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【システム】説明書を読むのが好きだった。

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ゲームを買って一番にすること。

それは説明書を読むことだった。

紙でできた説明書だ。

 

 しかし最近のゲームは説明書が全くつかなくなってしまった。ゲーム内に内蔵されていたり、操作方法だけを明記した簡易的な説明書だけになってしまった。

 

たしかに説明書を読まない派の人もいる。プレイしながら覚えるというのは間違いではない。

しかし、それでも説明書を読むのが好きだった。

 

子どものころ、ゲームを買ってもらった帰りの車の中で、早く早くゲームをしたいという気持ちを抑えきれずに説明書をとにかく何回も読んだ。

家に着いてからも、いきなりカセットを差し込まずにまずは説明書を熟読した。どんな物語なんだろう、このキャラクターはどんな人物なんだろう、このアイテムはいつ手に入るんだろう。何度も説明書を読み、気持ちが最高潮に達したときにようやくゲーム機の電源を入れた。

 

暇な時もとりあえず説明書を読んだ。ゲームをしなくても手軽にゲームの世界に入れた。

 

ドラクエの説明書も幾度となく読んだ。 

 

簡素な世界地図から始まる説明書。これからこの世界でどんなストーリーが繰り広げられるのか考えてみたり、地図上の地形から「ここは終盤に行きそうだな……」と考えてみたり。

そして冒頭に書いてあるストーリー。数百年前大魔王が~というようなことが書いてあったり、謎を解き明かすんだ!と勢いづいていたり。

 

そして、公式ガイドブックとは違う仲間たちの公式イラスト。なんとなく見た目でこんな感じのキャラクターかな?と予想したりする。ハッサンはあんなに気さくなのに、説明書だけ見ると気難しそうな筋肉男にしか見えない。それは公式ガイドブックも同じだけど。

 

イラストと言えば、ちょっとだけ描いてあるアイテムも欠かせない。大体やくそうなどの基本アイテムと武器防具が少し、さらには種や木の実。なぜか種と木の実は欠かさないイメージだ。重要アイテムではあるが、どうしてだろう。そしてアイテムのイラストは大体渋めのテイストで描かれている。公式ガイドブックのスタイリッシュなテイストとは違う説明書クオリティだ。あれがたまらなく好きだった。

 

そして説明書中に描かれるかわいいイラストたち。ゲームシステムをコミカルに説明してくれる。

電源の切り方について、リセットボタンをぼーっと押そうとする主人公を、「だめよ!押しちゃ」と止めるビアンカ。FCからSFCに移行したドラクエ5の説明書ならでは。ドラクエ6ではバーバラが「リセットボタンは絶対に押さないように!」と書かれた看板を持っている。

転職システムの説明では、ハゲ頭のかつらをかぶった本編からは想像もつかないほどひょうきんなマリベルが描かれている。マリベル、よくこの役割を引き受けたなと思ってしまう。

 

ドラクエの説明書で思い出深いのは、最後の方に書いてある旅の心得的なところの「まだいける!はもう危ない」。HPが減ってきてはいるが「まだいけるだろう!」と無理をしてしまうと、思わぬ強敵に出会って全滅、ということもあるかもしれない。そうならないためにこまめに宿屋に戻って回復しよう、ということだ。

この「まだいける!はもう危ない」は何か心にぐっとくるものがあった。「そうか、まだいける はもう危ないんだな……」とただ馬鹿正直に感じていた。これは今も馬鹿正直に繰り返したりする。

そうか、まだいける はもう危ないんだな……。

 

 

そして説明書というのは大体なくす。

大体なくしてしまうのだ。今手元にある説明書は少ない。子供のころは説明書の価値なんてそんなものだった。今なら大事にするのに、と悔やまれる。

なくさなくとも、ボロボロになる。説明書はそういう運命だ。

 

あの短い冊子に冒険の基本がすべて詰め込まれている。そこには、この情報は必要かこの情報は不要か、そういった綿密な取捨選択が感じられる。あれは一つの文化だった。

 

今はゲームを始めるときに長時間のダウンロードを求められることが多い。そんなときにゲームを始める前の気持ちを最高潮に持って行ってくれる説明書の存在が恋しくなったりするものだ。

 

(文・やなぎアキ)

 

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