ある日、オッカムル島を散歩していたんだ。
ふと上から視線を感じた。
なんだろう?鳥かなにかだろうか?それとも丘の上からモンスターがこちらをうかがっているのか?
もしそうだとしたらすぐさま逃げなければいけない。
僕は確かめようと上を見た。
あ、あ、あ、あ、
あらくれだぁ~~~~~~。
あらくれが空を飛んでいるぞ~~~~!!!
しかも何も使わず、体一つで飛んでいるっ!!
僕は自分の目を疑った。あらくれが空を飛んでいる?そんなことがあるはずがない。
きっとこれは夢だろう。空を見上げるのをやめ、集落に戻った。
あれはオッカムルの暑さが見せた幻だろう。もう二度と見たくない幻だ。あらくれの空飛ぶ姿なんて。
願わくばもう見ることがありませんように。
夜になっても飛んでた~~~~~。
見事な肉体美でもって飛んでるあらくれ~~~~。
旋回も余裕な模様。
集落上空を飛ぶあらくれ。
人間が空を飛ぶには胸筋をものすごく発達させなければいけないと聞いたことがある。あらくれ、まさかその境地に~~~?
あらくれ、なぜそんなに集落を見下ろすように飛ぶんだ。なぜなのか~。
はっ!!もしや……。
パトロールしてくれている?
そうか、そうなのかあらくれ~~!
どうやら今夜もオッカムルは平和だったようだ。
そうして巣(?)に戻っていくあらくれ。
ありがとうあらくれ~、オッカムルの平和はこの空飛ぶあらくれによって人知れず守られていたんだね~。
さようなら、その身一つで飛ぶあらくれ~~~!!
ところで前を飛んでいたあの少年たちはなんだったんだろう。
(文・リモート侍)
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