ドラクエの主人公は、みんな世界を救うために旅をしている。目的は同じだ、だがそこに至るまでの動機や軌跡は一人一人違う。
そうなれば、当然旅のモチベーションも変わってくるのではないだろうか。
もちろん、勇者(勇者じゃない人もいるけど)たるもの、世界を救うために全身全霊をかけてはいるだろう。そこに差などあってはいけない。
だがだがしかし!!ドラクエをあらゆる角度から見てみよう!というコンセプトから成り立っているこのサイトでは、そんなちょっとやらしいことも考えてみたりしちゃうのだ!我々だって普段は当然「ドラクエの主人公はみんな全力で旅をしているぞ!」スタンスだが!たまにはこういうことも考えちゃうのだ!
さて、一通りの言い訳も済んだので、ナンバリングタイトルの主人公たちのモチベーションランキングを、独断と偏見と妄想で考えてみた。
以下がランキング。
1位 8主人公
2位 5主人公
3位 11勇者
4位 4勇者
5位 9主人公
6位 10主人公
7位 7主人公
8位 6主人公
9位 3勇者
10位 1勇者
11位 ローレシアの王子
改めてモチベーションとはなにか、どうすればモチベーションが上がるのかを考えてみたあとでランキングを決めたのだが、当初思っていたような順位にはならなかった。驚いている。
ではなぜその順位なのかを説明していく。あくまでも筆者の解釈による。
その先にあるものを考える
モチベーションをあげる要因を考えてみる。色々あるとは思う。そもそも好きだから、興味関心があるから、などなど。
だがモチベーションでより重要なのは、それを達成したときにどうなるかということではないだろうか。それを考えた時、
1位 8主人公
2位 5主人公
になった。平和になった世界について思いを巡らすことは誰もが行うことであり、それが明確であればモチベーションに繋がる。そのモチベーションに繋がる未来が明確であるのが上記二人、特に8主人公。
そもそも8主人公は姿を変えられた主君と姫のために旅を始めたのだ。そして暗黒神を倒せばその呪いを解くことができるのだ。その具体的なビジョンはモチベーションに大きくつながるだろう。世界に平和を取り戻す、という抽象的な目的だけではなく、姫を元の姿に戻すという具体的な目的を持っているのは強い。
5主人公も未来へのビジョンが明確だ。なんといっても彼は二児の父。愛する妻もおり、帰りを待ってくれている国民もいる。平和を取り戻した暁には、失った8年間を埋めるように夫婦のときを過ごし、子供の成長をそばで支えていくだろう。この未来がモチベーションにつながるはずだ。8主人公ほど具体性のある未来ではないが、十分だろう。あと両親を殺されているというのもでかい。
失ってしまったものについて考える
続いての3位~6位の主人公たちは、失ってしまった大切なものゆえのモチベーションがある。
3位 11勇者
4位 4勇者
5位 9主人公
6位 10主人公
この4名は甲乙つけがたい。彼らはそれぞれ大切なものを失っている。
11勇者は大切な仲間、そして世界。
4勇者は故郷。
9主人公もまた故郷、そして自らのアイデンティティ。
10主人公も故郷だ。
悪の根源を倒す。それを達成したあとの未来を考えた方が、モチベーションは上がると思う。だが失ったものの為にあがるモチベーションもあるはずだ。
11勇者の場合は、その先にある平和のために頑張ることもできるはずだ。故郷は無事だし、(仮にエマと結婚するとして)好きな人もいる。失ったものへのやるせなさを抱えながらもなんとか明るい未来を思いながら戦える。
4勇者と9主人公は、あまりその先を考えられているような気はしない。とりあえず今、倒す。そうすることで、これまでの不幸を振り払おうとしているように見える。失ったものは、どう頑張っても戻ってこないから。がむしゃらだ、がむしゃらなモチベーションだ。悪くはないが、未来を思った方が、頑張れる気がする。
10主人公の場合は、故郷もなくなり、そもそも自分自身も死んでしまっている。憎しみによるモチベーションが大きいだろう。この点は、4勇者も同じことが言えるかもしれない。じゃあなぜ順位が10主人公の方が下かと言われると、ゲームの性質上そう見えてしまうから。なんだかんだ、楽しそうに生きているからなぁ。申し訳ない。
自分の気持ちについて考える
モチベーションを考えるにあたって、それを達成したときのことだけではなく、当然目的に対する自分の気持ちを考えるのも重要になってくる。
以下二人は、失ってしまったものや未来についても考えているだろうが、自分の気持ちというのが大きいと思う。
7位 7主人公
8位 6主人公
7主人公は、自らの好奇心のままに島を復活させ、果てには魔王までもを復活させた。全て自分の好奇心から成る結果だ。もちろん平和な世界のためでもあっただろうが、世界を救う勇者である、という明確な自覚まではなかったんじゃないだろうか。そうなると、これまでの主人公たちには少々モチベーション的には負けるのかもしれない。ただ、それをした先に何があるのかという気持ちがモチベーションにおいて重点が置かれるというのであれば、ぴか一かもしれない。
6主人公の場合は、他の主人公たちとは事情がだいぶ違うかもしれない。元々は、使命があると言われたままに世界を見るために旅を始めたが、気が付けば自分探しの旅になっていた。旅の途中、とうとう自分自身を取り戻すことができたが、それでも納得がいかない。そして居場所だと思っていたものを少しずつ失っていく。自分はどうすればいいのか、どこにいればいいのか。それがわからないまま魔王を倒さなくてはいけない。魔王を倒せば自分がわかるのか、そんなことはわからない。それどころか、魔王を倒すことで居場所を失うかもしれない。これでは上がるモチベーションも上がらない。自分がわからないものが、どうやってモチベーションをあげるというのか。
彼は、大切な仲間を守りたいという思いでモチベーションをあげているのかもしれない。それではかなり不安定だ。
考えることなんてしない
最後はモチベーションランキング最下位群。
9位 3勇者
10位 1勇者
11位 ローレシアの王子
「はぁ?伝説のロトの勇者たちがモチベーション最下位群ってどういうことだよ、おかしいだろ!お前なんか電子レンジで生卵あっためちまえ!!」
落ち着いてほしい。筆者も驚いている。この結果に。だから生卵を電子レンジに入れる愚行は避けたい。ただモチベーションはどうしたらあがるのか、ということを自分なりに考えた結果、こうなった。
彼らはみな、生まれながらの勇者だ。魔王を倒すための動機なんていらない。魔王を倒すことこそが、彼らの生きざまなのだ。そこにモチベーションとか、やる気とか関係ない。その先の未来とか、大切な故郷・人々とか、自分の気持ちとか、あろうがなかろうが魔王を倒すんだよ。乱暴な持論だが、そういうことだ。
モチベーションなんて関係なく世界を救ってくれる勇者たち。かっこいい、さすがロト3部作。伝説級だ。
考え方は人それぞれ
以上、主人公たちのモチベーションランキングとその詳細だ。
ランキングという形式のため、優劣をつけてしまった形にはなるが、冒頭書いた通り彼らの旅に対する思いは常に全身全霊のはずだ。あくまでもこれはお遊び。
モチベーションのどこに重きを置くかは人それぞれ違うと思うので、一度自分で考えてみると面白いかもしれない。筆者は最初「失ったもののために戦う方がモチベーションも上がる」と考えていたので4勇者が1位だったが、モチベーションそのものにフォーカスした結果まったく違う順位になった。誰が考えても、みな違うランキング結果になるはずだ。
1つのゲームでたくさんの意見が出てくる。これだからドラクエは面白んだよ。
(文・やなぎアキ)
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