頼まれごとをされても、なんとなく後回しにしちゃうことってあるじゃないですか。ストーリーを先に進めたいから、一旦これはあとででいいや!って。
そういうことを言っていると、大事な場面で空気を読まない人を生んでしまう可能性があるんですよ。
シドーと力を合わせて破壊神シドーを倒した主人公。これで平和な世界を取り戻せる!
そんなことはありませんでした。なんと、細かい説明は省きますが自分たちの世界はこのままだと消滅してしまうのです!
当然からっぽ島の仲間たちは不安を募らせます。
チャコちゃんは不安でいっぱいです。世界が消えてしまえば、その世界の住人である自分たちだって消えてしまうに違いない。自分の存在が消えてしまうなんて恐ろしいです。
主人公とシドーとは長い付き合いであるルルは、主人公たちに全面的な信頼を寄せています。世界がなくなることに不安を抱いているはずなのに、この二人ならきっとなんとかしてくれるに違いない!と思ってくれています。
いつも島まで安全に送り届けてくれる船長。一緒にかんごく島を脱出したりと、船長も勇敢なところを多く見せてくれました。しかし世界が消えてしまうとなれば、これほどまでに肩を落としてしまうのですね……。
持ち前のリーダーシップ(?)でみんなを引っ張ってくれるドルトンさんは、こんなときでもドルトンさんです。
と、思いましたが、やはりドルトンさんも怖いようです。
自分の体がうすらいでいる、恐怖でしかないはずです。いつもの陽気なドルトンさんではいられないことが、ことの深刻さを表していますね……。
いつも笑いを忘れないジバコ、主人公とシドーの無事に安心しますが、完全にいつもより元気がありません。
どうしようどうしよう、と慌てることもできないほど絶望的な状況であることがひしひしと伝わってきます。本当にマジヤバすぎて言葉が出ないです。
物作りをするためにお姉さんと離れ離れになったリズ。でもそれはいつでも会えると思っていたからです。世界がなくなってしまえば当然お姉さんとも二度と会えません。そりゃあ手を顔にめりこませて泣きたくもなるものです。
こわ。デフォルトで口角上がっててこわ。
バーのマスター・アーマンも頭を抱えて恐怖におびえています。そりゃあ誰だって、自分の存在が幻だなんてこと言われても信じられるわけがありません。ましてや、もうすぐ消えてしまうと言われれば。
あの屈強なカルロもこの有様です。もう打つ手がないんだ……と膝から崩れ落ちます。
では次は、オッカムルのあらくれ代表・ミルズとマッシモの話を聞きに行きましょう。あそこにミルズ、奥にマッシモがいます。おーい。
お?
奥にいるマッシモが、なんだか言っているような……?「線路を敷いてほしいぞ!」?恐らく、気のせいでしょう。気を取り直して、まずミルズに話しかけます。
ミルズは自分の筋肉に絶対の自信を持っていますから、そんな自分が消えてしまうのが耐えられないようです。彼もまた、世界が消えゆく運命を受け入れることができていないんですね。
彼と仲のいいマッシモも同じような心境でしょう。
「線路を200個しいてくれ!もちろんつなげた方がいいぞ!」
「ピラミッドやオアシスの中を通すと楽しい線路になる気がするぞ!」
ムーンブルクに長年仕えていたジロームも、涙ながらに無念を語ります。これからの人生に新たな希望が見えてきたところだったのに、この仕打ちはあんまりです……。
一方、マッシモは。
「線路を200個しいてくれ!もちろんつなげた方がいいぞ!」
王から許しを得て、からっぽ島に一緒にやってきた近衛兵ゼセル。ものすごい詩的に現状の絶望具合を表しています。このままではもう明日は来ない、この黒い世界のなか消えてしまうのを憂いています。
一方、マッシモは。
「線路を200個しいてくれ!もちろんつなげた方がいいぞ!」
吟遊詩人のプットは相変わらず歌っていますが、彼が恐ろしがっているというのは伝わってきます。アネッサの視線がやや痛いですが。彼も消えゆく運命を受け入れがたく思っていることでしょう。
一方、マッシモは。
「ピラミッドやオアシスの中を通すと楽しい線路になる気がするぞ!」
マッシモはルル以上に、主人公たちがなんとかしてくれると信じ切っているのかもしれません。これからのことを語れる人って偉大です。
(文・やなぎアキ)
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