ドラクエ7のパーティー編成は、他作品と比べて少し特殊だ。
最終的に残されるメンバーは主人公含めて全部で5人。これは当時、なかなか厄介に思ったものだった。
ドラクエ4・5・6では馬車があったため、8~10人を同時に連れ歩くことができた。ドラクエ8リメイクでは馬車に乗ることはしないにしても、バトル非参加キャラも連れて歩けた。ドラクエ11だってそうだ。
しかしドラクエ7ではそれがない。
パーティーメンバ―のMAXは4人だ。それ以上は許されない。プレイアブルキャラクターは一応全部で6人。しかし幸いなことに、一時離脱したり永久離脱したりで常に4人より多くなることはない。
よくできてるなぁとプレイ時には思っていた。誰かがいなくなれば誰かが補充される、誰かが補充される前には誰かがいなくなるのかぁ、と。素晴らしいバランス。社会の仕組みかな?
だが、最終決戦を前にしていきなりこんな問題が起きる。
パーティーメンバーのうち1人(主人公除く)をマリベルの部屋に置いてこなければいけない。バババァンンン!!!
なんでうまいこと帳尻合わせて4人にしてくれなかった!?!?そう思った。今までさんざん帳尻合わせしてきたじゃないか!!
しかも1人て!!ドラクエ5とか6とかだと、ルイーダの酒場に預ける人数もそこそこいる可能性がある。例えば、サンチョとピピンが
「私たち、あぶれてしまいましたね……ハハハ」
「坊ちゃんは私たちを一回も旅に連れていってはくれませんでしたね」
って傷の舐めあいもできる。でも1人て!誰と傷の舐めあいをすればいいんだよ!セルフひゃくれつなめ!!
しかも何が最悪って、よっしゃこれからあのふざけまわした魔王けちょんけちょんに倒してやるぜぇ、覚悟しとけやオラぁ!!ワガハイのマッスルダンスが火をふくぜぇぇぇぇ!!なタイミングなときね。
それぞれの因縁因果はどうあれ、仲間はみな魔王を倒したい気持ちでいっぱいだろうに!1人置いてかれる仲間の気持ちよ!
「よーし、みんな!早く魔王を倒しに行こう!ダークパレスへGOだ!」
「あ、お前来なくていいから。安全なフィッシュベルで待っとけ」
はぁあぁあぁぁ!?!?
いやいやいや、待て待て待てと。せめて戦えなくてもいいからそばで見させてくれよと。どんな気持ちで待ってればいいんだと。そもそもなんで4人で戦う縛りしとんのかと。1人増えたところでなんか不都合でもあんのかと。飛空石の人数制限?知るか、地上から入れるようになってしまえば関係ないだろうが。あれか、賢者の石は全員回復と見せかけて実は4人までしか回復してくれないとかなのか。フバーハもスクルトもそういう仕様なんか。でも精霊や幻獣はちゃんと回復するよな。そこはノーカンなんか。それともオルゴ・デミーラは人見知りすぎて一度に5人相手にすると照れちゃって隠れちゃうのか。そんなわけないだろ。てかこれあれだ、このアトラクション、4人乗りだからお前下で待っとけ、みたいなやつだ。いや2:3に分かれればよくない?とか言い出せないやつだ。全然違うわ。なんだこれ、くそっ。
あるいはこうか。
さすがに魔王相手に5対1はやりすぎだと思う……。
やかましいわ、変わらんわ。
そしてさらに置いてかれる仲間に追い打ちをかけるのが
待機場所がマリベルの部屋。
いやこれもう地獄。置いてかれる仲間もマリベルも地獄。よりによって毒舌家マリベルの部屋て。どんなに綺麗に使っても文句言われる自信ある。ああだから待機してる仲間って直立不動なのか。極力部屋で何かしでかさないように。
ルイーダの酒場だったら、他の人とお酒飲んだりしてなんとか気を紛らわせて待てるだろうけど。マリベルの部屋はやばい。
できればマール・デ・ドラゴーン、百歩譲って主人公の部屋で待機がいいわ。マリベルが残されたら、なんでお前自分ちじゃなくて主人公の家いるの?ってなるけど。
最終決戦でたった1人クビ宣告されたあげく、待機場所も意味不明なドラクエ7。めちゃくちゃ好き。
(文・やなぎアキ)
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