前回までのあらすじ
じじいの文句を聞きながら宿屋で夜を明かしたモガマルたち。
りゅうおうの城に行くためには虹のしずくが必要なのだが……。すると宿屋の主人が、雨と太陽が合わさるときに虹の橋ができる、と情報をくれた。これが意味するものとは……？
前回
第六十話 急に町がピンチだぞ！
雨と太陽が合わさると虹の橋がかかるのかぁ、これはいい情報を聞いたなモガマル！
どういうことかわからないけど、この情報をもとに虹のしずくを探すぜ！
よっしゃ、そうと決まればこの町を出発だ！
お？なんだ？宿屋の主人か？
あ、違う、似てるだけで別の商人か。すごく良く似ているなぁ、太っているし。この町で商売をしている人はみんなあの体格になるんだなきっと。
で、何をそんなに必死な形相でこっちに来たんだい？
ほら、モガマルもびっくりしているぞ。
目玉が飛び出すほどだぞ、これはよほどびっくりしているってことだ。生半可な事件だったら承知しないからな。
それで、そのよほどびっくりなことは一体なんなんだ！
ままままままままま魔物！それは一大事じゃないか！そりゃこの商人もひええええ言いながら走ってくるわ！
ただ、その割には商人の顔に余裕の表情が生まれているがな！日常茶飯事かのような余裕の表情がな！この町、ひょっとして日常的に魔物に襲われていて、このおじさんは魔物が現れたぞひええええって言う役割を担っているじゃないかな、と思えるほど余裕の表情。
いや、モガマルの位置から魔物を確認できるほどにもう町の中に入ってきているのか。てことはこんなに悠長にしゃべっている場合じゃない！
いそがなくちゃ！この危機を救えるのはモガマルしかいない！なぜならモガマルは勇者だから！
おお、自分で言っちゃうんだ。さすがモガマル、そういうとこ大好きだぜ。ヒーロー参上！のノリだぜ。
「この町の人を救え！」ていうのも、タイトルコールのような、クエストのような、いかにも効果音が入りそうな言い方だぜ。
ぜひ颯爽と登場して「私が来た！！！」って言ってほしい。
よーしさっそく魔物を倒すぜ！
──
倒したぜ！
わざわざ姿を残しておくほどでもないくらいに弱い魔物だったな！
バトルシーンなんて時間の無駄なくらいに弱い魔物だったな！
そしてこのモガマルの自画自賛である。いつもは「おいら」なのに人格も変わるほどに勇者になっているんだ。そう、謙遜は美徳なんて言葉はモガマルの辞書にはない。多分謙遜という言葉も美徳という言葉もそもそもモガマルは知らないだろうしな！
これでなんとか魔物も倒したことだし、いよいよ虹のしずく探しに行くぜ！
次回予告
とうとう虹のしずくを探すことにしたモガマル。
しかし雨と太陽とは何をさすのか？途方にくれていると、謎の老人がモガマルの前に現れた！
次回、「雨雲の杖、ゲットだぞ！」
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ！
（文・やなぎアキ）
次回
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