ドラゴンクエストのモンスターは、モンスターとしての恐ろしさと、どこか憎めないかわいらしさが絶妙に同居していると思います。
特にドラクエ1のモンスターたちのデザインの秀逸さときたら……さすが鳥山明氏と言わざるを得ません。
今回はドラクエ1に出てくるモンスターたちをじっくり見ていきましょう。
ちなみにスライムやドラキーはいません。逆にいません。
がいこつ
ああ~。そもそもネーミングが秀逸です。がいこつて。そのまま!!
がいこつってがいこつなのでお化けっぽくて怖いイメージがありますけど、ドラクエのがいこつはかわいいです。口を大きく開けて笑っているのも、頭が長いのも素敵。
あと何気に上等な感じの服を着ているのが、生前もしかしていいとこの方だったのでは?と思わせたり。生前があるのかわかりませんが。
チャームポイントは紫のタイツかな?
こちらはかげのきし。黒くしただけの省エネデザインですが、これだけで明らかにがいこつよりも強い敵だというのがわかるのがすごいです。
こいつは明らかに生前とかなさそうです。
まほうつかい
またしても秀逸なネーミング。そしてこのデザイン。
ローブをまとって隙間から目をのぞかせているだけなのになぜこんなに魅力的に仕上がるのでしょうか。目だけ覗かせているといかにも不気味なモンスターになりそうですが、どことなく眠そうな目のせいか全然不気味じゃないのかわいいです。
肩がめっちゃ上がっているので、いつも力を入れていて肩が凝っていそうだなぁと思います。
こちらはだいまどう。上位種のためか、まほうつかいとは違って杖を持っています。格が違うんだよ!!
でもなんとなく、杖もなく魔法を使える方が強いような気がします。お前、杖もなしに魔法が使えるのか!?みたいな。
リカント
いわゆる魔獣ってやつですが、服をちゃんと着ている点から文明を感じます。その割に顔が思いっきり獣なので知性は感じません。不思議なバランス感。
お鼻がかわいいです。
青い体というのは攻めていてとてもよいですね。
上位種のキラーリカントです。
先ほどのだいまどうも黄色っぽい色でしたね。ドラクエ1では黄色が強者の色なのでしょうか。
ちなみにまほうつかいとだいまどうの間のまどうし、リカントとキラーリカントの間のリカントマムルはどちらとも赤茶色っぽい色です。統一性がすごい。
よろいのきし
後続作品のさまようよろいに出番を奪われたイメージがあるよろいのきしですが、色彩豊かで結構好きです。
青い鎧に真っ赤なモヒカンと拳。持ち主はきっと名のある騎士だったのでしょう。その割に武器を持っておらず、拳だけで戦うぜ!という強い意志を感じます。
鎧だけのモンスターなのに、なんとなく一緒に飲みに行ったら楽しそうと思うのは私だけですか?
キメラ
キメラはプレイ時にけっこう苦しめられました。メイジキメラもスターキメラも強かったです。
見た目からも明らかに邪悪なオーラを感じます。目つきがやばい。まさにモンスター。めちゃくちゃ遭遇したくない。
端っこがきゅいって曲がっているなど、細かいところにこだわりを感じます。
ゴーレム
ゴーレムぅぅぅぅ!!
ゴーレムはファンタジー作品では定番モンスターですね。ゴーレムは実際は泥でできた人形なので、他作品ではどういった特徴を押し出したデザインが多いです。が、ドラクエではまさかのレンガをくみ上げたようなデザイン。要塞都市メルキドを守る戦士という意味では、非常にしっくりきます。
スライムが持つ通常のイメージから大胆な改変を行った鳥山明氏の画力はゴーレムでも表れていたのですね。
ドラゴン
言わずもがな、ドラゴンです。
ドラゴンといえば神々しくて羽が生えていたりして、神としてあがめられたりもしますが、ドラクエのプレーンなドラゴンはけっこう愛嬌があります。
これ以降ドラクエ作品で登場するドラゴン系モンスターは、やはり羽が生えていたり大仰でかっこいいドラゴンが多く登場しますが、このシンプルなデザインのドラゴンだけが「ドラゴン」を名乗ることができるというのはなかなか熱いです。
シンプルだからこその良さが詰まっていますね。
こちらは上位種のキースドラゴン。
エラ?のオレンジがおしゃれです。
そしてこちらがさらに上位種のダースドラゴンです。
元々は「ダークドラゴン」の予定だったのが、ファミコンの文字制限により「ダース」にせざるを得なかったという話が有名ですね。でも「キース」と「ダース」でなんとなく語感が合っているのでいいと思います。
それにしてもやっぱりドラクエ1の世界は黄色っぽい色が強さの証なのでしょうか。
本記事で紹介するモンスターはここまでです!
初期のモンスターは最近の新モンスターに比べてシンプルなデザインであることが多いですが、それだけに洗練されているなぁと改めて思いました。
では最後に怪しい瞳を使ってくるりゅうおうさんでお別れしましょう。
スヤァ……。
(文・やなぎアキ)
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