名作「ダイの大冒険」は、そのストーリーの重厚さも勿論のこと、心を打たれる名言の数々も魅力です。
今回はそのなかからフレイザード戦で、クロコダインがヒュンケルにかけたアツい言葉たちを紹介していきます。未読の方はご注意ください!
武人同士として互いにリスペクトをもっているクロコダイン・ヒュンケルのコンビはダイの大冒険のなかでも人気のコンビでしょう。
彼らだからこそ伝わる「何か」というものがある気がします。
まずは瀕死のヒュンケルを救った際のクロコダインの一言。
ヒュンケル「バ…バカな… オレは おまえを殺そうとしたんだぞ… そのオレをなぜ…!?」
クロコダイン「(以前)おまえがオレの手当を命じたのも武士の情け… 情けには情けをもってこたえねばならん」
めちゃくちゃカッコいい。そしてアツい。
なんだこの武士道!
情けを受けたらしっかりと情けでこたえる。これは敵味方に関係なく存在すべき「情け」ですね。まさに情けは人の為ならず……。
こういうセリフをさらっと言ってしまえるクロコダインが好きです。
続いては、過去の罪を思い「どうせならば死んでしまいたかった」と言ったヒュンケルへの言葉。
クロコダイン「…ヒュンケルよ… オレは男の価値というのは どれだけ過去へのこだわりを捨てられるかで決まると思っている」
クロコダイン「たとえ 生き恥をさらし 万人にさげすまれようとも 己の信ずる道を歩めるなら それでいいじゃないか…」
カッコいい。
過去に対する負の感情を引きずることなく、さっぱりと前向きに生きていきたいものです。
クロコダインは決して「過去を捨てろ」「過去を忘れろ」と言っているわけではありません。それならば過去に助けてもらった「情け」を返そうと思うわけがありません。
ただ彼が伝えたいのは、前向きに生きていこうという話なのです。
たとえ過去の話で後ろ指を刺されようとも、今自分が「正しい」と思っていることを、しっかり胸を張って自信を持って取り組んでいけることが、素晴らしいことなのです。
現代は特に、過去の言動を掘り起こされる機会も多くなりました。
しかし今の自分の歩む道が過去の自分の信念と異なる道だったとしても、そうした指摘を必要以上に気にすることなく、ただ自分の信じている道を歩んでいくことがだけで「それでいい」と思って良いということなのです。
まさに今の人々に届けたい名言のひとつだと思います。
続いては、立ち直りダイたちを助けに行くと決めたヒュンケルのもとに、破壊されたはずの武器が完全な状態で戻ってきてくれた時の、クロコダインのセリフをご紹介しましょう。
クロコダイン「そうだ!おまえが闘志を失わないかぎりその鎧も また不死身なのだ!!」
破壊されたはずの武器が急に空を飛んで持ち主のところに戻ってくる強引な流れに「???」となっている読者に対して、何一つ論理的な説明をせずに精神世界の話をするクロコダイン。「純文学か?」とのツッコミはいけません。
闘志を失うな、というメッセージを力強く、それを鎧と絡めて強くヒュンケル、さらには読者に呼びかける、非常に素敵なセリフだと思います。
そうです、我々は闘志を失わない限り、どこまでも進んでいけるのです。
過去にとらわれすぎず、前を向いて、闘志を燃やして日々を過ごしていきましょう!
アツいぜ!
クロコダイン!
〜おまけ〜
ヒュンケル・クロコダインが寝返ったと知ったハドラーが、ヒュンケルに向けて放ったセリフ
「し…信じられん…!!貴様は ともかく クロコダインまでがダイたちに寝返るとは…!!」
(文・OGTキシン)
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