「星のドラゴンクエスト」の案内人、モガマル。
陽気な性格で、困難に直面してもめげることなく活路を切り開いてくれる。
そんな彼が今、あのロトの伝説に足を踏み入れようとしている。今こそ立ち上がれ、モガマル!伝説の勇者になるのは、お前だ!
第一話 お、お前は誰だ!
モガマルが3人のしもべを連れて、いつものようにブルリア星を冒険していると、ひょんなことからある封印を解いてしまう。ひょんなひょんな!
すると、神々しい光を放つ、美しい女性が現れたではないか!
突如現れた彼女は、ルビスと名乗った。アレフガルドの大地を創ったという。
まぁもし、創造ではなく想像の方だったらただただ痛々しいが。誰しも自分の頭の中だけの世界を創り上げたりするよね、HAHAHA。
しかしもし大地を創り上げたということが本当であれば、この女性は神に等しい存在ではないだろうか。思わず畏怖の念を込めて見つめてしまう。これだけ神々しいのであれば、それも致し方ないだろう。
しかしそこはさすがモガマル。
これだけ神々しくとも、とりあえずタメ口だ。相手が誰であろうと関係ない。
精霊とか、大地を創ったとかは、彼の心には響かない。
いきなりタメ口きいてくる、まるでTwitter民のような態度をとったとしてもルビスは腹を立てることなく質問に答えてくれた。見た目通り慈悲深そうだ。
異世界にアレフガルドがどうやらあるらしい。
異世界というもののことはたしかによくわからないが、それが異なる星というのは違う気がした。いくらモガマルの言うことでも、納得のいかないこともある。
「俺は異世界から来たんだ」と言われたら、とりあえず(頭のおかしい人なんだな)と思うが、まさか(違う星の人かな?)とは思わないだろう。異世界は異世界だ。異星ではないだろう。
まぁ仮に違う星だとして、星を創った精霊に対しての態度とは思えないモガマル。素晴らしい。
急に怒られた。怒られたか、波平リスペクトのあまりモノマネの練習をしていたところ、勢い余って本から飛び出して来てしまったかのどちらかだ。
恐らく前者だろうが、後者の可能性もある。ここは一つ、似てないぞと指摘してあげよう。その方が彼のためにもなる。
指摘しなくてよかった。普通に怒っていたようだ。
いや、アレフガルドを創造した精霊ルビスでしょ。想像かもしれないけど。
なんと、彼はルビスのことを知っているようだ。この口ぶりからすると、異世界というのは本当に違う星のことなのだろうか。なんだか納得がいかない。
ちなみにこのじいさんは、モガマルのしもべ3人の祖父らしい。しもべの祖父のことなんて、知ったこっちゃないが、随分とでしゃばってくるものだ。
モガマルもようやく、彼女がどれだけすごい人物(?)なのかを飲み込めたようだ。
いや、この顔は、やっぱり上手く飲み込めていないのかもしれない。彼は鈍いんだ。許してやってくれ。
じいさんに言われて、ようやく言葉使いを改めるモガマル。
とりあえず、お互いの自己紹介はこれで済んだだろうか。そろそろルビス様の話を聞いてみようと思う。
おっと、その前に。
ようやくオレも挨拶を済ませた。
オレはスラッピ、モガマルの相棒だ。これからオレたちの旅が始まる。すこぶる楽しみだ。
次回予告
ルビス様の話を聞いてみると、オレたちはどうやらとんでもないことに巻き込まれることになったようだ。
さすがのモガマルも驚きを隠せないようだが、まんざらでもなさそうだな。
次回、「おいらが勇者になるのか?」!!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!!
(文・やなぎアキ)
次回
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