ドラマなどであるようなNGシーン集が好きだ。
台詞をトバしてしまっているところなんて、なんだか可愛らしい。まさに舞台裏といった感じで特別感がある。
例えば、ドラクエ11でもそんなシーンがあるかもしれない。
ところ変わってこちらユグノア。
グロッタの仮面武闘会を終えたあと、優勝賞品を奪って逃げたロウ&マルティナを追いかけユグノアの城跡にやってきた勇者たち。
そこにはロウが待っていた。
「お主らが来るのを待っておったぞ」という台詞は、老人が言うからこそ重みが出る。
さぁ、お前の言う通り来たんだから、優勝賞品の虹色の枝を返してもらおうか。
…………。
え?いや、だからさ、返して?黙ってないで返して?時間が惜しいんだけど?
あ、はい。そうですか。いえ、こちらも虹色の枝取られたままでは困りますから……。
というか、さっきのあの間はなに?必要?さっさと話を進めてくれい。
わかる?こっちはね、虹色の枝が必要なの。そのためにわざわざ武闘会出たんだからさ、早く返してくれない?
お?なんだ物知り顔にひげを触りながら……。
え?いや、「ちょっと待って」みたいなその手何?
「うーんと、ちょっと待ってね」みたいなポーズ何?
だからね、こっちは虹色の枝が必要なんだよ。
そう!そうなんだよ!
……って、このじいさんもしかして、自分が何を言うか忘れちゃってる?いやいや勘弁してくれよ。何、一回仕切り直しましたみたいな顔で、台詞言い直してるんだよ。
ほらほら、時間ないんだからもっとぱっぱかぱっぱか話を進めてくれよ。
……うわぁ~、めちゃくちゃ目を細めて、記憶の奥を探っている顔だ。次の台詞なんだったかなぁって頑張って探している顔だ。
ほら、頑張って思いだして!おじいちゃん!
いや、トバしてる~~~。
絶対次の台詞はそれではない。絶対その台詞を言う前に勇者になにかしら言及があるはず。
こいつ、途中の台詞忘れたから、一旦自分が知っている台詞でごまかそうとしてきたぞ!
ああ~、そのまま勝手に話を進めちゃうんだ。勝手だ。老人だけあって大物なのだろうな。このおじいちゃんの暴走を誰にも止められないんだ。
まぁいいや、「辛い思い出が多く」……なんなんだろう?
ああ、また止まった。すぐ忘れるなこの人は。強がらずに一回止めてもらえばいいのに。無理して続けようとするのはいけないよ。
ほら、「思い出が多く」?
…………。
いや、「てのう」だけなんかい!!!
むしろどうやって忘れたんだよ!「てのう」思いだすためだけに随分時間を使ったな!
いや、歩き出すなーーーー!!!どんだけ自由だーーー!!
カットだカット!撮り直しを要求しまーーす!!
(文・リモート侍)
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