どう頑張ってもけっして勇者には勝てないもののことです!
とは私が今適当に考えた名言っぽい言葉です。
ということで今回は魔王についてちょっと考えてみようと思います。
ドラクエの魔王
ドラクエの魔王といえば誰が思い浮かびますか?
やっぱり竜王?それともゾーマ?最近だとウルノーガ?
人によって答えは違うと思います。みんなの心の中にそれぞれの魔王がいます。
でもよく考えてみると、「魔王」と名乗っているものって実はそんなにいないような?破壊神とか暗黒神とか、冥王とか。竜王は「王の中の王」と自分で言っていたりします。魔王という枠に収まらないビッグぶり。
しかしドラクエではラスボスを総称して魔王と呼びます。他ゲームでは単純にラスボスと総称されるところを、魔王、と呼びたくなるのです。
そこがドラクエのいいところ!
ラスボス、というよりも、魔王、と言った方が「倒さなければいけない存在!」というイメージがわきますもんね。ドラクエは常に一貫して「人々を脅かす悪を倒して世界に平和を取り戻す!」というゲーム目的を持っているので、魔王呼びがしっくりきます。どれだけの時が経っても、世界観が統一されているドラクエだからこそだと思います。
大魔王だけど魔王
作品によっては魔王は中ボス程度の扱いで、裏に大魔王という真のラスボスがいる場合もあります。バラモスとゾーマとか、ムドーとデスタムーアとか。
ドラクエ3で魔王といったらバラモス、大魔王といったらゾーマ。
のはずなんですが、「ドラクエで好きな魔王は?」と聞かれて「ゾーマ!」と言う人はいても「バラモス!」と言う人はあまりいないと思います。「ムドー」って言う人はいそうだけど、なんとなく。
そんなときのゾーマ様の心境っていかがなものなんでしょうか。
「わし、魔王じゃなくて大魔王なんだが」
みたいな気持ちになったりするんでしょうか。
例えば、ラスボスたちが集まって飲みに行ったりするときの名称が「魔王会」だったらなんだかモヤモヤしたりするんでしょうか。
でもみんなが楽しそうにしている手前、なんにも言えないなぁと気をつかっていたりするのでしょうか。
そして「魔王」なのにお呼びの声がかからないバラモスの心境はいかに……。
同じようにデスタムーアもモヤモヤしている可能性もあります。
でもやっぱり「魔王」でひとくくりにしたいですね。
どう考えても魔王じゃないやつ
暗黒神だ破壊神だと、魔王じゃないラスボスもいますが、魔を統べているという意味ではみんな魔の王、すなわち魔王で間違っていないと思います。
が、そうは言ってもどう考えたって魔王にすることはできないだろうというやつがいます。
そう、ドラクエ9のエルギオスです。
エルギオスだけは魔王ということはどうしてもできない気がします。堕天したとはいえ、魔のものではないですし。めちゃくちゃな憎しみを持ってして世界を滅ぼそうとしますが、別に魔物たちを統べているわけではないですし。魔の王ではないです。
ラスボスの中でもひときわ異質な存在だと言えます。エルギオスに「魔王」と言えば、「違いますけど?」と普通に言われそうです、ごみを見るような目で。一緒にすんなと言わんばかりに。
そうは言っても「魔王会」には呼びますけど。呼びますけど、多分エルギオスは何かと理由をつけて来ない。
ドラクエのラスボスは魔王、という図式を見事に崩した先駆者がエルギオスでしょう。別に魔王だけがラスボスではないぞと。
こうしてエルギオスを筆頭に、魔王ではないラスボスたちが続々と……と思ったら意外とそうでもなく。10も11もがっつり魔王が出てきます。まだまだエルギオスの切り開いた道は舗装されなさそうです。
これからの魔王
ドラクエの魔王たちはひたすら悪いやつが多く、絶対に倒さなければいけない!という存在です。魔王を倒すことに何の疑いも持ちませんでした。
ピサロはロザリーの件に関してはかわいそうだなとは思いますが、その前に行っている悪行については擁護できないですし、エルギオスもただ勘違いした結果だったのであまり擁護できない部分があります。
しかし今後はもしかしたら、倒すのをためらってしまいそうなラスボス、魔王が出てくるかもしれません。
元は人間だったとか、魔王を倒すことで誰かが悲しんでしまうとか、仲間の誰かが魔王になってしまうとか……。
元は人間というのは既にいますが、ミルドラースもウルノーガも悪に振りきれすぎているので、もっと同情を誘うような魔王ですね。
そういった「本当に倒してもいいのか?」という気持ちにさせるような魔王がいつか出てくるかもしれません。
でも、できればドラクエでは魔王を一刀両断して気持ちよく平和を取り戻したいので、なるべく今のスタンスを変えないでほしいなぁとも思ってしまいますね。
勇者が常に世界に平和をもたらすものであるように、魔王には常に悪いやつでいてほしいです。これからも勇者にやられる役、頑張ってください!
(文・やなぎアキ)
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