ドラクエの仲間キャラで初の女性キャラとして登場したのがムーンブルクの王女。
ムーンブルク国の王の一人娘であり、王女らしい豊かな巻き毛が美しい女性だ。
その巻き毛はそれはもう美しいブロンドで……
え?
なんだなんだ?
暴動が巻き起こらんばかりに人々が声をあげているぞ。
なんて言っているんだろう。
なになに?
「ムーンブルクの王女の髪は紫だろーー!!」
そしてここに、ムーンブルクの王女、金髪と紫髪どっちがいいか論争が幕を開けたのだ!!
ムーンブルクの王女が世に出たのはドラクエ2の発売と同時、つまり1987年だ。
ゲームのパッケージにはロトの子孫3人とハーゴン、さらにはラスボス・シドーの姿が。
そのパッケージの中でのムーンブルクの王女はというと。
紫である。
真っ赤な頭巾に、ピンクのローブを身にまとい、さらに髪色は紫である。同系色でまとめてきている。
そう、最初はムーンブルクの王女の髪の色は紫なのである。ドラクエ2発売当初からプレイしてきた人たちにとっては、ムーンブルクの王女の髪の色は紫なんだと主張したくなるだろう。これこそが正史であると。至極真っ当な意見だ。私もそう思う。
MSX版もMSX2版も当然紫だし、小説などの2次創作についても紫だった。
が、私は金髪派。
金髪のムーンブルクの王女の登場は1993年、SFCでドラクエ2がリメイクされたときである。
それがこちら。
キャラデザが全員大人っぽくなった。また服装もそれぞれ変更がある。男性陣はインナーが黒くなった。また王女は、真っ赤な頭巾が紫になり、ローブもピンクから白に変更になった。
そして金髪である。
突如金髪である。
なぜ。
キャラデザが大人っぽくなったり服の色が変わるだけならまだしも、髪色までもが。しかも王女だけ。何があったのだ。遺伝子組み換えありだ。
これにより、ムーンブルクの王女は仲間キャラクターの中で髪色を二色持つ、スーパーサイヤ人のような存在になったのだ。
あなたはどちらの王女が好きかな?
さて、紫髪も金髪も公式であることには変わりないのだが、世の中的にはどちらが主流なのだろうか?
やはり最初は紫で登場したのだから、紫であるべきだろうか?
しかしここでちょっと待ったぁ!!
以下はファミコン版ドラクエ2のパッケージの裏である。
き、き、き
金髪だぁ~~~~。
あとなんなら、3人の服装も表パッケージではなくリメイクのデザインと同じだぁ~~。
そう!さきほど、リメイクになったとたん王女の髪が金髪になったよ~と書いたが、違うのだ!パッケージをひょいと裏返した瞬間から、突如金髪になったのだ!
6年の月日をかけて金髪になったのではない、ひょいと裏返して1秒!1秒で金髪になったのだ!
これは一体どういうことか。キャラクターデザインを担当している鳥山明氏に何が起こったのか……。
紫はファミコン世代、金髪はそれ以降、だと思っていたが、そもそもファミコンのころから王女は金髪であったようだ。
当時はどうだったのだろうか。一般的にムーンブルクの王女の髪色はどちらで認識されていたのだろう……。分かる人教えてください。
そして、その後のリメイク作品やスピンオフ作品では金髪バージョンの王女ばかりが登場するようになった。
表パッケージでしか登場しなかった紫髪の王女の姿は、ほとんどみられることが無かった……。金髪の王女ばかりが可愛がられる……。
紫の髪の王女の存在がほぼ公式に忘れさられてしまったであろう頃、紫髪派の人たちはなんと肩身の狭い思いをしたことだろうか(偏見)。
しかぁし!!ここで光明が!!!
2007年、ドラクエ2発売から20年。アーケードゲームとして登場したモンスターバトルロードにて、ムーンブルクの王女の髪色が、紫に戻ったのだぁ!!ついでにストレートヘアだったりする。
(画像を用意できなかったため自分で調べてね)
そして、それを皮切りに紫髪の王女が次々と公の場に現れた!そして伝説は始まった!
「みんな忘れているかもしれないけど、王女は紫の髪でもあるんだからね!」と言わんばかりにその姿を見せたのは、2011年、ドラクエ25周年の際に発売されたWiiの復刻版ドラクエ1・2・3のOPムービーだ。
堂々たる紫色!
25周年のムービーだからこそ、ムーンブルクの王女は紫でもあるんだよ!と主張したかったのかもしれない。
当初、パッケージの表面でしか登場していなかった紫髪のムーンブルクの王女は、ここに完全復活を遂げたのである!
それからというものの、ムーンブルクの王女は紫髪になったり金髪になったり大忙しである。
こちらはスキャンバトラーズ。
こちらはシアトリズムドラゴンクエスト。
ビルダーズ2で入手できる姫の肖像画はちなみに紫髪の模様。
ひと昔前までは金髪が優勢だったムーンブルクの王女。今ようやく、金髪も紫髪も等しく公式に愛されているのがよくわかる。
恐らく金髪派も紫髪派も等しくいるはず。対等の論争を楽しめるはずだ。
それで、あなたはどっち派かな?
(文・やなぎアキ)
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