけって……。マネジメントするやつに何の責任もないと思っているのかこいつ。わたぼう様みたいなやつだな……いえ、ほんと、なんでもないです。

ある者の夢……?

なるほど、その夢を見ている諸悪の根源がいけないんだな。

そうだそうだ!もったいつけていないでさっさと教えろい!
助けるってなったら早めに助けないとあとが怖いんだよ!!!

おん?誰だ?

なんだカンダタ!わかったのか!

うわぁ、わたぼう様!わたぼう様がよくわからないことをしゃべっている!いえ、笑ってませんよ、笑ってませんからね!フフッ


そうだそうだ!こんな館に黒幕がいるっているのか?

うわぁ!これはまずい!正直いつものわたぼう様の方が100倍くらい怖いけど、これはこれでやばい!

そういうのいいから早く教えろ!助けるのが遅れれば遅れるほど私の命が危ういんだって!


ん?どうしたんだカンダタは。人形なんかに話しかけて。

キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!



そ、そうか……遊園地のシンボルだった彼女が、かつてこの遊園地が賑わっていたころを思い出して、その夢を見ているのか……。そうだったんだな……。その割には怖い夢だけど。

そして、彼女自身も夢を見ることにつかれてしまったんだな……。

カ、カンダタ……お前たまにはいいこと言うんだな!たしかにそうだよな!

よぉし行くぜ!お前なんてわたぼう様に比べたら全然怖くないぜ!!

さぁデスマドモアゼル!いい加減夢から覚めな!!

デスマドモアゼルを倒したことで、遊園地のゾンビたちがどんどん浄化されていっている……!

よかった……これでこの悪夢も終わりだ!

ああ~~~~。わたぼう様~~~。よかった、ゾンビ化が解けたんですね~~~~。

ええ、もうそうですそうです。わたぼう様を助けるために私は必死にゾンビたちと戦いまして、時には逃げようとするカンダタを一喝し、こぶんたちをとりまとめ、それもこれも大切な大切なわたぼう様を助けるためでございます。ええ本当に。

うるせぇカンダタ!

デスマドモアゼルも、ただ楽しかったころの遊園地に戻ってほしかっただけだったんでしょうねぇ。
もうこれでお別れか……

ん?どうしたんだ、カンダタ。


そ、そうだったのか、カンダタ。だからやけにこの遊園地に詳しかったんですね。
カンダタにも子供の頃があったとは驚きですねぇ。

そうか……。盗みは絶対にだめですけど、このデスマドモアゼルは子供だったカンダタにとっての夢だったようですね……。だからここにわざわざこんな遊園地に来ていたんですね。


そうだよカンダタ。このモンスターランドはもう閉園しちゃっているんだ。かつての輝きは戻ってこないんだよ。

ええ?なんだってぇ!?

そんな、カンダタ、お前ってやつぁ……

めちゃくちゃ最高じゃねぇか!

男前ーー!どうせならこんな人のもとで働きたい~~~。あ、すいません、何でもないです。何も言っていないです。


まさかこんな提案をされるなんて……デスマドモアゼルもびっくりしてますね!

お前めちゃくちゃかっこいいな!

そうですね!わたぼう様がそうおっしゃるのでしたら、私いくらでもお手伝いしますよ!ええもう!わたぼう様がおっしゃるなら!


え?あ、本当ですね。
あれ?てことはもしかして……。





(文・鎖骨戦士ヤマネ)
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