よくぞ来た!わしが王のなかの王、竜王である。
わしは待っておった、そなたのような若者が現れるのを……。
もしわしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう!!
どうだ、悪い話ではあるまい。
いいえ
……すまんが、外の音がうるさくて聞こえなかった。
もう一度聞くぞ?
もしわしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう!!
どうだ、悪い話ではあるまい。
いいえ
……すまんが、外の音がうるさくて聞こえなかった。
もう一度聞くぞ?
もしわしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう!!
どうだ、悪い話ではあるまい。
いいえ
……すまんが、外の音がうるさくて聞こえなかった。
もう一度聞くぞ?
──
どうだ、悪い話でh…いいえ
…………。
…………。
そんな、ひどい…
!?!?!?
こんなに聞いてるのに受け取ってくれないのはどうかと思うぞ?
何回断っていると思っているのだ。500を過ぎたあたりからわしも数えるのをやめたぞ。そこから体感では1000は越えているな。
そこまできたらいい加減に「あ、無限ループだな、はいって言わないと先に進まなんだな」と察してくれてもいいだろうに。RPGのお約束を知らんのか、おまえは。
名作RPGの一作目だからといって、この時代に律儀にRPGを知らずに今作をやるおまえは、果報者だな。
わしが善意で世界の半分をくれてやろうと言っておるのだ、素直に受け取っておけばいいものを。そこに変な裏なんてありゃしないんだから。
いいか?お主が「はい」と言えばそれで済む話なのだからな?
では改めて聞くぞ?
もしわしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう!!
どうだ、悪い話ではあるまい。
いいえ
…………。
…………。
そんな、ひどい…
!?!?!?
こんなに聞いてるのに受け取ってくれないのはどうかと思うぞ?
何回断っていると思っているのだ。500を過ぎたあたりからわしも数えるのをやめたぞ。そこから体感では1000は越えているな。
そこまできたらいい加減に「あ、無限ループだな……
──
いいえ
そんな、ひどい…
もしわしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう!!
いいえ
そんな、ひどい…
もしわしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう!!
いいえ
そんな、ひどい…
もしわしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう!!
いいえ
そんな、ひどい…
もしわしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう!!
…………。
…………。
……はい
では世界の半分、闇の世界を与えよう!!
わあっはっはっはっ
……これ俺が悪いのか?
勇者たるもの、さすがにりゅうおうの甘言には乗らないだろう、と思って書いてみました。
(文・やなぎアキ)
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