勇者「くっそぉ~、大ピンチだ!このままじゃ俺たちは全滅してしまう!かくなるうえは……。お前、メガンテ打て!!」
*「え?あ、はいいい~、メガンテ!」
──
サマルトリアの王子(以下サマル)「はい、第86回メガンター反省会を行います。今回から新しく、ユグノアの前国王であられるロウさまがメガンターに加わりましたぁ」
ロッキー「メ……でたい」
ロウ「ご紹介にあずかりました、わしがロウじゃ。メガンテ要員として、メガンテ界をよくするためにわしも協力させていただきますぞ」
サマル「ロウさま、ありがとうございます。では今回の我々メガンターの議題ですが……」
ロウ「ちょっといいかのう?そのメガンターというのはなんじゃ?」
サンチョ「メガンターというのは、メガンテを使用する者、という意味でございます。私たちしか使っていない俗称ですけどね」
サマル「話を続けますよ。今回の議題は"ぶっちゃけメガンテしろって言われたときみんなどう思っているの?"です」
サンチョ「これは盛り上がりそうですね……。では早速、ロウさまはいかがですか?」
ロウ「ふむ……。わしの場合は孫から言われるわけだがの、孫は普段は仲間思いの優しい子なんじゃ。そんな孫がわしにメガンテをしろというその時は、孫に言われずともわしがメガンテをしなければ戦局になっているということじゃ。わしの命ひとつで戦局を打破できるのであれば、喜んでこの身を捧げるつもりじゃよ」
サマル「……つもりというのは、ロウさまは今までメガンテをしろという命令を受けたことがない……?」
ロウ「そうじゃのう」
どよどよ……
サンチョ「そのような方が我々メガンテの会にいるとは!これはメガンテ界に新風が巻き起こる予感がしますな」
サマル「私たちのころとは戦い方や魔物たちが変わってきているからでしょうか。すなわち、メガンテに頼らずともなんとでもなると……。サンチョどのはどうですか?」
サンチョ「それはもう、わたくしは坊ちゃんにこの命を捧げた身でございます。このサンチョめ、坊ちゃんのためならたとえ火の中水の中!もちろん悲しい気持ちがないといえばウソになりますが、坊ちゃんの命令は絶対ですから……。
その点ロッキーさんはすごいですよ!坊ちゃんに命じられれば、一瞬の迷いもなく爆発しにいきます!尊敬に値しますよ!」
ロッキー「メ……っそうもない」
サマル「それどころか、ロッキーさんは仲間になりたてのころは命令されなくても爆発していたそうですね」
ロッキー「メ……いわくだった?」
サマル「どうでしょうね。少なくとも自らメガンテをしに行く勇気は私にはありません。今でもいやですよ、王子にメガンテしろって言われるのは。リメイクされてからは王女もザオリクを使えるようになりましたからね。彼らはピンチになるとすぐ私を頼ってきます。嬉しいやら悲しいやら」
ロウ「みな、わしよりも豊富なメガンテ経験があるのじゃな」
サマル「他の皆さんたちはどうなんですか?やっぱり自分で好んでメガンテ覚えにいっているわけなので、屁でもなかったりするんですか?」
3僧侶「王子って職業でメガンテ覚えた勢に当たり強いわよね。好きで覚えたわけじゃないわよこっちだって」
チャモロ「そうですよ、便利な魔法があるから賢者になっただけで、メガンテがなければそれに越したことはありません。メガンテをしろと命令されると辛いですよ。仲間が多い分、すぐに生き返らせてもらえるとも限りませんし」
サンチョ「おや、今回はチャモロさんが来たんですね。テリーさんではないのですか?」
チャモロ「テリーさんはさすらうのに忙しいので私が代わりに来ました。公式ガイドブックでメガンテしている挿絵があるからテリーさんが選ばれていただけで、私の世界では賢者になれば誰でもメガンテを使えますしね」
メルビン「それはわしの世界でも同じでござるよ。誰でもメガンテを使える。だからこそ、みなメガンテの怖さを知っている。それぞれがメガンテの使い手への思いやりを持っていれば、自ずとメガンテをしろという命令は出ないはずでござるがの」
ロッキー「メ……からうろこ!」
ロウ「ほぉ~、なんとも素晴らしい考えでございますな」
3僧侶「命令する側且つメガンテ使いの8主人公さん的にはどんな感じなの?メガンテしようって自分でなるのは」
8主人公 はい
▶いいえ
みんな「ほぉ~~~~、なるほどぉ!」
サマル「8主人公さんがいつも通りいい感じに締めてくれたので、今日はここまでにしましょうか。次回の日取りは決まり次第また連絡します」
みんな「お疲れ様でした~」
サンチョ「お疲れ様です。ロッキーさん、このあと飲みにでも行きませんか?」
ロッキー「メ……んどくさい」
(文・やなぎアキ)
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