「私よ!幼なじみのエマよ!」でお馴染みの幼なじみのエマ。
自他共に認める勇者大好き女の子。
16歳になったからか、いよいよ村の人たちに今後について色々言われる。まんざらでもない様子。
そうよ、おばさま!私と彼はとっても仲良しなの!
16歳になったから、いつでも結婚していいのよね!
でもここで自信満々に「そうよ!」と答えるとなんだか面白みに欠けるから、ちゃんと焦っておくわ、私!でも、本当はまんざらでもないのよ。
儀式だけじゃなくって、今後の人生だって力を合わせて挑んでいくつもりよ!楽しみね!
そうよ!私が幼なじみのエマよ!
これからの人生も、ずっと守っていってほしいな。幼なじみとしてだけじゃなくて……なんて自分で言うのは恥ずかしいわね!
ええ、おじいちゃん!もうすっかり大人だわ!つまりいつでも結婚できるってことね!次は成人の儀式じゃない式をしたいものね!
ちょっとやだぁおじいちゃんったら、気が早いんだから!でも気が早いのは悪いことじゃないわよね!
おじいちゃん公認なんだから、なんの障害もないわね!
もう!こんな外で私たちのことを話されるなんて恥ずかしいわ!
なんの話か秘密にしたってわかっちゃうわよ!私たちのことで話すことなんてそれくらいしかないもの!
おばさまったら~。
お嫁さんになる「かも」だなんて!他の可能性なんて考えられる?この村にライバルなんていないじゃない!
こんなに村の人たちにも応援されているんだもの、もう明日にでも式を挙げてもいいくらいね!でもそれはまだちょっと早いかな?どうせこのままずっとこの村で暮らすんだもんね、いつでもいいんだもんね!
今日は色んな人にからかわれちゃったなぁ。大人になっていよいよ現実味を帯びてきたからよね!
村をあげての後任の仲だものね!
そうだ!早くぺルラおばさまに、儀式のときに起こったすごい話を聞かせなきゃ!
(私の未来の旦那様ったら)すごいのよ!
ね!すごいでしょ!これだけ強いんだもの、十分家庭を守っていける一人の男になれたわよね。
明日からの村の警備もばっちりね!
え?どうしたのぺルラおばさま。
改まっちゃってどうしたの?
はい?
なぁにそれ?そんなの私知らないわ。
わからないのに、使命を背負ってるの?なぁにそれ?それってどういうこと?
あ?
待って待って待って。寝耳に水。ねみみみみみみにみみみみず。急。急すぎない?
私、さっき儀式を終えて、大人になって、「早くくっついちゃえよー」って村のみんなから突っつかれて……
え?急すぎない?
もうムリ……昨日の朝までご機嫌だったのに……。今までずっと一緒にいたのに……。
せめて彼がすぐ戻って来てくれるように念をこめたお守りを作ることにするわ……。
帰ってきて帰ってきて帰ってきて帰ってきて帰ってきて。
無事に無事に無事に無事に無事に無事に無事に無事に。
なお、11Sでは勇者の結婚相手はエマとは限らない。
(文・深々シン)
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