ドラクエ7の終盤では、仲間の1人を置いていかなければいけない。
通常ドラクエで仲間を置いていく、預ける場所といえばルイーダの酒場が思いつくだろう。しかしドラクエ7ではルイーダの酒場なんて優しい場所が用意されてはいない。
ではどこに置いていかれるのか。
そう、マリベルの部屋だ。
マリベルの部屋にただ1人残された仲間は一体何を思うのか。どう過ごしているのか。考えてみることにした。
参考記事
マリベル
マリベルの部屋でマリベルが待機している。まったく違和感がない。普通に自分の部屋なので、今まで通り食事して寝ての日々を送ると思われる。
ただ、オルゴ・デミーラを倒しに行けないのは悔しいだろうなと思う。彼女は仲間のなかでももっとも オルゴ・デミーラとの因縁が薄い。嫌なやつ、絶対に倒さなければいけないやつとは思っているだろうが、彼女自身がなにかされたというわけでもない。フィッシュベル封印されてるけど。
彼女はどちらかというと「あたしがそうしたいんだからやるのよ!」ってスタンスだ。冒険している理由も恐らくそう。でもそういう理由だからこそ、自分の手で魔王を倒せないのは至極悔しいと思う。
自分の手で倒せないことにイライラしながら自室で待機していることだろう。でも心優しいから、ちゃんと主人公たちのことも心配してる。いい子。
マリベルの場合、ストーリー的にも育成的にも大事な時に長期離脱してしまうので、仲間との乖離がどうしても避けられない。そのためにマリベルの部屋にマリベルを待機させたプレイヤーも多かったのではないだろうか。
ガボ
ガボがマリベルの部屋で待機……。マリベルがすごく嫌がりそうだ。とりあえず汚されそうだ。おそらくマリベルがガボに「絶対に何も触るな」と釘を押しているだろう。
それでもきっと鏡とかは指紋だらけになる。ベタベタ。
あと食事。多分食事はマリベルの父・母と共にとる。一応フィッシュベルでは一番の名家なわけだから、多少なりともテーブルマナーはしっかりしている家庭だと思われる。そんな二人が野生児ガボの食事を黙って見ていられるだろうか。手づかみとかで食べちゃうんだから。たまらずアミット夫人がガボにナイフとフォークの使い方を教えていたら面白い。
無事帰ってきた主人公たちが、見違えるほど綺麗に食事をするようになったガボを見たらどう思うか。オルゴ・デミーラを倒したことなんて一旦どうでもよくなるかもしれない。
しかしガボはオルゴ・デミーラのせいで一族を根絶やしにされた身だ。正直テーブルマナーがどうとか言っても聞く耳も持たないかもしれない。それこそ泳いででもダークパレスに行きそうな気持ちはあるだろう。
ガボの場合は、主人公に次いでパーティーにいる期間が長い。そのため育成をしっかりしているだろうから早々預けられないのではないだろうかと思う。実際のところはどうなのだろう?
アイラ
アイラがマリベルの部屋に待機するのが一番心配がないかもしれない、マリベルにとって。一応の常識はあるし、なんていったって女性同士なのだから。
礼儀正しい面もあるので、マリベルの両親にもすぐに気に入られることだろう。ガボの時のような心配はいらない。
しかし彼女が最終決戦に参加できないのはかわいそうだ。なんといっても彼女は、悪気はないとはいえ魔王を復活させた張本人といっても過言ではないからだ。別に彼女に罪があるわけではないが、誇り高い彼女のことだから自分の手で復活させてしまった魔王を倒したいだろう。その気持ちは人一倍なはずだ。
それがマリベルの部屋で、ふかふかのベッドで眠り、温かい食事を食べていては、気が気じゃないだろう。安全な場所に残されることこそが、彼女にとっては苦痛なのかもしれない。
アイラの場合は、加入時期が遅いということもあり育成が十分ではない可能性がある。また、攻撃面で活躍させるかスーパースターとして補助面で活躍させるか、いまいち性能面で困るという点もある。結構預けた人は多いのだろうか。
メルビン
メルビンはもうマリベルの部屋ではなんにもできない。というかさせない。入口付近でずっと立ってるだけ。
そもそも16歳のうら若き乙女の部屋にむっつりスケベのご老人をおいておくのを、両親がなにも思っていないのが問題だ。ベッドなんて絶対使わせるんじゃない。
マリベルの部屋にメルビンがただ一人で立ってる構図、ほんとにわけわかんない。
メルビンだけ主人公の部屋とかじゃダメなのか。
メルビンをただ1人マリベルの部屋に残していくのは、パーティーメンバー云々の前に反対だ。
それはさておき、メルビンはかつて神と共にオルゴ・デミーラと戦った英雄だ。その経歴もあり、神をやぶった忌まわしき宿敵を倒したいところだろう。お留守番なんて言われた日には、自らの熱意をふるって考え直すように言うことだろう。
だが今はもう神とメルビンが戦っていた時代ではない。今に生きる若者たちの時代だ。オルゴ・デミーラを倒し、平和な時代を取り戻すのは若い世代であるべきだ。そういう考えの元、結局メルビンをマリベルの部屋に置いてきてしまう自分がいる。絵面はともかく。
(文・やなぎアキ)
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