すっかり年末モードで街に繰り出せばいたるところで忘年会をやっています。やっぱり魔王軍も日ごろの疲れをいやすため、鬱憤を晴らすために忘年会をやっているのでしょうね。おや、あそこにいるのは魔王オルゴ・デミーラさんでしょうか。丁度一次会が終わったところですね。
おやおやすっかり出来上がっているようで、しかも酔っぱらっている部下が頭の上に乗っちゃっていますよ。
これが世にいう無礼講というやつですね。
「オルゴ・デミーラ様!一次会が終わりましたけど!」
「そうだな……では……」
「うっ……」
おや……?
「ううぅ……」
あれ、もしかして吐いちゃう??吐いちゃうやつ?
「うぉええ」
あーこれ吐いちゃうやつだ。飲みすぎたんだなー。魔王でも吐いたりするんだなー。
「ヴぉええええええ」
えっ?
えっ?吐しゃ物に混じって、え?
汚い、え?汚い。
すっごいキラキラしながら出てきたけど汚い、え?
「オホホホホ、すっきりしたわ」
「オルゴ・デミーラ様、これ匂い消しの香水です!」
「さすが、気が利くわね。さすがにちょっと飲みすぎたみたいだわ」
「いやいや、そんなご謙遜を。今日はまだまだ飲む気なんじゃないですか?」
「あら、ということはちゃんと二次会の会場、手配してあるの?」
「はいもうばっちり!次の店は日本酒がたくさん置いてありますよ!」
「オホホホホ!さあぼうやたち、次の会場に急ぐわよ!」
私は黙ってその場をあとにした。
(文:やなぎアキ)
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